【感想】ねじれた家

アガサ・クリスティー, 田村隆一 / クリスティー文庫
(47件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
10
12
11
4
0

ブクログレビュー

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  • サク

    サク

    推理もののようであまり推理的な要素はあんまなかったような気はする。ただ有名作品を読んでなかったからこれからアガサクリスティーを読んでいくのもいいなと思った。

    投稿日:2023.12.25

  • オズ

    オズ

     クリスティ作品は再読が多いのだが、今作は初めて読む作品だったのだ。クリスティにもその種類のミステリーがあったのかと驚愕、新しい発見だ。余り今作をクリスティのベストにランクしているものを見た事が無いが、少なからず現時点では僕のクリスティ10選に入れたい程、強く衝撃を受けた作品だ。
     「ねじれた家」という土台がありながら、そのイメージに合った世界観、環境観下でありながら、実は家族愛に満ちたレオニダス一族の物語で、クリスティ作品では金持ちは嫌な印象を与える事が多いが今作のアリスタイドは読み進めるととても好印象な人物である。しかし、その「家族愛」こそねじれの原因であり、家族一人一人が個性と歪みを持っており作品自体を「ねじれた」イメージにする一環を担っている。
     物語のスタートは戦時下のイギリス。若い二人の男女、チャールズとソフィアは気が合い、結婚を考えるが、チャールズは二年感東洋での任務がある。彼はソフィアに二年後ロンドンでまだ自分達の気持ちが変わらなければプロポーズしたいと伝え、彼女も了承。その時初めて彼女が大金持ちの孫娘である事を知る。
     二年後、任務を終えイギリスに戻り、ソフィアと再会するが、その際に彼女の祖父アリスタイドが亡くなった事を知る。ソフィアは結婚自体反対ではないが、祖父の死に疑念があり、それが解決しなければ家族が原因で暗いモノを引きずるかも知れないため、真相の解明を望む。チャールズの父親は警視総監であり、警察の捜査とともにソフィア達の暮らす通称「ねじれた家」を訪問する。
     あからさまな探偵役が乏しい為、一体真相はどうなのかが終盤まで明かされない。ソフィアの妹が探偵役の片鱗を見せるが、中々チャールズに伝わらない。ソフィアの家族達は何かを感じている様でありながらそれも読者には明らかにされないもどかしさもあり、不穏な空気感漂う世界観が続いていく。
     今作の真相について、有名作家の作品には必ずある種類の真相であり、ある意味でフーダニットの王道になるが、当時はまだ少なかった手法だろう(ネタバレになるので作品名は挙げないが、クイーンのシリーズが挙げられる)。ミステリー好きなら読みながら犯人を推測するが、一番衝撃的なのはという事で二名程怪しんでいたがそれでも充分に驚いた。
     また、結末についても慈愛に満ちたものであり、登場人物のイメージがガラリとかわる。結末も先程挙げたクイーンの作品と同じプロットなのだが、こちらの方が印象が強い。完成度が非常に高く、作中でクリスティ特有の伏線や匂わせがあるにも関わらず気持ち良く騙される。
     チャールズ、ソフィアもそうだが、エディス、ジョセフィンと活躍する人物が多い。特にジョセフィンは12歳で有りながら一部探偵役を担いチャールズは振り回される様がワトソンの様だ。
     非常に面白く、是非おすすめしたい作品。実は読み易く余りクリスティを読んだ事がなくても勧めたい。
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    投稿日:2023.10.23

  • 帆掛船

    帆掛船

    「犯罪者には、一種のみえというものが必ずある。十中八、九まで、その動機には虚栄心が働いているんだ。罪を犯したあとでも、捕まるのが恐いくせに、空威張りしたり自慢したり、自分は捕まるようなばかではないとたかをくくっていたりするのだ。それからもう一つ。犯人はお喋りだということだ」

    2019/12/31読了
    主人公が父親の副総監から、犯人を探す参考に、と犯罪者の特性を教えて貰う場面だが、ここまで大盤振る舞いのヒントを出されても犯人を間違うのであった。
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    投稿日:2023.09.14

  • ぐっち

    ぐっち

    このレビューはネタバレを含みます

    スリーゲイブルズ
    マザーグース
    遺言書
    ラブレター
    エゼリン
    ジギタリン
    ブービートラップ
    とりかえっ子

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    投稿日:2023.01.31

  • アイム

    アイム

    きっと犯人はソフィアだろうという偏見を抱きながら読んでいたので、真相が判明して大分呆然としてしまった。登場人物はどいつもこいつも癇に障るタイプではあったけれど、だからといって『ねじれた家』に住んでいたせいでねじれた人間になり、こんな惨事が起きたのだ、と考えるのはさすがに可哀想に思えて困った。そうやってひどい動揺を与えてくるところまで含めて、なかなか恐い話だったと思う。続きを読む

    投稿日:2022.10.30

  • らいら

    らいら

    アガサ・クリスティー作品としては珍しく、探偵役が居ないといえる作品。代わりに、人間模様が非常に繊細に描かれており、それを読んでいて非常に楽しめる。
    本巻のポイントは、遺産関係などのいつもの動機をいつも通り使わないことでミスリードを導いているところだろうか。
    正直、最後の展開は予想通りで個人的には意外性は少なかったのだが、展開の持ってゆきかたには素晴らしいものがあると感じた。
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    投稿日:2022.09.19

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