【感想】石川くん

枡野浩一 / 集英社文庫
(55件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
10
19
15
3
0
  • 愛すべき石川くん

    石川啄木は小さくて(身長158cmくらい)おでこが大きくて色白でとってもかわいらしかったらしいのだけれど、一方で、けっこう生意気で天才気質でいたずら好きな性質でもあったようだ。
    で、枡野さんはこの愛すべき啄木に向けて、親しみを込めて「石川くん」と毎回呼びかけながら、その歌と生活についてコメントしている。
    枡野さんによる啄木の歌の現代語訳つき。

    例えば・・・
    友がみな我よりえらく見ゆる日よ花を買い来て妻としたしむ(啄木)

    →友達が俺よりえらく見える日は花を買ったり妻といちゃいちゃ(枡野さん)

    では枡野さんの訳歌
    目ざめてもふとんの中でぐずぐずとしちゃうダメさを責めないでママ
    のもと歌はなんでしょう?

    絶妙なコメントも時に辛口で、時にやさしくて、ユーモアがあって笑えます。
    軽く読み終えられるので入門書としてもよい本だ。
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    投稿日:2015.05.13

ブクログレビュー

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  • hawk-owl

    hawk-owl

    歌人枡野浩一が、石川啄木の短歌を現代文に訳しながら、啄木の人となりについてこき下ろす。愛情の裏返しだとしても、ここまで貶すかというほどの貶し方。短歌からは想像できないが、酷い人間だったようだ。

    投稿日:2023.05.14

  • kazubook21613

    kazubook21613

    このレビューはネタバレを含みます

    詩心の全くない私は、短歌も俳句も詩もほとんど解さない。よって当然だが啄木にも親しんでこなかった。

    そんな私が、娘の「バイト先のカフェのオーナーが石川啄木のひ孫みたいだよ」の一言で、俄然興味を持って読んだのが本書。
    どうやら、正しくはひ孫ではなく血縁関係があるみたいだけだったが・・

    それにしても、本書を読んで驚いた。いや、驚いたなんてものではない。このゲスっぷりはただことではない。詳しくは書かないが、教科書的な芸術活動に励むも貧しさに負けて夭折した天才、みたいなイメージはガラガラと崩れる。ここまで徹底してゲスだと、アッパレと言いたくなる。

    おそらく世の中と多くの人は啄木のホントの姿を知らないのではないか。恐るべし啄木。

    と、ここまで書いて、もしかしたら本書の筆者のバイアスが相当かかってる可能性もある事に気付いたので、ぜひ「ローマ字日記」と「一握の砂」を読んでみたい。

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    投稿日:2022.06.03

  • quatorze

    quatorze

    友達のように呼びかける、石川くん、と。

    某石川啄木のアニメをみたのがきっかけで読む。自身も歌人である著者が石川啄木に送る手紙のように、石川啄木の歌や人生について書いた連載をまとめたもの。石川くんもヒドイし、著者のコメントもヒドイ。でも、包み隠さず生きるというのは石川くんのような生き方なのかもしれない。だから、石川くんにヒドイことを言いつつ、石川くんを嫌いにはなれない。

    一番好きな歌は「こころよく 我にはたらく仕事あれ それを仕遂げて死なむと思ふ」
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    投稿日:2020.07.11

  • はんな

    はんな

    このレビューはネタバレを含みます

    枡野氏の「石川くん論」が本当なら、プライベートの石川啄木は、どうしようもないダメ男だったんだなと思いました。

    石川啄木には金田一京助という親友がいて、何かと石川啄木のサポートをしてくれます。私が以前読んだ本に、『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』がありますが、カフカもよい友達に恵まれて、精神的に支えられたり、自作を世に出す手助けをしてくれたりしたようです。天才として名を残すには、友達運に恵まれることが重要になってくるのでしょうか。あるいは、一見、人間的に大きな欠点があっても、何か他の人を強く引き付ける魅力があって、よい友に恵まれるのでしょうか。

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    投稿日:2019.12.27

  • dai-4

    dai-4

    確か、トヨザキ社長書評集でのオススメから。これ、ネット新聞連載の文庫化なんですね。記憶に残っていた啄木作品は、ここに収められた中のほんの数作だったけど、それは教科書に載るような、格式ばった風味の漂うものばかり。軽いノリのものとか、色々あるんですね、実は。愉快な解釈による部分が大きいのだけど、かなり啄木が身近に感じられるようになりました。イラストがまた良かったです。続きを読む

    投稿日:2018.04.24

  • ヤルタ

    ヤルタ

    石川啄木の「一握の砂」の現代語訳があれば…と思い見つけた一冊。
    教科書に載っている有名な歌人ですが、この本を読んでかなりのダメ男だったことがよくわかりました(笑)
    それでも、素晴らしい作品はずっと読み継がれていくものなんですね。続きを読む

    投稿日:2018.04.14

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