【感想】物乞う仏陀

石井光太 / 文春文庫
(54件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
17
21
8
2
0
  • 他には類を見ない。

    実際のインドが、まんま描かれている。他の旅行記とは、違いアンダーグラウンド込みの現実を描いている。
    約20年前に行ったインドと今じゃかなり変化しているが、裏の部分は表面化していないだけで残っていると思う。
    目を背け蓋をする社会だが、こういう現実もあるという部分は知っていたほうがいいと思わせる書。
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    投稿日:2015.03.30

ブクログレビュー

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  • いまりんママ

    いまりんママ

    衝撃でした。20年前の事だけど、今はどうなっているのかな?
    貧富の差は、益々広がっていて、日本もそんな風にならないようにしないと。

    投稿日:2023.11.13

  • Anno

    Anno

    カンボジアの地雷障害者やネパールの麻薬売人、幼児を誘拐して物乞いをさせるマフィア組織。アジアの最深部に分け入ったノンフィクション。

    アジア諸国で物乞いをする障害をもつ人々について、なぜ物乞いをするに至ったのか、なぜ手足を失ったのか知りたいと思った著者が、現地で実際に人と触れ合いながら知った現実を書くノンフィクション小説です。
    先天的な障害、地雷による事故、薬物中毒の症状、憐みを誘いより多くの金銭を得るために手足を切り落とされた子供達。障害を持つに至った経緯は様々ですが、理不尽で辛い話ばかり。全体的に置かれている状況に対して本人たちも著者自体も諦めの雰囲気が強いのもより気分を落ち込ませます。
    そんな中、産婆の女性の話や呪術師の話など、前向きで希望の持てる話がわずかに救い。

    話を聞くため、真実を知るためと言いつつ、個々の語りたくない事情を問い詰めたり、その結果相手を精神的・状況的により辛い状況に追い詰めたりしているので、そこまで踏み入って良いものか、それこそ先進国と呼ばれる国に生まれた人間のエゴや歪んだ好奇心だけではないのかと、そんな本を読んでいる自分自身に対してもだんだんと嫌悪感が強くなっていきます。ジャーナリズムの闇というか。
    とはいえ、誰も知らなければ変えるための一歩すらも踏み出せないわけで、そのあたりの気持ちの折り合いはなかなか難しい。
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    投稿日:2023.08.22

  • 1692747番目の読書家

    1692747番目の読書家

    アジアにおける乞食の生活を取材したノンフィクション。現実だと思えない描写が多々あった。
    自分も何度か訪れたことのある国々なのに、自分が旅した際には目に入ってこなかったという事実にも衝撃を受けた。

    投稿日:2022.03.03

  • ヒボ

    ヒボ

    このレビューはネタバレを含みます

    著書の作品はこれで5冊目の読了となりました。

    本書でスポットライトを当て照らし出されるのはアジア諸国で物乞いをしながら生きながらえる子供や障害者。

    いわゆる社会的弱者と呼ばれる人々を潜入取材した衝撃のノンフィクション。

    世界の他の国々よりも日本人としては親近感が持てるアジアの国々。

    目を覆いたくなるような事実と共に、物乞いで命を繋ぐ人々の日常が描かれています。

    彼等、彼女達が物乞いをしないと生きていくことさえ出来ない事実とそこに関わる戦争の悲劇やドラッグ、売春、臓器売買、マフィア...

    先天的に障害を持って生まれてきた方も含め、彼等に罪はない。

    むしろ国家や周りに居る人々が共に生きる為にサポートすることが必要。

    自分自身、振り返って出来ているのか?と問えば、出来ていないとしか答えられません。

    自分の中で何かが変わるキッカケとしないといけないと思いながら読み終えました。

    説明
    内容紹介
    アジアの路上で物乞いをする子供や障害者たち。彼らと共に暮らし共に食らうことによって、その実相を伝える衝撃の大宅賞候補作
    内容(「BOOK」データベースより)
    アジアの路上で物乞う人々と触れ合い、語り合ってみたい―。そんな思いを胸に、著者の物乞いや障害者を訪ねる旅が始まる。カンボジアの地雷障害者やタイの盲目の歌手、ネパールの麻薬売人らと共に暮らし、インドでは幼児を誘拐して物乞いをさせるマフィア組織に潜入する。アジアの最深部に分け入った衝撃のノンフィクション。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    石井/光太
    1977年、東京生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに雑誌や本に寄稿、そのほか、ペンネームでの写真発表やラジオ、漫画のシナリオなども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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    投稿日:2021.10.16

  • よし

    よし

    アジアの仏教国の身体や精神に障害を持った物乞い・乞食の人達に取材をしていく。違う国の人という立場だからこそできることなのかも。著者も話を聞いてもどかしい気持ちかもしれないが、悲しい辛いを表す言葉を引き出すべく質問を投げかけ、結局救いがないのが辛い。それでも前向きな気持ちを持ってる人もいるからすごい。最後のインドでの話は衝撃で、これは何とかしないとならないし、世界の機関は何とかできないものか。続きを読む

    投稿日:2021.08.03

  • イチコ

    イチコ

    世界の物乞いと障害者。貧困層にとって、障害者が産まれるとだいたい更に貧困になり、生活が苦しくなる。なかなか海外の障害者にスポットを当てている本に出会ったことがなかったので、知らないことばかりだったが、情景が浮かぶとなんだか辛くなってくる。
    カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、ミャンマー、スリランカ、ネパール、インド。
    インドはずば抜けてエグい。赤子をさらい、レンタルチャイルドとして乞食に貸し出し、5才になって使えなくなったら、手足を切断し、物乞いさせる。マフィアももともとストリートチルドレンや、さらわれた過去を持ち、加害者であるが被害者でもあり、どうしようもない。どうしようもできない事実、現実に筆者も苦しむ。読んでいる方も苦しい。
    自分の想像を超える現実があるが、どうしようもできない。大抵の人はどうしようもしない。

    そして、どこにでもいる娼婦…。
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    投稿日:2021.06.13

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