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伊藤計劃 / 早川書房 (1100件のレビュー)
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総合評価:
九州男児
つまらん…
足かけ3ヶ月かかり読み終えた。 たまたま国家試験受験を控えて、 読書どころではなかったことを 差し引いても残念ながら僕には、 微塵も心に響かないクソ面白く ない作品でした。 あまり…に面白くないので、何の 感想も浮かばないけど。 面白かった感想の人もおられ ますので、酷評はこの辺で。 次は読書の余裕もあるし、 好みっぽいものに、とっかかり たいと思います。続きを読む
投稿日:2019.06.20
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wingfoot
良心とは
本作品を読んで、ハインラインの「宇宙の戦士」を思い出しました。 「さや」に入って敵地に進入する部分なんかは特徴的かもしれませんが、それよりも様々な価値観について色々考察されている点に、共通点を感じま…した。 特に「良心(道徳意識)」について、宇宙の戦士では、主人公の歴史の先生が「人間は道徳本能をもって生まれてきはせず、訓練や経験を通じて道徳意識を得るものだ」と指摘しています。これに対して本作では良心について別の視点から考察をしていますが、結論としてはかなり近いところにあるのかなと感じました。 本作の作者さんは、内容も文体も自分の感覚によく合うと思いましたが、ここのレビューを見て故人だと知りショックを受けました。せっかくなので他の作品も読んでみたいと思います。 続きを読む
投稿日:2017.05.15
わらぶる
6
人間の本性とは
虐殺器官。 え、機関じゃないの?と思って読み始め、改めて人の残虐性を、そして社会性や愛情について考えさせられました。作者が亡くなられていること、執筆中も闘病中であったことを考えると、生と死に対する思い…が冷静に、執拗に描かれているように思います。大量虐殺は、当事者にとってどんなものなのか、なぜそんな残酷なことができるのかと思うことなんて、平和に暮らしている限りほとんど無いと思いますが、この作品を読んだことで、少しでもそういうことについて思いをめぐらすことができたのは良かったと思います。あるものは淡々と作業のように人を殺し続け、あるものは、熱に浮かされたように人を殺す。そんな現実に放り込まれた時に、それを止めることができるか、少なくとも、他者が行なっているのだからと、自分も手を下すことがないようにありたいと思いました。でもそうなると、殺される側になってしまうのかな。自分の大切な家族を守るために、誰かを殺すことがないように祈るばかりです。 現在のいわゆるボタン戦争でも、PTSDに苦しむ兵士が多数出ているというニュースもありました。人を殺すということの重みは、直接か間接かということではないのだろうと思います。人は、考え、想像できる生物ですから、直接手を下さなくとも、遠隔操作で人が死んだことを自らの行為として感じることができ、それが重荷となって苦しむ事こそが、本来の人の在り方であると信じたい。ゲーム感覚で人を殺すようになったら、あっという間に世界中あちこちで大量虐殺が始まるでしょうから。本作の主な登場人物は、そこをきちんと受け止めているところが描かれていました。世界の平和を思うために、ぜひ一読を。(残酷な描写に耐性のない方は、難しいかもです。) 続きを読む
投稿日:2017.02.07
夏星
1
読後には暗い高揚感、あるいは居心地の悪さを感じるだろう
全編通して語られるのは重苦しくも目が離せない物語だ。 その為、サッパリとしたハリウッド映画のような小説を期待してこの本を読もうとすることはオススメしない。(このタイトルでそのような人はいないだろうが)… ●感想 本作は主人公の一人称視点で物語が進む。文体は海外文学を翻訳したような独特な雰囲気と日本的な言い回しが融合し不思議な味がある。社会科学系の単語や思想が練り込まれ一人称でありながら硬く難解な文体という印象をも与える。 読み終えて感じたのは「だから一人称であったのか」というものだった。主人公・米軍大尉クラヴィス・シェパードの思想や行動を米軍大尉クラヴィス・シェパードの目を通して読者は感じるからこそ、この小説はより際立ったものになった。 読んでいる間は作中の重いテーマをより直接体感させるからこその一人称だと考えていた。しかしそれだけではなかった。物語の主人公の思想や行動が必ずしも読者にとって「正しい」こととは限らない。 