アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

溝口優司 / SBクリエイティブ
(34件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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8
13
2
0
  • 丁寧な語り口で書かれ好感が持てます

    日本人はどこから来たのか、日本人のルーツはどこかという、日本人であればどうしても興味を持ってしまうであろう話題について、最新の人類学の学術成果を織り込みつつ、一般の人向けに分かりやすく解説した本です。雑談ネタとしても知っていてよい内容でした。この手の本としては読みやすいほうなのではと思いましたが、人類学の学者としての知見から来るマニアック過ぎると思われる説明もあり、人によっては退屈に思われるところもあるかも知れません。例えば分析手法の詳細など、調査方法そのものに興味がないと、早く結論を教えてと思えてくるでしょう。類似性分析における統計学的な裏付けの話などは、個人的には興味深かったですが。
    また、歯や骨の形や体型についての説明が多く出てきますが、図が少ない為、記述された文章からはなかなかイメージ出来ないことが多いです。もうちょっと図や写真があっても良かったかなと思いましたが、用語をネット検索するなどして補完しながら読む方法があると思います。分かっている人には当たり前過ぎるのかもしれませんが、毎日、人骨を見ながら過ごす人はあまりいないと思いますので。
    全体として、丁寧な語り口で書かれ、出来るだけ一般の人でも分かってもらえるように説明しようとする姿勢が感じられ、好感が持てます。退屈に感じるような箇所になったら、少し読み飛ばすくらいの軽い気持ちで読み進めれば、必ず読んで良かったと思える箇所に出会えると思います。個人的には「なぜ人間の女性の胸は膨らんでいるのか?」という疑問に対する説明(学説)が興味深かったです(笑)。
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    投稿日:2013.10.23

  • 日本人はどこからきたのか?

    タイトルの通り、日本人はどころから来たのかについて丁寧に記述された本です。
    一方、日本人だけにフォーカスせず、人類が始まって以来の歴史に関する説明や、化石の調査解析手法など人類学の基本的な事柄にもふれられており勉強になりました。
    最近、この分野の本に興味がありつい手に取っております。
    なぜそうなのかというと、人という種がこの世界に現れてから現在までの多くの期間、人はどうしてきたのかを知ることで、人は本来どう生きるべきなのかという答えが見つかるような気がしているためです。つまり、現代の世界は人の歴史からすればとても変わった状態であると敢えて考え、現代になる以前の人の生活様式の中に、本来、人が取った方が良い生活の仕方へのヒントがあるのではないかということです。
    まあ、私が勝手に思っていることですので、皆さまは気になさらないでくださいね。もちろん、原始時代の生活に戻りたいと思っているわけでもありませんし・・。(エアコンの効いた部屋でこのコメントを書いています。)
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    投稿日:2016.08.10

  • ずんぐりは、寒冷地適応!?

    縄文人と弥生人の違いを、頭蓋の計測で説明されてます。根気のいる研究でしょうし、それだけ納得のいく内容です。
    最後のほうで、──これからの人類が、自らの体を大きく変化させて環境に適応することは、もうほとんどないでしょう。──と、おしゃっているのが、進化を探ってきた著者の言葉だけに、考えさせられます。

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    投稿日:2013.11.26

ブクログレビュー

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  • Penguing

    Penguing

    人間の進化については以前から興味がありました。ので,進化に関する本もこれまで何冊か読んでいますが,以前読んだ本の中で「原人」に関するものがあったので,その後の進化の変化をわかりやすく説明している本を探していて本書に行き当たりました。アフリカから日本にホモ・サピエンスがどのようにして移動し,かつ進化してきたのかに関する俯瞰的な考え方が,詳細に紹介されていたように思います。

    特に「日本人」に関する重要なポイント(第3章)をまとめると,次のようになるでしょうか。

    10万年以上前にアフリカを初めて出たホモサピエンスは,6万年から5万年前までには東南アジアにたどり着きます。その中の一部は,南東へと移動します。氷河期に スンダランドからサフィールランドへと移動し,遅くとも3万年前までにはオーストラリア南東部に到着したそうです。彼らがオーストラリア先住民族であるアボリジニーの先祖となります。

