【感想】もの言えぬ証人

アガサ・クリスティー, 加島祥造 / クリスティー文庫
(49件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
6
19
17
4
1
  • 物語は面白い!

    大金持ちの叔母が死んで、その遺産をもらえる予定だった甥と姪やその夫婦、そして、実際にお金をもらった家政婦が疑われるというよくある展開の作品でした。
    内容的には読んでて面白く、特にキャラが魅力的な人が多いことがすごいよかったです。特に被害者の友達のピーポデイなどは何でも知っておりミス・マープルのようですごい好感がもて、気に入りました。
    しかし、推理において犯人の絞り方や毒のしっかりした説明が最後までなく、推理小説としては少し不完全なように感じました。
    また、訳の問題か全体的にポアロとヘイスティングズの話し方に少し違和感を得ることが多かったです。
    エラリークイーンなど論理がしっかりしてないと嫌という人には向かないかもしれませんが物語を楽しみたいと言う人にはおすすめできる作品だと思うので、そういう方はぜひ読んでみて下さい。
    続きを読む

    投稿日:2014.10.26

ブクログレビュー

"powered by"

  • ee

    ee

    物語はふつうに楽しめたけど、直井明氏の解説がほんとうにひどいので遺憾の意と注意喚起の星1評価。本書ではなく、この後のポアロシリーズについての大きなネタバレがはっきりと書いてあります。すべてのポアロの物語を読んだ後でないと解説は読んではいけません。
    この解説にokを出した早川書房が信じられない。これからポアロと出会う楽しみを踏みにじられました。最低です。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.10

  • オズ

    オズ

    クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はヘイスティングス。依頼人からの手紙がポアロの元に届くが、何故か書かれた時期と投函された時期がずれており、既に依頼人が亡くなっているという状況。手紙の内容はとてもわかりにくくヘイスティングスは気にも止めないがポアロは依頼人を調査する事を決め、彼女が住んでいた屋敷を訪れる。
     ポアロの探偵としての行動や考え方、時には嘘をも活用した調査方法とヘイスティングスのイギリス人然とした馬鹿正直な人間性が対比になっており、序盤の二人のやりとりはとても面白い。また、被害者の愛犬、テリアのボブが重要な役割を果たしており(タイトルで匂わされているが)かれが登場する擬人化した描写になる為、ヘイスティングスとのやり取りなどは微笑ましい。
     設定として、大金持ちの老人が自身の一族に不信感を持ち、とある事故をきっかけに自身の身に起きている事を不審に感じ、全く家族とは関係ない手伝いさんを相続人にする。やがて、金持ちの老人は急に亡くなり、全ての遺産をお手伝いさんが相続する。老人が生きている際に認めたのがポアロへの依頼であり、これによりポアロは興味を持ち依頼をスタートさせる。
     彼女の一族は見るからに怪しい描写がされている人達ばかりで、相続人でさえ何処となく影のある人物だ。少なくとも犯人は誰か。と目星をつけるのは難しくヘイスティングス並みに読者も混乱するだろう。ラスト、いつもの如くポアロは関係者達を集めて推理を披露するが、直前で明かされるとある出来事により、僕自身犯人を推定して文字を追っていったが、結末はまさかのものだった。
     クリスティの作品は、タイトルにて作品をある程度表しているものが多い。今回もテリアが実は暗にご主人を殺害した人物なり証拠なりを咥えていたり掘り出したりした方が伏線になっており面白い様に思った。犬が活躍するというのは言い過ぎだが、アクセントとしてあっても良いのではないだろうか。また感慨深いのは、後書きにあるのだが、今作後テリアはヘイスティングスに飼われ、一緒にアルゼンチンに連れて行ったのであろうと推測され、そしてこの後「カーテン」に至る十数年間(説によってバラバラ)ポアロと再会しなかった様だ。ポアロとヘイスティングスは名コンビなのだが共演が意外に少ないと知った。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.04

  • す

    このレビューはネタバレを含みます

    鏡越しに見たブローチのイニシャルが逆になるところには早めに気づいて、Aから始まりそうな名前を登場人物一覧の中から探して、そんな人いなくて、まだなんかあるんだなと思ってたら「親のアラベラという名をもらいそれを略したのがベラ、つまりATのAはアラベラのA」とか言われた時にはそんなんわかるわけなくない?と思いましたがおもしろかったです
    ドクタータニオスはいい人だなと思った(投機失敗してるし散々疑われてたのできれいなジャイアン効果かもしれないけど)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.06.23

  • あくら

    あくら

    やっぱり好きだなあ。
    作品から醸し出されるこの雰囲気が良い。
    既に死亡しているエミリイ・アランドルからの手紙をきっかけに、調査を開始するポアロ。
    直前で書き換えられた遺言状、階段からの墜落事件、エミリイを取り巻く家族関係。
    そこから導き出された真相は興味深く、事件の性質から犯人像を推理していく過程も面白かった。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.14

  • sunday

    sunday

    だいぶ好きな作風でした。故人から届いた依頼から動き始めるポアロの調査。関係者を一人ずつ訪問し調査を進める中で、見えて来る人物像からの推理。ボブの心の声も可愛げがあって、アガサクリスティはこんな事もするんですね〜。
    ヘイスティングズがいるから安心して、一緒になんでなんでと、楽しめました。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.07

  • Mkengar

    Mkengar

    エルキュール・ポアロシリーズのひとつで、他の作品同様にヘイスティングスとの軽妙なやりとりは全編通じて健在でした。本作品の最大の特徴は初期設定でしょう。裏表紙にも書いてありますのでここでも述べますが、ある老婦人が死亡してから2ヶ月近く経って、ポアロに手紙が届きます。しかもその手紙は自分の身の危険を明確に述べているわけでもなく、状況的には自然死であろうということで、怪しいところがないなかでポアロは捜査を始めます。そして死亡した老婦人の関係者(親戚や使用人)と話を進めるなかでポアロは推理を進めるわけですが、私の個人的な感想としては、他の作品以上に登場人物の心理分析が中心になっていて、なかなかそのあたりの機微を読み取るのが難しい。これは女性の読者の方が共感する作品かもしれませんね。正直わたしは種明かしのパートもそんなに共感できませんでした(というよりよくわからなかった)。ただ舞台設定はユニークで序盤は大変引き込まれました。続きを読む

    投稿日:2023.04.27

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。