作中に虐殺の仕掛け人ジョン・ポールが「自分は正気だ」と述べ、後半で主人公もジョンと同じく「正気」であるように振る舞っている。だが一般的社会通念で彼らは「正気」と呼べただろうか。 彼らは重い決断を下し、それを自ら背負ったと語る。本当に彼らは正気だったのだろうか。驚くほど冷静に彼らは狂っていたように思えた。この小説を無理矢理一言で言うなら狂人の一人称小説だ。そして読者は「正気とは何か」「狂気とは何か」と自問させられてしまう。 他にも様々なテーマが織り込まれており、その一つ一つを抽出して自分なりの解答を考えるのが本作の楽しみでもある。 ●購入を検討されている方へ 合う合わないはもちろんあるだろう。普段、こういった重たい作風を読まない人は胃もたれをおこさせることも理解している。だが、そこをあえて分かって胃もたれして欲しいと願う。それぐらい魅力的な作品だ。続きを読む
投稿日:2016.10.02
tommuger
エンターテイメント性抜群。
近未来のアメリカ軍特殊部隊の大尉が主人公だが、かなりリアリティがあって興味深かった。未来を象徴する軍事テクノロジーの数々の発想が良く、この小説だけで終わらせるのはもったいないと思った。 設定はゲーム…やアニメで好まれるような特殊部隊が主人公だが、それだけではなく、その暗殺対象となる人物もゲーム等に負けず大物ぶりだ。 とにかく読みごたえがあった。花粉症に集中力を奪われている状態では内容が頭に入ってこない場面も多々あったが、むやみに小難しくしているわけではない。鼻通りのいい季節にもう一度読みたい小説だ。続きを読む
投稿日:2016.03.02
おもち
地獄は頭の中に
生成文法言語の真理 管理された虐殺 天秤かける1と10 許される殺人とは何か レノン・マッカートニーが愛平和 ジョン・ポールが伝えたものは 「わたしはなぜ殺してきた」
投稿日:2016.02.24
"powered by"
充実大豆
内戦や虐殺の場に必ず現れる男を追う近未来SF かなりハードな軍事ものだけど、主人公の一人称が「ぼく」だったりしてやっていることと内面のアンバランスさの描写が良かった
投稿日:2024.04.13
くるみもち
このレビューはネタバレを含みます
表現力が逸脱である。伊藤計劃はすごい。何がすごいかって、こうして小説に、文章として言語に落とし込めていることがすごい。すごいから理解できない。しかし、とても惹かれる文章である。彼の言葉を理解するには時間がかかる。難しい。私の知能の未熟さを実感せずにはいられなかった。 読む時にものすごい想像力が必要だし、面白いと同時に大変に疲れた。本書はテロが背景となっているが、根幹は言語学である。「言語は思考より先行しない。」これがまさに虐殺器官の定義であり、言語学無くして本書は語れない。読了後は疲労と共に達成感を感じられるだろう。私は読了後、何か腹の底から湧き出るような、それこそ言語化できないような思考(感情)が私の中に存在していた。
投稿日:2024.04.04
星月夜
SFの皮をかぶった哲学小説。 自由とは、選択とは。テロ対策のため情報統制された世界で、ひたすら人間としてどうあるべきかを突き詰めていく作品だった。 虐殺を促す文法や、器官としての言語など、興味深い考察も多く、なるほどなと思わせる説得力もあった。終始難しい内容だったが、読む価値はあったと思う。
投稿日:2024.04.01
生活委員会
戦争を引き起こすことができる構文。 9.11のテロは様々な作品で俎上にあがる問題である。その後の問題としてある種の風刺的な作品かと感じた。 戦争を引き起こすのは決まって人ではないか。その国の人間が…望んで起こす場合にも他国との関係は切っても切り離せない。 そんな世界の情勢を考えさせられる作品だった。 続きを読む
投稿日:2024.03.28
加糖 紅茶
タイトルや表紙に何か特別なものを感じていたわけではなく、知人に教えてもらわなければおそらく手にとることすらなかったと思う。 ところどころでグロテスクな表現や受け入れ難い出来事が起こるがそれはこの作品に…おいて必要な残虐さではないかと感じられた。 良心とはなにか、残虐とはなにかといった価値観についてSFという思考実験を通して考えさせてくれるため、自分たちが当たり前だと思うものは結局周りの環境や見てきたものに左右される上で本当の正義とは何かわからなくなるのもこの作品の魅力だと思う。続きを読む
投稿日:2024.02.28
apapatti
夭逝した伊藤計劃の本、ハーモニーのほうがビビットに残ってる そうそう、戦争の最新化だ。心理技官。 虐殺の正当化、正義の暴走、、かな
投稿日:2024.01.14
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