【感想】金田一耕助ファイル19 悪霊島(上)

横溝正史 / 角川文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
1
9
8
1
0

ブクログレビュー

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  • WOOO

    WOOO

    島シリーズワクワクする。最初の始まりが、奇妙な言葉を吐いて死んだ男というのが興味を引く。これから面白い事件の始まりを予感させて良い。時代の流れや、島の閉塞感など文化的なものも学べて感じられて楽しい。

    投稿日:2024.01.19

  • Lepus in December

    Lepus in December

    悪霊島
     プロローグ
     第1章 鷲羽山にて
     第2章 なんでも見てやろう
     第3章 三人御寮人
     第4章 市子殺し
     第5章 越智竜平
     第6章 巴御寮人
     第7章 若者ふたり
     第8章 神の矢
     第9章 蒸発
     第10章 竜平の帰還
     第11章 神楽太夫
     第12章 水蓮洞
     第13章 宵宮の惨劇
     第14章 串刺し太夫
     第15章 隠亡谷の烏
    野性時代 1979年1月~80年5月
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    投稿日:2023.02.26

  • じゅう

    じゅう

    「横溝正史」の最後の長篇推理小説『悪霊島』を読みました。

    「横溝正史」作品は2008年9月に読んだ『本陣殺人事件』以来ですね。

    -----story-------------
    昭和42年。
    「金田一耕助」は、瀬戸内海に浮かぶ刑部(おさかべ)島に再開発計画を持ち込んでいる島出身の億万長者「越智竜平」の依頼により人捜しをするため、島がある岡山県にやって来ていた。
    しかし捜していた男は、海で瀕死の状態となって発見される。
    「金田一」は友人である岡山県警の「磯川警部」から、男の最期の言葉を録音したテープを聴かされる。
    そこには「あの島には恐ろしい悪霊が取り憑いている…腰と腰がくっついた双子…?の鳴く夜は気をつけろ……」という不気味なダイイング・メッセージが録音されていた……
    -----------------------

    舞台となっている刑部(おさかべ)島は、岡山の水島沖にある島で、水島の他、倉敷や玉島、児島、井原、下津井、鷲羽山等も舞台となるし、登場人物が岡山弁を話しているので、場所が容易に想像でき、入り易い作品でした。

    それにも関わらず、読んでいて、なんだか疲労感を感じる作品だったのも事実。


    閉鎖された空間(本作品は島)での濃密な人間関係、

    快楽を求めるが故のドロドロとした愛憎関係、

    猟奇的な殺人事件、

    戦中戦後のどさくさによる混乱、

    等々、「横溝正史」作品の定番テーマが盛りだくさんというほど盛り込んである作品なのに、、、

    なんでかなぁ… 推理要素が稀有だったことや、島の自然(洞穴や崖、谷等)や事件の背景が作り物っぽくてリアリティがないこと、それにドロドロした愛憎関係が濃すぎて、ちょっと嫌悪感を感じたのが原因かな。


    映画では、シナリオが端折ってあったせいか、そこまでイヤな感じはしなかったんですけどね。


    ということで、上下巻で700ページ近い作品でしたが、読後の充実感がなかったなぁ。残念。

    「金田一耕助」シリーズの最後を飾る作品としては、ちょっと淋しかったですね。
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    投稿日:2022.04.19

  • エルモ

    エルモ

    金田一のシリーズで、なぜこれだけ入手困難なのだろう。ネットで買えて良かった!
    登場人物や、類似事件が重なり合うので一気読みがお勧めです。

    投稿日:2020.09.30

  • あやごぜ

    あやごぜ

    上巻読了。

    「金田一耕助ファイルシリーズ」の後半は、都会が舞台の話が続いたので、久々に“閉鎖的な過疎の島”が舞台です。
    冒頭の“体のくっついたふたご・・”、“悪霊がとりついている・・”、“鵺のなく夜に気を付けろ・・”等・・。といった不気味なフレーズが、これぞ金田一モノっていう感じです。
    上巻では、謎が複雑になっていく過程で終わっています。これがどのように収集されるのか、下巻に期待です。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.08

  • jhm

    jhm

    あの島には悪霊がとりついている
    鵺(ぬえ)の鳴く夜に気をつけろ
    その島の名は……

    とても良い始まりをする「悪霊島」。
    『ひとり横溝正史フェア』をつづけることがキツくなってきたので、他に読む作品があるけれど飛ばして大作である「悪霊島」を読むことにする。

    確かこの作品も映画化されており、小さい頃にコマーシャルで、鵺の鳴く夜は恐ろしい、とかいうフレーズを聞いた。何がどう恐ろしいのかちっともわからないけれど、その煽るようなコマーシャルにガッチリ乗せられたわたしはとにかく恐怖を感じた記憶がある。
    煽られすぎて結局映画自体は観なかったのだが、怖いもの見たさで原作小説は後に購入していたようだ。
    ようだ、というのは小説は手元に残っているのだが、全く内容の記憶がないからだ。もしかしたら、興味はあって購入したものの気が小さいため読まずに終わったか、読んでみたらコマーシャル程の怖さがなく記憶から消去したかのどちらかではないかと思う。

    果たして「悪霊島」は恐ろしい作品なのか。

    始まりの鵺云々を読み、当然思うのが、鵺って何ということ。
    読書の友である金園社国語辞典をパラパラめくるとこうある。

    鵺 一、とらつぐみ。二、怪鳥の名。三、前後の不続一なもの。

    ……とらつぐみって何。

    パラパラ。
    載っていない。

    鵺の挿絵には普通の鳥の絵。可愛らしい。
    ただ大きさはわからないので、可愛いらしさを感じられない巨大な鳥の可能性はある。

    まあ、何にせよそのとらつぐみなる鳥は存在するようなので、その鳥が何がしかの声で鳴く夜ということだ。もしくは、伝説の怪鳥が鳴く夜ということで、こちらの方が恐ろしさは増す。
    ちなみに鵺は、空に鳥とも書くらしい。

    作中でも鵺について語られる場面がある。(p97)
    「平家物語」に出てくる頭は猿、体は狸、手足は虎、尻尾は蛇、鳴く声は鵺に似ている源三位頼政に退治された異形の怪物。
    鳴く声が鵺に似ているだけで、鵺が怪物ということではないらしい。

    この姿は可愛いらしくない。

    その怪物が鵺の声で鳴く夜なのか、とらつぐみが鳴く声なのかどちらかは不明だが、始まりの文章は死に瀕した男が息も絶え絶えに伝える言葉なので、怪物の鳴き声の方がおどろおどろしい横溝正史の世界の幕開けとしてはふさわかもしれない。

    物語の始まりと鵺についてばかり書いてしまったが、作品自体の感想は下巻を読んでからにする。
    続きを読む

    投稿日:2017.03.06

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