    また残りの一部は北方へと移動し,シベリアや北東アジア,日本列島などに拡散していきます。日本列島と琉球諸島には4万年から3万年前ぐらいまでに到着し,日本列島に上陸した人々は縄文人の祖先となったわけです。

    一方で,シベリアに向かった人々が遅くとも2万年前頃まではバイカル湖付近に到着し,そこで体を「寒冷地適応」させ,北方アジア人の特徴を獲得します。彼らは日本に渡った縄文人に比べ,背が高く,顔の彫りの深さが浅く,鼻が高く,歯の形はシャベル型をしていました。これらは全て寒冷地に体が適応したと言う進化的特徴として考えられているそうです。

    それらの集団は,その後南下や東進し,3000年前までには中国の北東部などに住み着きました。この中の一部が縄文時代の終わり頃に朝鮮半島経由で西日本に渡来し,現在の日本列島に拡散していったのだそうです。

    つまり縄文人と弥生人とには,数千年の期間をあけた適応レベルが大きく異なる亜種のような違いがあるといえるかもしれません。そうして大陸から渡来した人たちが弥生人となり,もともと日本に住んでいた縄文人と混血しながら「置換」に近い形で広がっていきます。こうして現在の日本の状態を作り出したのだそうです。

    しかし渡来してきた弥生人たちは,実際そんなに多くの数がいたわけではないらしいのです。しかし,なぜ大勢の縄文人たちと置き換わるようなことが可能だったのかという点は非常に興味深いポイントでした。実はここに狩猟採集民と農耕民との間に存在する人口増加率の差が関わってきているそうです。

    農耕によって安定して食料が供給できるようになると人口が一気に増えるため,農耕民の人口増加率は狩猟採集民のそれよりもはるかに高いそうです。実際にコンピューターシミュレーションによって計算が行われた結果,たとえ小数の渡来民たちであったとしても,弥生時代の中期頃までには,渡来系の人々が縄文系の人々を,人口の上で十分に凌駕することが可能になるのだそうです。つまり日本人はもともと南方系起源の縄文人のあとに,北方期限の弥生人が入ってきて,置換に近い混血をした結果,現在のような姿形になったというわけです。

    アフリカを出た人類の祖先が,どのようなルートを通って現在の日本人となったのかを非常に明快に理解することができました。 書籍の中でも一部記載があったのですが,進化の中での人類の移動はアフリカから外に出る一法通行だけだったのかという問いに対し,その逆の移動もあったのではないかと言う可能性もあります。例えばジャワ島などで発生したホビット族と呼ばれるホモフローレンシスのような特異な変化をした人類の祖先が,逆にアフリカ方面に渡ることによって新たな変化を生じさせる可能性だってないわけではないのです。

    これを考えれば大陸や南方から渡ってきた日本人の祖先が,日本から逆に外に出ることによって何らかの進化の影響を与えたということも考えられるのかなと思うと,また一つワクワクできるような思考材料が手に入ったような気がします。

    参考文献も記されていますので,勉強がはかどりますね。今回も良い学びを与えていただきました
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    投稿日:2020.10.13

  • nakaizawa

    nakaizawa

    (「BOOK」データベースより)
    私たち日本人は、どのようにして生まれたのか―700万年前に最初の人類である猿人がアフリカで誕生し、さまざまな淘汰を繰り返しながらホモ・サピエンスへと進化し、ついに人類が日本列島にたどり着くまでの壮大な物語。日本人の起源についてはさまざまな説が論じられているが、本書では形質人類学による最新の研究結果を基に、日本人のルーツの謎に迫る。
    ▼本書の構成
    序 章 日本人の顔と欧米人の顔は、なぜ"同じではない"のか?

