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鷺沢萠 / 講談社文庫 (38件のレビュー)
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kaname15
裏表紙の作品紹介文に「感涙のラストシーン!」とあるのだが、どこに感動して涙を流す要素があるのかよく分からない。主人公がちょっと自分に酔っているところがある苦手なタイプの作品。 30年近く前の小説を読…んでおいてなんだが、価値観が古いと言わざるを得ない。 成長の結果としての心の強さ(こわさ)と強さ(強さ)の違いが語られるが、この小説で言う強さとは、現在の価値観から観ると弱さかも知れないなと感じた。強かさが育ってないのである。 ただし、解説で俵万智さんが指摘するように、この作品が「『あなたはあたしのクリスマス・ツリーだったのよ』という台詞をいかに切なく成立させるか」を目的として書かれたものだと仮定すると、見事につきる。 そもそもが男とドライブしている女の回想録なのであるから、自分に酔って当然なのだ。 このドライブする男女をアヌク・エーメとトランティニャンだったりカトリーヌ・ドヌーヴとジャック・デュトロンが演じていると名作となるのでしょう。 ちなみに、羽田美智子さんと別所哲也さんで映画化されているらしいです。続きを読む
投稿日:2023.12.08
k
二人が、二人で、ずっと幸せなまま話が終わると信じたかった、、 これ読んでる時ずっとaikoの「えりあし」が頭の中で流れてた 強(つよ)い心と強(こわ)い心は違うんだよ、 傷を受けてこわばった心も丁寧…に丁寧に手当てをして強い心に変えられるような人間になりたい続きを読む
投稿日:2023.03.07
あるふぁ
タイトルにもなっている「大統領のクリスマス・ツリー」そのセリフが出てくるシーンがたまらなく好きだ。どんな思いで香子を誘い、そこまで連れいていき、そのセリフを口にしたのか。それを思うだけで、胸がキュッと…なる。10代で出会い、20代で結婚し、子供がうまれ、30を迎え、出会った頃のようながむしゃらさや、同棲していた時の必死さも、思い出に変わりつつある。香子は折にふれその変化を「布を織り上げてきた」と例える。人との関係は確かにつむぎ、おりあげるものなのかもしれない。つよい心とこわい心。何度読んでもその言葉が沁みる。続きを読む
投稿日:2023.02.11
kewpie00
1時間ドラマをそのまま見ているような構成。「完璧に幸せ」と思うのは それを失いつつある時。時は一刻も止まらず過ぎていき、どんな幸せも永遠には続かない。
投稿日:2018.04.20
bubu-o
とても前向きな悲しい話です。 今後、自分の人生にこんな悲しいシーンがあるのかと、ちょっと寂しい気持ちになります。 そんな、話なのに前向きな気持ちになれるのが不思議です。
投稿日:2017.03.10
わをん
「あなたはあたしのクリスマス・ツリーだったのよ」 多分、今この本のページを少しもめくっていない人にとってさえ、香子のこの一言はうならずにはいられない名文句だと思う。 ロマンチックにも見えるたとえだけ…ど、彼女がこの一言を声にするまでに経験したこと、嵐のような日々、幸福にすぎる生活、その中で胸を満たした感情、香子の強さ、そして、気付いてしまったこと。 そういうものを全て知った後のこの一言は、あまりに苦しくて、あまりに切なくて、あまりに強くて、たまらなくなる。 そう長くはないし、小難しい話でもない。 この一言に少しでもうなったなら、ぜひ本作を読んでほしい。続きを読む
投稿日:2015.12.28
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