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浅井建爾 / JIPPIブックス (20件のレビュー)
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総合評価:
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osagoto
実は結構地図マニアな私。 暇さえあれば、Googleマップを見てたりします。 県境の変遷や、深い理由がある県境決定の事情など地理好きにオススメの本ですが、この中で個人的に一番好きなのは、「福島、山…形、新潟三県の県境付近にある、幅1メートル×7.5キロメートルの蛇のような細い福島県」の話です。 にわかには信じがたいのですが、実際にGoogleマップでみてみると、確かにあります。 飯豊山の山頂までの登山道に沿って県境があります。だから幅1メートル。 本ははそうなった経緯が書かれていますが、要は飯豊山へいたる登山道は福島県から延びているので、その登山道は福島県のもの、という事らしいです。 もともと県境にしても国境にしても、人間が勝手に引いているものだし、どこにその境があろうがいいとは思いますが、ややこしいのはどうなのよと思います。自分勝手な人間らしいですが。 この本、それ以外にも廃藩置県以降の、県境を巡るすったもんだが満載です。地図マニアの方は是非一読を。 続きを読む
投稿日:2019.11.17
tagutti
<目次> 第1章 「廃藩置県」から「四十七都道府県」の成立へ 第2章 県境に秘められた歴史 第3章 なぜそこに県境がある? 第4章 ニッポン縦断 県境をめぐる争い 第5章 県境未定地の謎 …<内容> 「廃藩置県」やその後の「大合併」の中で、この県境問題が顕在化したということが分かった。それは「近代」というシステムの問題点なのではないか?江戸時代までなら、その地域の住民の「緩い」感覚で決めたり、あえて決めなかったりすることが、問題を解決する手段だったような気がする。それが、「きちんとしろ」という近代的感覚に問題があるのでは?関係ない地域がしゃしゃたり、「面子」などというセリフが本の中に出てくる。我々人間の関係性ってそんなものじゃない、気がするが… 逗子市立図書館続きを読む
投稿日:2019.08.03
うっちー
県境に関するさまざまな話題を集めたエッセイ。前半は県境についての歴史、後半は現存する変わった県境を紹介している。 県境が決まっていないところなんて、あってもせいぜい全国で数箇所程度だと思ったら、県境…、市町村境がすべて確定しているのは全国で9県しかないという。福島県、山形県、新潟県の境には、7.5kmも続く、幅がわずか1m弱の福島県があるという。この他、タイトルにある通り、知らなかったことや驚くことが多数掲載されている。続きを読む
投稿日:2019.01.03
ichiro.mariners
都や県、区や市の境がクネクネ。つながっているのであればまだしも、飛び地があったり、境が決まってなかったり、挙句の果てには、所属市町村が決まっていない島があったり。中国のことであれば納得できるのだけど、…これ、日本の実情である。ちょっとびっくりしてしまう。なぜこんなことになっているのか。廃藩置県の施行時の県の決め方が雑であったことが主な理由となっている。詳細は個別にいろいろな事情があるのでちょっとサマライズするのが難しい。興味ある人は、本書を読んでみてください。続きを読む
投稿日:2018.10.23
かおるひめ
住んでいる市は、川向こうの地域とある土地を巡って、 長々と揉めています。 つまり、“境”は何処にあるか・・・で。 全国あちこちに存在する“境”の問題と事情。 廃藩置県等、 時代の変遷とともに“境”は変…化し、混乱するのですね。続きを読む
投稿日:2017.11.04
リカ
普段あまり意識しない県境。藩が県に変わったのは、明治期の廃藩置県からです。 元をたどれば、鎖国からの開国がそのきっかけになったと言えます。 かなり強引に行われた県への変換。 それも、当時のまま今に至っ…たわけではなく、その後もさまざまな変化があったことを知りました。 まず、奈良県が地図上から消えたことがあると知って、驚きます。 日本の歴史に外せない地域なのに、そんなことがあってよいのでしょうか。 奈良県は堺県に併合され、のちに堺県ごと大阪府他県に併合されたそうです。 その理由として、大和に地元出身の有力な政治家がいなかったからだということや、そして幕末に朝廷・幕府どちら側につくのか曖昧な態度をとったことなどが挙げられているそうです。 飛鳥時代どころか、もっと近年の事情によるところだったとは。 また、四国には愛媛と高知の二県しかない時代があったそうです。 歴史を追って四国を見てみると、まさに合併と分離を繰り返した波瀾万丈な変遷。 四国という地方名からしても、四県であるべき場所だと思っていましたが、増えたり減ったりの後にようやく現状に落ち着いたのでしょう。 北の方では、北海道に青森県津軽郡があった時期があるそうです。 交通の便が悪く、公文書到着にひと月かかることもあったとか。 秋田と山形の県境は不自然に歪曲しており、それは鳥海山の山頂争奪戦によるものと知りました。 2つの宗派の宗教上の争いによるものとのこと。 日本でも宗教戦争があったとは。 さらに福島・山形・新潟三県の県境も独特で、わずか幅1m弱の福島県が7.5kmも続く場所があるそうです。 三国岳から飯豊(いいで)山頂をめざして、ひとまたぎで新潟県から福島県を通り越して、山形県に着地できるのだとか。 これもまた宗教がらみで、飯豊山神社の帰属問題が原因だそうです。 今度行ってみたいものです。 神奈川県民の自分に身近な話として、箱根の芦ノ湖のことが紹介されていました。 芦ノ湖は神奈川内にあるものの、水利権は静岡県が持っているとのこと。知りませんでした。 先取権、つまり早い者勝ちの結果だそうです。なんとも不可思議なはなしです。 小さいだけに意外だったのが、小豆島には2つの県があったということ。 讃岐か備前かもめながら、東部と西部に分かれて、それぞれ六度ずつ県名変更をしたそうです。 めまぐるしくて、住民は度重なる住所変更に音を上げそうですね。 いろいろとビックリの話ばかり出てきましたが、実は国内で県境、市町村境とも全て確定しているのは、たったの9県しかないんだそう。 栃木、福井、奈良、島根、山口、徳島、愛媛、高知、長崎だそうです。 ほかはどれも、曖昧なまま、今までなあなあでやってきているんだそう。 わかりやすい県境未定地は十和田湖。 ここの県境は青森か秋田かはっきりしていません。 いつも私は青森側から行きますが、湖畔できりたんぽを食べます。 方言も、津軽とは違いますが、だからといって秋田弁でもない、独特の十和田弁なんだそうで、やはり謎のままのようです。 なんと東京23区内にも境界未定地があるとのこと。 江戸川の流れを変えたことで生まれた川の中州で、「河原番外地」と名付けられているようです。 両地域交流の場にするほうが得策ということで、あえて未定状態にしているのだとか。 人工衛星写真の発達で、隠す場所がないほどクリアになった世界の地形ですが、国内の県境には、いまだに曖昧模糊としたアンタッチャブルな場所が多いことを知りました。 ロマンがあるというべきか、政治上の事情がかいま見えるというべきか。 複雑な思いを抱えながらも、興味深く読みました。続きを読む
投稿日:2014.01.08
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