【感想】姑獲鳥の夏(1)【電子百鬼夜行】

京極夏彦 / 講談社文庫
(88件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
29
37
11
1
3
  • 京極堂シリーズ第一段

    もうホントに面白いですよ。確かドラマにもなりました。おどろおどろしい話は横溝正史を彷彿とさせます。
    主人公たちの語り合いの中で何とも言えない怪しい世界に引き込まれて行きます。紙の書籍は読むために持つのが大変でしたが、電子書籍ならOKです。続きを読む

    投稿日:2014.02.23

  • 電子版で甦る口伝の世界

    京極夏彦の本と言えば分厚い。あの分厚さがアイデンティティであるとすら思っていたことがあった。
    分冊文庫なんてダメ、まして電子版なんて・・・。

    だが、ちょっと思い直した。
    なんというか、このシリーズは柳田国男の『遠野物語』や吉本隆明の『共同幻想論』の影響を受けたような世界観である。

    例えば京極堂の台詞、
    「そもそも神憑りというのはこの世のものでない仮想現実を擬似的にこの世のものに置き換えるためにあるシステムだ。
    受け入れ難い現実―非日常を理解するためには格好のものだったんだ。」などなど。(これは下巻だが)

    そうした世界における神憑りや姑獲鳥の話は、本来「口伝」に属すものだ。
    人から人へ語り継がれる世界。
    「書物」の厚さは別に関係ないのではないか?

    というわけで、Sony Reader TS3で読んでみた。
    ああ、これは、ありだと思う。
    薄くていいんだ、軽くていいんだ。
    この口伝の世界に入っていくために「媒体」を感じさせないこと、それが多分大事なこと。

    幸い、本書はiOS系を含む様々なデバイスに対応している。
    自分の手と目にしっくりくるもので読めばよいだろう。
    続きを読む

    投稿日:2014.09.30

  • 原点

    再読。ノベルズ版で20年近く前に読んでいるけれど、細部は兎も角として、大まかな部分は殆ど覚えていた。初読みで余程インパクトが強かったのだろう。しかし成る程、ここのこれが伏線になって…だとか、なんだここに書かれてるじゃないか…だとか。更に流れをわかってて読んでいるので、本当に関口は残念な子だなあ…だとか。再読の楽しさを見い出してしまった。そして文章に京極氏独特の冗長さや諄さが無くて、アッサリしている!と驚いた。楽しい。とても楽しい。さて後半へ。続きを読む

    投稿日:2017.02.18

  • 京極夏彦のデビュー作!

    実は京極夏彦の作品は初見で、表紙のおどろおどろしいデザインや水木しげるに師事し、後継者を自認する行動などから、もっとねちっこく、いわゆる魑魅魍魎が跋扈し、超常現象が飛び交う非日常の世界を描いているものかと思っていたので、本書が正統派のミステリであることにまず驚いた。
    しかしながら、物語世界を構築するためにまず脳と認識、記憶などについて京極堂に語らせ、その話はやがて量子論にまで発展するあたりは、蘊蓄好きの自分としては本筋にどのように関連してくるのかは別として非常に面白く、また自分の存在を自分たらしめているのは記憶であることに改めて気づかされ、その意味で空恐ろしくなった。
    主要な登場人物が非常に個性的であり、京極堂をはじめ探偵榎木津、刑事の木場などはそれぞれがとっても濃いので、語り手である関口はまさにいつも翻弄されているんだろうなあと変なところで心配になった。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.19

  • だらだらと長すぎ

    導入部分が非常に長く、登場人物の一人の会話がだらだらと続く。なぜ、この内容で2巻も必要なのか?さっぱり分からない。

    投稿日:2014.04.13

  • 何度も読み返してます。

    出版されて随分経ちますが、何度読み返しても面白い作品です。作者の作品の中ではみじかい方になるので初めての方も読みやすいと思います。Readerを入手して真っ先に購入しました。電子書籍になり値段は張りますが、好きなシリーズを何冊でも持ち歩いているようで充実感があります。続きを読む

