山田風太郎 / 講談社文庫 (10件のレビュー)
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じゅう
山田風太郎の長篇時代小説『柳生忍法帖〈上〉〈下〉 山田風太郎忍法帖(9)』を読みました。 『甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)』に続き、山田風太郎の作品です。 -----story---------…---- 〈上〉 寛永19年春。女人救済で名高い、鎌倉東慶寺(とうけいじ)の山門をおびただしい女性の血で染めた「会津七本槍」の七剣鬼。 暗愚な藩主加藤明成(あきなり)を使嗾(しそう)し、硬骨の家老堀田主水一族を皆殺しにした暴虐に今天誅が下される! 大いなる恨みに燃える堀家の女7人を助けるべく、徳川千姫の命により、柳生十兵衛が、いま見参! 〈下〉 怨敵「会津七本槍」の四人までを討ち果たし、加藤明成に迫る復讐の刃! だが見よ、七本槍衆の総帥、不死身の妖人芦名銅伯の自信に満ちた不敵な笑いを――。 慈僧沢庵をともない、敵陣会津に乗りこむ柳生十兵衛と堀一族の七美女。 彼らを待つは、驚天動地の地獄の幻法「夢山彦」。 妖異壮絶の大対決、最高潮へ! ----------------------- 1962年(昭和37年)10月から1964年(昭和39年)2月まで『尼寺五十万石』の題名で地方新聞に連載され、『甲賀忍法帖』に改題され刊行された忍法帖シリーズのの第10作… 「柳生十兵衛三部作」の最初の長篇でもあります。 ■破戒門 ■堀主水(もんど)一件 ■七凶槍 ■修羅の巷へ ■蛇ノ目は七つ ■籠 ■髯(ひげ)を生やした京人形 ■十兵衛先生 ■まんじ飛び ■般若組 ■地獄の花嫁 ■水の墓場 ■晒(さら)す ■江戸土産 ■北帰行 ■僧正 ■女人袈裟(げさ) ■これより会津 ■銅伯夜がたり ■断橋 ■首合戦 ■沢庵手鞠唄 ■南船北馬 ■幻法「夢山彦」 ■沢庵敗れたりや ■孤剣般若侠 ■十兵衛見参 ■雪地獄 ■霞網 ■天道魔道 ■雲とへだつ ■巻末エッセイ 嘘もきわまれば真実が 白石一郎 ■忍法帖雑学口座⑧ 日下三蔵 時は寛永19年(1642年)、悪逆の限りを尽くす暗君会津藩主・加藤明成を見限った国家老堀主水は、一族を率いて会津を退転するという騒動を起こす(会津騒動)… 明成は幕府の許可の元彼らを捕縛するが、それだけに飽き足らず、連行中に一族の女たちが匿われている男子禁制の尼寺東慶寺を強襲し、主水らの目の前で彼女らを惨殺する所行に及んだ、、、 これを実行したのは「会津七本槍」と呼ばれる明成子飼いの家来だった… 騒ぎは寺の後見人である天樹院千姫の出現によって収められるが、助けられ生き残ったのは堀主水の娘、お千絵を始めとする7人のみだった。 その後、堀一族の男たちは処刑されたが、残った7人の女たちは加藤明成及び会津七本槍に復讐を誓う… 千姫はそれを後援するが、彼女はそれに男の手を借りることをよしとせず、あくまで7人の女たちの手によってなされるべしと考える、、、 しかし、敵たる七本槍はいずれもそれぞれの武芸に精通した達人ばかりで、そのままではとても彼女たちの手に負える者ではない… 千姫に相談を受けた沢庵和尚は、反骨と無頼をもって知られる柳生一族の剣侠・十兵衛に堀一族の女たちの師範役を依頼する。 おもしろい…としてその役を引き受けた十兵衛だったが、果たして彼は武芸の覚えすらない女たちに、恐ろしい武芸者たちである会津七本槍を討たせることが出来るか? そして、暗君・加藤明成に裁きを加えることが出来るか? 果たして彼らの運命は…!? 忍法対幻法の凄絶な闘いを描く、山田風太郎の代表的傑作長編… 痛快無比な一大忍法帖雄編。 健気な女7人が沢庵宗彭(たくあんそうほう)や柳生十兵衛の力を借りながら、会津藩主・加藤明成や会津七本槍等の悪玉(仇)を討つ復讐譚を描いた勧善懲悪の物語… 善悪がはっきりしていて、悪を倒しにいく展開なので感情移入しやすいし、柳生十兵衛がむっちゃカッコ良かったですね、、、 相変わらずですが… バトル系エンターテイメント作品の要素が強いし、人間技を超越した忍法はSF的だったりホラー的だったりするので、時代小説の枠を超えたジャンルに縛られない独走的な作品だと感じました。 難といえば… 上下巻で1,000ページ近いボリューム、、、 奇想天外、波乱万丈なストーリー展開でテンポの良い作品ですが、ちょっと長かったなー もう少しコンパクトにまとめてある方が読みやすいと思いますね。続きを読む
