【感想】インサイド・アップル

アダム・ラシンスキー, 依田卓巳 / 早川書房
(42件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
2
11
17
3
1
  • 最高幹部にスポットを当て、ティム・クック体制の今後についても検討

    これを読むと、海外における重要な商談はほとんどティム・クックが、ジョブズが生きてる間もずっとやっている。むしろ閉じこもってアイヴの工房から出てこないジョブズの方が、裏方か?
    あの年でいまだ独身で、質素でつつましい生活。超がつくほどのワーカーホリックで、気に入らなければジョブズにも意見する。生前中にはナイキの社外取締役も許されてる。そのくせ、決して部下を怒鳴ることはせず、エクセルのD列514行目の食い違いを説明してくれたまえと訊いてくる。

    いままでのアップル本とは違い、ジョブズの「洗脳」を受けて育った最高幹部にスポットを当て、ティム・クック体制の今後についてもいろいろと検討している点が読みどころのひとつ。読む前にAppleのKeynoteのビデオを見て、マンスフィールドやフォーストールという名前が文中に出ても顔が思い浮かぶようでないと愉しめないかも。この本で「トップ100」のヒロキ・アサイについてはじめて知り、興味を覚えた。

    著者は、アップルが長期的にはジョブズの「喪失」に対処できないだろうとみる。ただ同時に、現在の「閉じた」組織を改める好機だとも考えている。たとえそれが、アップルらしさを失わせたとしても、避けられないことなのだからと。

    ティム・クックについて著者は、完璧に有能な後継者とたたえているのかと思いきや、結びでは結構懐疑的だった。曰く、ジョブズならどうするかと気にする必要はないが、これから生み出す製品の最終的な決定者になるつもりがないなら後任を探すべきだと手厳しい。

    実は当の本人も、このあたりは案外自覚していて、自分は「暫定CEO」だと規定しているかもしれないが。
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    投稿日:2013.12.12

ブクログレビュー

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  • maple

    maple

    タイトル通りの、アップルという企業の現状を垣間見ることができる。
    が、ジョブズなきこれからのアップルは、第二のソニーになる可能性が多分にあると感じた。

    投稿日:2019.06.12

  • koishi-2018-pc

    koishi-2018-pc

    「フェイスブック 若き天才の野望」で検索したら、ヒットした本。
    読んでみよう!

    対外的には華やかな印象があり、熱狂的なファンを持つ アップル製品と
     極端な秘密主義を貫いて会社を経営してきたスティーブ・ジョブズ。
    その全貌が、紹介された本です。
    暴露本ではなく、公平で客観的なビジネスの視点で、書かれています。
    あまりにも、他の会社と経営思想が違うので、何かの参考にするというより 
    読み物として面白いし、これからのアップルを見ていく上のヒントになりそうです。

    2012/9/16 予約 9/29 借りる。10/13 読み始める。10/28 読み終わる。

    内容と著者は

    内容 :
    ジョブズ最大の遺産は「究極の組織」だった! 
    経営陣、社員研修、キャリア開発、意思決定システム、社内競争など、
    「組織としてのアップル」の全貌を、元幹部・社員ら数十人の証言で明らかにする。

    著者 :
    イリノイ大学で歴史学および政治学の学位を取得。
    『フォーチュン』誌シニアエディター。専門はテクノロジー・金融。
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    投稿日:2019.01.12

  • dekadanna

    dekadanna

    なぜ、アップルだけが成功しているのかその理由がよくわかる本。しかし、正式の取材をせずによくここまでの本がかけたと思う。取材力に恐れいる。でもそのおかげで、アップルがなぜ他の企業をぶっちぎる絶好調を維持しているのかがよくわかる。なんにせよこれまでアップルはジョブズの会社だったということだ。今後のジョブズ亡き後のアップルの動きが他の企業の真の参考になるだろう。
    続きを読む

    投稿日:2018.11.12

  • ゼロ

    ゼロ

    著名人や有名企業について書かれているダメな本の末尾には大抵「〇〇に質問を送ったが、未だにその質問への答えは届いていない」というニュアンスの一文が入っているものだが、この本にも入っていた。
    全くインサイドな内容ではなかった。あと翻訳も読みづらかった。続きを読む

    投稿日:2017.08.28

  • pulse02

    pulse02

    ジョブズがメインで語られるアップルについて、アップルという企業体にスポットを当てた独自の視点で書かれた本。
    iphoneのリリースなどギリギリまで明かさないなど秘密主義的なことは以前から聞いていたが、社内でもプロジェクトに応じて社員間でも秘密主義的な組織形態であったことには驚きだった。
    徹底的なトップダウンと官僚的な縦割り組織。まさにジョブズの意のもとになる合理的な巨大組織。
    ピーター・センゲの学習する組織の対極のポジションに位置する様な組織。
    著者も語っていたが、ジョブズ亡き後のアップルの行く末がたいへん興味深い。
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    投稿日:2017.05.07

  • 水源地

    水源地

    著者は、フォーチューン誌の記者。アップルのジョブスに焦点を当てた書籍やアップルの経営戦略に焦点を当てた書籍はおおいものの、本書はアップルの組織(人物)の焦点を当てて書いている。

    ジョブスというカリスマの下でどのようにして会社がなりたっていたのか、発行年の2012年のジョブス亡き後でどのように組織と人が絡むのか、興味深く読み進めた。

    若干発行年から時間がたっているので、アップルの地図問題でフォーストールは辞職したりという現実がすでに起こっていたりするが、執筆当時の人間関係や組織がわかって興味深かった。
    続きを読む

    投稿日:2015.02.02

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