    投稿日:2013.09.27

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ブクログレビュー

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  • 読書と黒ウィズ好き

    読書と黒ウィズ好き

    ここまで趣味で好きなこと書いてるんだなって伝わってくる本は初めてでした(笑)
    小難しい話が多いですが、キャラが魅力的で会話が小気味よくサクサクと読み進められます。
    なかなか本筋が見えてこないところが個人的にはマイナス、後編でどうなっていくのか期待。続きを読む

    投稿日:2023.12.06

  • なちゅ

    なちゅ

    京極夏彦デビューを果たしました。
    分冊なので読みやすく、あっという間でした。
    次の魍魎の匣も楽しみです。

    好みがだいぶ分かれそうな本だと思います。時代背景や書きぶりが、人によっては読むスピードを緩めさせるかもしれません。
    しかし個人的には、評論のような京極堂のセリフが好きでした。人の持ってる感覚や見えない部分の捉えが面白かったです。この辺に読み応えと読み進めたくなる魅力を感じました。
    榎木津や関口、木場のキャラクターもいいアクセントです。
    また、敦子主眼の?シリーズもあるようですね。
    読み尽くすまでにはもう少しありそうで、わくわくします。出会えてよかった〜
    続きを読む

    投稿日:2022.11.23

  • 坊一郎

    坊一郎

    講談社の編集が送られてきた原稿を3日で読み切ったという話を聞いたけど、それも頷ける面白さ。
    この世には不思議なことなど何もないのだよ

    投稿日:2021.08.10

  • eirain0320

    eirain0320

    初・京極夏彦。京極夏彦と言えば、高校生の頃に学校の図書館で見た、箱のような文庫本の印象が強く残っているが、こちらの分冊文庫版の方が読み易そう(持ち易そう)だったので、こちらの方を手に取ってみた。

    二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うかい?』―――久遠寺医院の娘である梗子の不可解な妊娠、彼女の夫・牧朗氏の密室からの消失。梗子の姉・涼子は、牧朗氏消失事件の解明を探偵の榎木津に依頼するが、普通の人には"視えない"ものが"視えてしまう"榎木津は、事件が起こったとされる現場、今は梗子が臥している部屋で、久遠寺家の"狂気"にまつわる"何か"を見る。榎木津はこれ以上この事件に関わることを止めようするが、涼子の不思議な魅力に惹かれ、また、学生時代にあった梗子との因縁が呼び起された関口は、榎木津の制止を振り切り、事件の解明に身を入れるのであった―――。

    『この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口くん。』―――物語の冒頭で描かれる、京極堂と関口との問答で発せられる京極堂の一言。「人々が超常現象、奇跡と呼ぶものは所詮、限られた知識で測れないものを一緒くたにしているだけ。」―――今回の事件は、限られた知識で測れないものなのか、それともそのように見せただけのものなのか。榎木津が、梗子が臥している部屋で見たものとは。久遠寺姉妹に惑わされる関口、彼こそが"狂っている(もしくは狂わされている)"のか。真相は下巻へ―――。
    続きを読む

    投稿日:2021.05.05

  • きんちゃ

    きんちゃ

    初京極作品。ホラー系かと思っていたら初っ端から「世界五分前仮説」や「シュレディンガーの猫」的な話が出てきて混乱した。あと漢字が難しい!

    投稿日:2020.02.11

  • おにけん

    おにけん

    2020年35冊目。初読みの作家の方。著作を見るたびに本のぶ厚さに圧倒され今まで手を付けなかった作家の方。今回初めて手を付けて見たが、文章の言い回しが難しく読むのに難儀した。話の筋としては、密室で失踪した旧制高校の先輩を探すということだと思うが、前半部分の京極堂さんの薀蓄が自分にとっては難しく感じ、何だか狐につままれたような感じで終わりまで来てしまった。ともかく事件はどうなるのだろうか興味はあるので、下巻もなんとか読み進めていきたいと思う。続きを読む

    投稿日:2020.02.10

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