【感想】アヒルと鴨のコインロッカー

伊坂幸太郎 / 創元推理文庫
(2433件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
804
862
517
76
18
  • 小説だからこそできたトリック

    とにかく真相がわかった瞬間に「騙された」と思った。なるほど確かにそうだよなあとうんうんと頷いている自分がいたわけですが、当時これを「完全」映画化するといっていたので本当にできるのか?と読了後、非常に心配したのを憶えている。小説だからこそできたトリックだと思ったのですが、後で映画観て杞憂であったと納得しました。

    さて本作は非常に面白く読めました。そこそこのボリュームはあるのですが2日ほどで一気に読んでしまった。話の構造は1つは仙台に越してきた「僕」の現在時間、それともう1つ二年前のある3人の男女の物語が交互に語られていき、やがて物語は「僕」が二年前の話に追いついた時点で1つに収斂されていく形をとっています。同時進行的に語られていく為、読者も「僕」と同じように過去を追体験して行き、真相に近づいていくのですが、この時間的に隔たった物語を結び付けている人物を通して2つの物語が結びついており非常に重要なキーマンになっています。

    内容自体は、かなり暗い話なのですが出てくる人物が「僕」も含め深刻に受け止めない性格の人が多いのか至ってライトでした。そのせいか同じ設定でも宮部みゆきだとここまで軽くは書けないだろうとは思いました。また小ネタも少々ありまして、主人公の「僕」には祥子という叔母がいるらしく、神奈川で響野という人に嫁いで喫茶店をやっているそうです。これはあきらかに「ギャング」の響野と祥子夫妻の話であり、ここで繋がっているようですね。
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    投稿日:2013.10.26

  • 伊坂幸太郎入門書

    トリックと物語の良質な融合ですね
    トリックだけでも十分驚かされますし物語もとてもひきつけます。
    伊坂作品の中では万人向けな気がします。
    しかし万人向けだから無難な作品というわけでは決してありません。
    不思議な出だしから結構ふか~い所まで入っていきますよ
    この作品で各読者が伊坂作品に向いているか否かを決めてもいいかもしれません。
    あとタイトルはどこか可愛げですが後半はなかなかどうして・・・。
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    投稿日:2013.09.30

  • 動物虐待の描写が辛過ぎて…

    動物虐待の描写が結構出てくるのですが、
    それがとてもリアルかつ残虐で動物好きにはかなり辛かったです。。

    それでも人気の作品なので、我慢して最後まで読みました。
    過去と現在がリンクしていく様子や真相は驚きましたが
    頑張って読むほどでは無かったです。残念ながら自分には合いませんでした。



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    投稿日:2014.01.19

  • 凄い作品と出会った

    読み終わった後フゥーっと溜め息が出るほど凄い。
    すぐに2度目を読みたくなる本。
    伊坂作品の中でもこのトリックは秀逸だと思う。

    投稿日:2013.11.05

  • もう一度映画も見てみたい

    この作品の出会いが映画からだったのである程度はあらすじを知ってたのですが、改めて伊坂先生に魅了されました。ストーリーも良いのですがやっぱり登場人物達が生き生きしてて、ちょっと重い話しとショッキングな箇所も幾つかあるのですが、最後は読みきった充実感でいっぱいです。続きを読む

    投稿日:2014.12.20

  • 読了後、すげぇ作品読んだ~って思う

    大学生の主人公と隣人の現代パートと、
    動物虐待事件が起こった2年前が語られる過去パートが
    交互に行き来し物語が進んでいきます。
    それが徐々にリンクして近づいていく感じ、ドキドキした。

    本屋を襲って広辞苑を盗む、の最初から引き込まれて、終盤にどんでん返し。

    読み応えもあるし、伏線回収サクサクだし、最後はとても切ない。悲しい。
    あと伊坂さんの言葉選び、超絶に巧い。

    すんごい小説でした。もう一回読む。
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    投稿日:2015.02.18

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ブクログレビュー

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  • こってん

    こってん

    期待値が高かっただけに、思っていた評判とのギャップでガッカリしてしまった。
    どんでん返しというほどひっくり返っていたとは思えない。

    洋書みたいなやり取りでテンポが悪く、何を主題にしたいのかが分からない。犬や猫を傷つける描写があって読んでいられなかった。続きを読む

    投稿日:2025.06.23

  • イーサン

    イーサン

    現在の僕と2年前のわたしの物語が交互に描かれ、それぞれが段々と近づいていき後半は急加速する。そしてあっと驚く展開。琴美がどうなるかは嫌な予感がしていたが、河崎についてはまったく読めなかった。読了後すぐに再読したい衝動にかられた。結末を知ってても別の面白さがあると思う。
    著者の小説にはユニークな登場人物が多く、セリフや行動が特異的だったりする、それが伏線的な意味を持たせている気がする。だから、登場人物の個性なんだと思って読んでいくと最後にやられたとなる。そして読後にじんわりと思い返してしまう。
    凄い作家だ。
    続きを読む

    投稿日:2025.06.21

  • カムニャン

    カムニャン

    このレビューはネタバレを含みます

    定期的に読んでいる叙述トリックのミステリー。
    今回の伊坂作品は、その枠を超えた彼のエッセンスが詰め込まれた初期の代表作のひとつ。
    一見どう繋がるのか?という過去と現在が交互に語られて、あの289ページで…
    熱心なファンではない私では作品全体の評価なんかできないが、いつものテンポのいい会話の妙であったり、うんちく(今回はあの国の)、音楽(今回はボブ・ディラン)も楽しく、いつもの叙述トリック同様にアッと言わされ、二度読みして、伏線回収に唸り、初見とは全く違う…
    エンドレスに流れる「ライク・ア・ローリング・ストーン」のラストシーンもカッコ良く余韻が残る。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2025.06.20

  • eric1368

    eric1368

    有名作品初読み。
    河崎、琴美、ドルジたちの「二年前」の物語と、
    椎名視点の「現在」、二つの視点から描かれる。

    相変わらず素晴らしい伏線回収。
    (もちろん全然気づかなかった˙ᴥ˙)
    でも、読み進めるうちに感じるのは重苦しさや悲壮感…。
    その中で、ドルジの持ってる死生観に影響を受けた人たちが、前向きに変わっていく(変わろうとしてる)のが印象的。
    続きを読む

    投稿日:2025.06.17

  • なこやん

    なこやん

    このレビューはネタバレを含みます

    伊坂幸太郎さんの本は4冊目の読破。
    帯に惹かれて購入したが、中盤で今までのストーリーが根本から覆るような事実が。
    カットバック形式で構成されているのがそこにきて真価を発揮していた。
    なぜ河崎は本屋を襲うことにしたのか理由が明らかになるとやるせ無い気持ちになる。
    伊坂作品、次は何を読むか迷う。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2025.06.16

  • ともちん

    ともちん

    タイトルからは想像つかない内容だった。
    あまり穏やかでない事件に遭遇した過去と現在が少しずつ交わりながら話しが進んでいくのが面白かった。
    みんなそれぞれ自分の物語の主人公だ、ってことを気付かせてくれた

    投稿日:2025.06.14

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