【感想】体制維新――大阪都

橋下徹, 堺屋太一 / 文春新書
(199件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
41
95
34
4
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • サラリマヌス

    サラリマヌス

    2011年と内容は古いが「大阪都構想」の必要性が語られている。政治手段は大きく3パターン(①金融政策②財政政策③構造改革)に分類されるが、当然③の必要性が繰り返し述べられている。個人的には①や②も同様に重要だと思うが、あまり触れられていない。本書の趣旨ではなかったかもしれない。個人的に注目したいのは大阪府または大阪市という伝統的組織の構造改革に挑戦した橋下徹さんの知見だ。長くなったので詳細は省くが、やはり構造改革は生え抜きのサラリーマン人材には難易度が高いと感じた。身も蓋もないが、インセンティブがないからだ。続きを読む

    投稿日:2023.04.28

  • rainygreen

    rainygreen

    正直、東京に住んでいると、大阪都構想が実現すると何がよくなるのかピンとこなかったんですけど、これを読んで非常によく理解できた。
    主張されていることはごくごくシンプルなんですよね。
    中央が号令かけて地方を画一的に統制し、恣意的に分配するやり方はもう時代に合わない。
    地域地域で、最適な形を自ら選択できるようにすることで活力を生む。
    シンプルかつ真っ当な考え方です。

    それと、政治と行政の役割分担について。
    政治家はビジョンと方針を示し、行政は実務が回るよう細部を組み上げる。
    お互いが衝突する際は、とことん議論を尽くす。
    これもまたシンプルかつ真っ当。

    そして、組織マネジメントの大切さ。
    政治家は政策を示すことより、体制・組織をデザインすることに注力すべし。という慧眼。

    なんだか拍子抜けするくらいシンプルで真っ当です。
    過激なところなんて全くありません。
    「ハシズム」だ「独裁」だ、と批判している人はこれを読んだのでしょうか。

    とはいえ、職員基本条例や教育基本条例がシンボリックに取り上げられるのは、橋下氏から「仕掛けている」面もあるように感じます。
    その点は”小泉流”な「わかりやすい敵を作る」手法の踏襲に思え、ポピュリスティックに感じられるのも事実ですが。

    主張がシンプルな分、同じ内容が繰り返されて、読み物としてはやや冗長。
    それと、「第三の敗戦」「下り坂」など堺屋氏の時代認識は的を外しているような気が。
    続きを読む

    投稿日:2019.01.06

  • takeut

    takeut

    大阪都構想のことがよくわかります。
    堺屋氏が書いている 一章「大阪の衰退、日本の衰退」で大阪都構想の必要性が明快に書かれています。ここだけ読めば本質はわかると思います。

    対談部分は同じことの繰り返しな感じがしたので読み飛ばしてもよいでしょう。
    橋下氏の執筆部分は具体例、府知事時代の体験話もあり面白かったですが、あらゆる反対意見に反論・論破しようとしているので、本として冗長な部分が多いかと思います。

    政治と行政の役割分担についてよくわかり勉強になりました。

    大阪都構想は日本全体の構造的問題を指摘しているので大阪府民以外も読んで役に立つと思います。
    続きを読む

    投稿日:2018.12.30

  • a-peanuts

    a-peanuts

    何となく嫌いな橋下さんの、何が嫌なのかを知りたくて買った本。
    橋下さんのことがだいぶわかった気がする。

    投稿日:2018.12.24

  • Mio

    Mio

    大阪都構想と聞いたことはあるものの、中身をしっかり知ろうとしたことかなかったので、この本を通じて、体制という地味だけど抜本的な改革かできる仕組みの話、政治と行政の違い、大阪市とその他の市町村のアンバランスさが詳しく分かった。続きを読む

    投稿日:2018.11.28

  • bqdqp016

    bqdqp016

    橋下知事(当時)と堺屋太一による大阪都構想を始めとする体制改革についての考えを書いた本。今まで漠然としかわかっていなかった橋下氏の考え方がよくわかった。考えには全く同意であり、官僚機構の特徴をよく理解していると思う。同じような内容が何カ所かに出てきており、冗長な感じはある。
    「新聞は、もっと話し合いをしろ、議論を尽くせと書きます。もちろん議論すべき問題は議論を尽くすべきだと思います。しかし権力の再配置に関しては、話し合いでは絶対に決着がつきません」p74
    「あれだけ「市町村別(試験の)結果の公表をしたら過度な競争が生じる、不当な学校序列が生じる」と主張していた文科省や教育委員会、そして有識者、朝日新聞や毎日新聞は、その後の総括をしていますか?」p79
    「(私立、公立高校の無償化について)公立高の尻にも火がついたのです。今までは、授業料が安いから、タダだから、という理由で生徒が入学していたのが、どんどん私立に流れるようになったため、定員割れの全日制公立高校が3割も出た」p135
    「日本の行政機構のシステムも基本は明治以来の中央集権体制。4年の任期のお客様知事よりも、国の判断に従うのは当然といえば当然です」p139
    「日本の行政システムは、決定権者をはっきりさせると権力の集中になることを恐れて、できる限りぼやかすシステムを構築した。そして責任者をあいまいにして、誰も責任をとらなくてもよいシステムにした。だからいつまでも議論ばかりし続け、決断・決定ができない。反対論者が1名でもいると、今決断しなければならないことでも先送りになる。決定できないと最後は現状維持になるのです」p211
    続きを読む

    投稿日:2018.11.12

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。