投稿日:2023.06.12
にすい
わくわくしながら一気に読んでしまった。 柳生十兵衛が動き出すと、最終的にどうにかなるだろうという謎の信頼感がある。 女達を助けてくれる僧侶達がすごく印象に残った。何でもない事のようにあんな行動をするの…は只者ではない。それも1人や2人ではないのだからもう脱帽。 現実ではありえないような内容なのに、臨場感を持ってぐんぐん読み進められるのは、さすが山田風太郎というべきか。続きを読む
投稿日:2022.06.24
ptoro
クライマックスは映像が脳裏に鮮明に浮かぶような、非常にスペクタクルな盛り上がりを見せるものの、それまでの死闘のやりとりが他の作品と比べると強引で繊細さに欠ける印象を受けました。それにしても十兵衛のあの…啖呵には感動。ラストは本当に屈指の名シーン。続きを読む
投稿日:2013.11.10
カルタゴ
敵の本拠地に乗り込む後半戦。 「甲賀忍法帖」の陽炎や「風来忍法帖」の篝火のように、この「柳生忍法帖」にもおゆらというバイプレイヤーが登場する。 山田風太郎の本にはよく正ヒロイン以上に魅力的なサブヒロ…インが登場して、愛憎織り交ぜてストーリーをぐっと盛り上げてくれる。 せがわまさきの「Y十M」も併せて読むと二度おいしい。続きを読む
投稿日:2013.09.24
north44
このレビューはネタバレを含みます
女七人でどうやって最強の七剣士を倒すのか……?最後まで色仕掛けで仇討ちすることがなかったのには感服。それに加えて清々しいほどの悪党を完全に懲らしめることもできたし、とても気持ちのいい作品になった。(所々胸糞悪くなるシーンあるけど)
投稿日:2013.03.05
ニコル
1ページ目を開いたところからもうおもしろすぎて止まらないこと必定です。 上下巻これだけの長さがある大作ですが、中だるみなんて言葉は無縁でした。 七人の女たちによる復讐が全編を通しての主軸であり、その…契機となる冒頭の虐殺場面からしてまず凄絶。千姫の貫禄に惚れます。 上巻ではかよわき女達が人間離れした敵たちにあの手この手で挑んでいく知略が楽しく、到底敵わない相手に一泡吹かせていくのが爽快です。 加藤明成と七本槍も敵として申し分ない悪者達で、一層いい気味。 そして女達を陰で支える十兵衛の男らしいかっこよさといったらありません。 順調に果たされていく復讐ですが、下巻に入り芦名道伯老が登場すると、私的な復讐がやがて政界を巻き込む一大事になっていきます。 会津全域を戦場に、武士農民身問わずの駆け引きと戦いに発展し、もはや7人の女たちの復讐だけに留まりません。人々を二分したまさに戦争です。 賢人・沢庵和尚をもってしても収めきれなくなってきたこの戦いに、もはやこれまでと窮地に陥りますが、ここにいたってからの十兵衛の大活躍のおもしろさといったら! めまぐるしく状況が変化し、思わぬ展開が続いて物語が広がっていきますが、「復讐」という主題が最初から最後までしっかりとあるので読んでいる最中に迷うことはありませんでした。 十兵衛が飛びぬけて魅力を放っているとはいえ彼一人で物語が成立しているわけではなく、脇役一人ひとりが思わぬ活躍を見せるのが楽しい。 もうとにかくおもしろい。おもしろいったらおもしろい。 ものすごくおもしろい本なのです。続きを読む
投稿日:2012.03.15
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