    第1章 猿人からホモ・サピエンスまで、700万年の旅
    1 人類と類人猿の間にある一線とは?
    2 1000~700万年前、最初の人類がアフリカで誕生した
    3 美食の猿人は生き残り、粗食の猿人は絶滅した!?
    4 猿人と原人、双方の特徴を持つホモ・ハビリス
    5 原人はアフリカで誕生し、アフリカを出た
    6 謎のホビット、ホモ・フロレシエンシス
    7 ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは、同時代を生きていた!
    8 十数万年前、ホモ・サピエンスがアフリカで生まれた

    第2章 アフリカから南太平洋まで、ホモ・サピエンスの旅
    1 北京原人が現代中国人になった、わけではない
    2 人類はいつ、どのようにしてアフリカを出たのか?
    3 ホモ・サピエンスがヨーロッパにたどり着くまで
    4 南下したホモ・サピエンスは、どのようにしてオーストラリアに渡ったのか?
    5 シベリアからアラスカへ、渡ったのは氷、それとも海?
    6 最後の未開拓地、南太平洋の島々

    第3章 縄文から現代まで、日本人の旅
    1 日本列島にホモ・サピエンスはいつ頃やってきたのか
    2 最初に日本に来たホモ・サピエンスが、縄文人になったのか?
    3 縄文人は、いつ、どこから日本列島にやってきたのか
    4 背が高く、顔が長い弥生人
    5 弥生人は、いつ、どこからやってきたのか
    6 日本人はこうしてできた!
    7 弥生から古墳時代へ、そして現代へ

    おわりに
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    投稿日:2019.10.08

  • hu-tarou

    hu-tarou

    このレビューはネタバレを含みます

    この書籍では、アフリカで誕生した人類か如何に進化し、アフリカをで、ヨーロッパやアジアを経由し日本や南米の最南端の地までの話。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.06.06

  • koishi-2018

    koishi-2018

    国立科学博物館 2015年7月7日(火)〜10月4日(日)
     生命大躍進 −脊椎動物のたどった道−

    「猿人がアフリカで誕生し、さまざまな淘汰を繰り返しながらホモ・サピエンスへと進化」した過程が、展示のポイントの一つです。

    この本を読んだことを思い出しました。

    本書は、それプラス「日本列島にたどり着くまでの壮大な物語」
    もう一度読みたくなりました。

        〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜

    「アフリカで誕生した人類が日本人になるまで」
    考えれば考えるほど、なぜ? と問いたくなるテーマです。

    2012年1月から放送中の NHK TV番組 「ヒューマン なぜ人間になれたのか」も 面白いので、これからも見逃せないね。
    <放送予定 総合テレビ>
    第1集 旅はアフリカからはじまった  2012年1月22日(日) 午後9時00分〜 
    第2集 グレートジャーニーの果てに 2012年1月29日(日) 午後9時00分〜 
    第3集 第3集 大地に種をまいたとき 2012年2月19日(日) 午後9時00分〜 
    第4集 そしてお金が生まれた(仮) 2012年2月26日(日) 午後9時00分〜 

    2011/11/20 予約 2012/2/4 借りて読み始める。 2/14 読み終わる。
     
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    投稿日:2019.01.12

  • Yu Kino

    Yu Kino

    昨日、読了

    本としては退屈だったけど、知りたい話がわかった

    つまり、結局は、残ったものから推理しても、在ったもののことはよくわからん、ということは、当然そうなんだけども
    その近況だけ知れたのでオケ続きを読む

    投稿日:2018.11.24

  • 水源地

    水源地

    著者は遺伝学ではなく、骨や歯の形で人類学を専門としている方なので、遺伝的な要素もあるが骨や歯の記述が多くなる本であった。

    3章構成であり、1章でアフリカで生まれた人類の祖先が変化していることを示すこと、2章でアフリカから世界に広がり、特に南太平洋に行くまでのこと、3章で日本人の祖先の縄文人や弥生人のことを平易に書いてある。

    とはいうものの自分は人類学の基礎知識があまりになくて読むことに難儀してしまった。ヒトの名前と特徴を表か何かにしないとやっぱり読むことが大変になるので、次回には基礎知識をもっと溜めて読みたいと思わされた。

    具体的な人種名や地理的なものは忘れてしまうけれど、大枠は理解できたような気はした。
    続きを読む

    投稿日:2018.06.17

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