【感想】微分・積分を知らずに経営を語るな

内山力 / PHP新書
(32件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
3
8
11
5
1
  • 歴史学にも微分・積分は必要!

    「昨日までを小さく切って(微分)、それを未来へとつなげていく(積分)」
    この簡潔にして本質を突いた言葉に惹かれた。
    ・・・ということは、私の専門とする歴史学ってのも、昨日と明日をつなぐ作業なのだから、
    「微分・積分を知らずに歴史を語るな」になるはずだ。
    もちろん、データの分析など、具体的に微積が必要なことはある。
    が、そういうことはとりあえずコンピューターに任せてしまい、
    微積そのものについて、あまり考えたことがなかったように思う。

    本書を読んで、(経営というよりは)微積と歴史学の関係を考えてみようか?
    というタイトルとはちょっと違う方向から読んでみた。結果としてはかなり満足。

    第一章の「微分・積分を30分で理解する」からとてもわかりやすかった。
    数式は殆ど出てこない。
    「音楽を微分するとCDになる」「CDを積分すると音楽になる」
    という、具体的で直感的な説明で「微」は”小さく”、「分」は”区切る”という意味であることから説明する。
    こういう説明、自分で「文系」であると思っている人にはわかりやすいのではないだろうか。

    本書は微積だけではなく、必要条件と十分条件など、論理学における命題についても扱っている。
    「マネジャー(A)ならば勤続15年以上(B)である」という命題が正しいとき、
    BはAの必要条件である、というふうに具体的な例で説明する。
    世の中には、命題をすり替えて話をねじ曲げる人がいるので、業種を問わず命題の考え方というのは確認しておいた方が良さそうだ。

    経営のための本であるが、私は最初から最後まで歴史学のために読んだ。
    そして、有益であると感じた。
    それは、数学というものが、あらゆる分野に関係しており、
    著者が、その普遍性をわかりやすく説くことに成功しているからであろう。
    続きを読む

    投稿日:2014.11.25

  • 数学本の入門書!?

    タイトルはカタイですが、非常に読みやすい本です。
    経営者でなくてもビジネスパーソンに非常に役立つ。
    最近はやっている数学本の中でも入門書的な感じで読むと良いかもしれない。
    特に、「昨日の結果から明日を読む」は、進捗管理等で具体的に日常で役立つ考え方。
    微分・積分が結構登場するけど、これも「学生時代に習った数学が役立つんだ!」と簡単に実感できるため、
    結構オススメ。(特に決裁権をもった管理者にオススメ)
    数学的根拠の元に物事を判断できるようなビジネスパーソンが増えると世の中もっと景気が良くなると思う。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.24

  • 微分積分恐れることない

    高校の数学以来耳にした「微分積分」で恐る恐る読んでみると、わかりやすい解説に楽しく読むことができた。
    学校の勉強では受験や成績のため覚えることに必死で、あまり意味を深く考えずにいたことを、あらためて思い知りました。
    ビジネスと関連付けていくと、なるほどそういうことか、と気付くことができ微分積分の有効性を再確認できた。
    続きを読む

    投稿日:2015.03.21

ブクログレビュー

"powered by"

  • pomet

    pomet

    本書のタイトルの「経営を語るな」の「経営」について
    経営分析(財務諸表や貸借対照表の話)かと思って読み始めたのですが、
    経営戦略(販売戦略や在庫管理)の話でした。
    コンセプトは『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』に似ています。
    要するに、ある程度、概算値や予測値が入っても良いから、数値化する。それをもとに式をつくり、エクセルに計算させて、何故この選択をするのか、を理論的に語れるようにする、という内容。
    微分・積分はあまり関係ないです。が、内容は有益で面白い。
    続きを読む

    投稿日:2021.08.13

  • つくもなす

    つくもなす

    このレビューはネタバレを含みます

    ・いかにして明日を読むか(12)
    ・昨日までを小さく切って(微分)、それを未来につなげていく(積分)(15)
    ・微分・積分を含めた数学の原点は「いかに単純にするか」(16)
    ・必要条件と十分条件(47)
    ・予算:”仕事をやる前”に、”やった結果”を予測しておくというマネジメント手法(52)
    ・限界利益:あるものが1単位増えると、それに伴って増える利益のこと(56)
    ・目標売上=(目標利益+経費)÷限界利益率(≒粗利率)(70)
    ・標準偏差を小さくできれば在庫が減る:コンスタントに売れる商品(標準偏差が小さい)は同じ日販量(1日平均して売れる量)でも在庫が少ない分、その商品を置くスペースが小さくてすみ、その空いたスペースに別の商品を置くことができる(100)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.07.01

  • kkc06173

    kkc06173

    会社で取り扱う数字を分析して、正しい意思決定をしましょう、という本。
    なので、読んでも微分積分ができるようになるわけではなく、ビセキの考え方が重要ですよ、と主張。
    しかし、微分積分じゃなくて、統計ですよね、これって。

    営業の人で、本社の営業推進部とか、営業企画部とかが出してくるノルマの数字に対して、なんでこんな計画なんだ、と怒っている人には、前半部分はおススメかもしれません。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.21

  • nogeikuzo

    nogeikuzo

    ビジネスマンに有用な本なのだが、高校の数学の先生にもぜひ読んでもらいたい一冊。

    「こんなもの勉強して何の役にたつの?」とだいたいの数学が苦手な高校生は言う。しかし、納得させる答えを持ち合わせている教師は少ない(ここで物理とか理科系の学問での利用シーンを出しても逆効果だ)。自分の担任もそうだった。

    本書のような具体的なケースで説明してくれると、「社会に出たら必要かも」と何人かは思ってくれるかもしれない(教師がビジネスの勉強をする必要があるけど……)

    そういえば、ウォルマートの「エブリーデイ・ロー・プライス」で在庫が減るというのは、今まで気づいていなかった視点。他に、いろいろと小ネタもあり、気づきの多い本だった。対数はイチから勉強しなおしだ。
    続きを読む

    投稿日:2020.08.12

  • japapizza

    japapizza

    企業の活動の重要なものの多くが微分積分によって分析できることを解説したもの。
    限界利益について別の著書で学んだばかりだったのにもう忘れていた自分にびっくりである。
    新書なので書いてあることは分かりやすいが物足りなさを感じた。特にエリアマーケティングについてはもう少し詳しく著者なりの解説を読んでみたいと思った。続きを読む

    投稿日:2018.10.08

  • nishitomo0810

    nishitomo0810

    QABの内容を微積分に言い換えたもの、中身は分かりやすいが、モノ好きでないととっつきにくい。が、検定などのデータ分析する力は身につけたいところ。

    ・いかにして明日を読むか。周りがぐうの音も出ないような明日の読み方が微分・積分に他ならない。微分・積分思考法は経験も感も度胸もない人が、経験も感も度胸もあって明日を読めそうな人に勝つための唯一の手段。

    ・会計「一定期間内に発生した金を集計し、その内訳を明細にして、金を出してくる人や出した人に報告する仕事」
    財務「企業として必要な金を集めてくる仕事」
    経理「企業内のカネに関する仕事すべて」

    ・網掛けの部分の小さな三角形がギリシャ文字の⊿に似ているので、このちょっと進むことを⊿で表す。

    ・商品、製品、消耗品など、在庫は必ずあります。そしてこれを削減すれば必ず幸せがあります。「ムダ(欠品、売れ残り)、ムリ(欠品率)、ムラ(標準偏差)をなくして効率よい経営を目指す。」とはこういうことを言っている。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.26

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。