姑獲鳥の夏(2)【電子百鬼夜行】

京極夏彦 / 講談社文庫
(74件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
30
27
9
1
0
  • 全ては収束する。

    再読。20年近くぶり、電子書籍にて。事象については殆どを正確に覚えていたけれど、それぞれ場面の情景、久遠寺医院の肌寒さや薄暗さ、台詞など、それらが鮮やかに、初読みと同じ時の高揚感で読み終えた。見えているもの、見えども見えず。後半は憑物落としから幕引きまで、怒涛の展開。今までの蘊蓄が全てラストに繋がる流れは圧巻。そして初読みの時にはそう思わなかったけれど、えらい面倒くさい男だなあ…関口よ。なんだかんだ面倒見のいい京極堂。榎木津に木場も。そして、いい嫁だなぁ…雪絵さん。続きを読む

    投稿日:2017.02.18

  • デビュー作とは思えない完成度!

    京極夏彦のデビュー作下巻。
    赤子失踪事件、20ヶ月にも及ぶ妊娠疑惑、そして関口の過去、なにより藤牧の行方、すべてに決着がつく。本書の半分近くが解決編に当てられ、一つ一つの事例が京極堂によって明らかにされていく。それは、いわゆるミステリにおいて行儀の良い作法ではなく、解決編にてあかされる事例も少なくないが、そのすべてがきちんと納得のいくように説明がつけられ、まさにパズルのピースがはめられるように納まるべき所に納まっていく。当然、加筆・修正はなされていると思うが、デビュー作とは思えない完成度に舌を巻く。
    上巻冒頭からしばらく続く蘊蓄も「見えないものをみる」事があるだけでなく、「そこにあるものが見えない」ことの説明にもなっており、それが論理的矛盾に陥ることなくストーリーに落とし込まれているあたりはさすがだと思った。
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    投稿日:2013.10.20

  • 初めて手に取った京極夏彦作品

    別な作者のデビュー作と同じで、この作品もどちらかと言うと解説を中心に話が展開していく。何時間も側で話してるのをずっと聞かされてるようで、正直私が苦手とするタイプの小説だ。下巻の中盤に入るまで結局指が進まず1ヶ月もかかった。
    世界観は独特で過去、現在と物語が複雑に絡み合って行くのはお見事だと思う。
    続きを読む

    投稿日:2014.11.23

  • “憑き物落とし”の話なのです

    昔から散々言われているけれども、単純にミステリ作品と思って読むと肩透かしを食らう方もいるかもしれない本作。
    それもそのはず。この物語は「謎を解く」物語というよりは、「呪いを解く」……「憑き物落とし」の物語なのです。
    後半の場面は凄まじいです。呪いというモノの力、それを解くべく奔走する登場人物たち、緊張感漂う情景。それらが、作者の知識に裏打ちされた筆力で、映像のように眼前に迫ってきます。まさに読者も嵐を走り抜けるような読書体験ができるのではないでしょうか。
    そして、すべて走り抜けた先に待っているのが、いわゆる「憑き物落とし」です。
    憑き物は、ある意味作中だけの言葉ではないと思います。作者は作中の至るところで、読者の肩にも憑き物を載せているのです。そうしてそれを、京極堂の言葉により、最後にはしっかりと落としていきます。
    以前読んだ時に、この凄まじいカタルシスは何だろうか……と思ったものですが、読み返してようやく気づきました。作者は、関口という人物を語り部に据えることで読者も巧みに物語に取り込み(だからこそ入り込めない方がいるのも重々承知の上です)、壮大な「憑き物落とし」をしていたのだと。
    ミステリという枠でくくってしまうと、何かが違う。ホラーとも違う。これは「憑き物落とし」のお話です。
    「憑き物が落ちる」体験を、ぜひ多くの方にしていただきたいものです。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.03

ブクログレビュー

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  • kyosawa

    kyosawa

    巻末の解説だけ、シリーズを俯瞰した内容がやや含まれている様に感じたので読んでいない。シリーズを一通り読んだ後で、いつか目を通したい。

    投稿日:2021.09.21

  • 坊一郎

    坊一郎

    「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うか」
    ホラー要素とミステリー要素が上手く合わさっていた。
    いいホラー小説読むと、高校生の頃、通学中に電車の中で読んでいた呪怨が面白すぎて降りる駅乗り過ごした事を思い出す。
    夏の読書にうってつけな本。
    続きを読む

    投稿日:2021.08.09

  • かしろ

    かしろ

    とんこつラーメンチャーシューましましネギ大盛りのチャーハンセットみたいな内容だった。濃いんだけどおもしろくて一気読みした。ホラーかと思っていたけど民俗学的な怖さで個人的にホッとした。

    投稿日:2021.07.20

  • eirain0320

    eirain0320

    『この世には不思議なことなど何もないのだよ』――――京極堂の言葉は確かに真であった。この世に説明がつかないことなど何もないのだ。人々が口にする"非現実"は"現実"の延長線上にあるもので、その逆もまた然り。"現実"と"非現実"は常に同時に存在している。ある物事を"現実"とするか"非現実"とするかは、個々人の"知覚"に依るものなのだ。

    嗚呼、それにしても何とおぞましい真相か。このような真相に比ぶれば魑魅魍魎など可愛いものではないか。矢張りこの世で最も恐ろしいものは"人"なのだよ。なんたって、魑魅魍魎の"生みの親"なのだから―――。

    初・京極夏彦、なかなかの衝撃作だった。印象としては、おぞましさを倍増しにした金田一耕助。ジャンルとしては推理・ミステリーなんだろうけど、ホラー色がかなり強い。

    次作は『魍魎の匣』。次はどのような「不思議ではない"不思議な"事件」が待ち構えているのか、非常に楽しみだ。
    続きを読む

    投稿日:2021.06.27

  • きんちゃ

    きんちゃ

    うーん、ミステリとしてはそんなのアリなの?という感想。京極堂さんのキャラクターはかなり好きなので魍魎の匣も読んでみようかな。

    投稿日:2020.02.12

  • anri0912

    anri0912

    再読だと思えない程楽しめた。
    まず、どの登場人物もキャラが濃すぎる。
    自分の推しを見つけられればこの先さらに楽しめること間違いなし。
    私は関口が好き。

    こちらが恥ずかしくなるくらいの自尊心の低さが堪らない。
    実際に身近にいたら嫌なのだが。

    オチは分かってしまえばそう難しいものではないのだけれど、あそこまで話を掘り下げて1つの物語を作ってしまう作者はさすが。

    十数年前に読んだ作品だけれど、ここまで内容がうろ覚えだとは…。
    私の記憶も信用出来ないなぁ。
    続きを読む

    投稿日:2020.01.10

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