【感想】運命の人(四)

山崎豊子 / 文春文庫
(103件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
17
49
24
6
0

ブクログレビュー

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  • 海外おやじ

    海外おやじ

    このレビューはネタバレを含みます

    いわゆる『外務省機密漏洩事件』、『西山事件』を題材にする本作。

    ・・・
    これまでの三巻で、元特ダネ記者弓成の光と影、頂点と凋落が描かれました。
    第四巻は、言わば弓成の回復が主題です。

    最高裁への控訴が棄却され、自らが信念をもって行っていたことが法の最高法律機関からも否定される。仕事も放って、失意の中沖縄へ流れ着いた弓長。

    悲惨な沖縄戦の歴史、自らがすっぱ抜いた返還の際の密約、そしていまだ絶えない米兵の強姦事件。これらの舞台となった当の場所に住まう人々の生の声を聞き、それでも優しさを失わない様子に触れる中で、弓長の心は徐々にほぐれてゆきます。

    そんなさなか、沖縄出身の学者によって米国で沖縄返還時の費用補償についての密約の文章が発見され、弓長の潔白は事実上証明されたことになります。また妻の沖縄への来訪をきっかけに、長年の溝がこれから埋まろうとする兆しも見えてくるなか、物語は終焉を迎えます。

    ・・・
    しかしどうしても感じるのは妻の悲惨さです。

    30代で事件がおき、20年以上放っておかれ、自ら家と子供をまもりつつ仕事をもこなした由里子。本人には本人なりの感情・充実・ないしは紐帯があるのかもしれません。でも、誤ることすらなくこれだけの間、他人ではなく自らの家族を放置するような連れ合いに対する感情はいかばかりか、と思いを馳せずにはいられません。

    本作、政治とジャーナリズム、戦争の歴史等、学ぶべきトピックが多い一方、家庭の在り方についてもまた昭和の悪しき?例も見ることが出来た作品だったと思います。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.08.18

  • sensensendai

    sensensendai

    沖縄密約事件を通して伝えたかったのは、戦争の無惨さと沖縄の不平等な現状だと思いました。
    日本人としてもっと沖縄に対する理解を深めたいと感じました。

    弓成さんが絶望の淵から這い上がっていく姿にも勇気をもらいました!続きを読む

    投稿日:2023.08.13

  • にしど

    にしど

    沖縄に移住した弓成は、沖縄の人々から
    第二次世界大戦中の沖縄の惨状を聞き、彼らが終戦後も米国による支配により苦難を強いられ続ける姿を見て徐々に物書きとしての使命を思い出していく。
    重たいが明るさを感じたエンディングでした。続きを読む

    投稿日:2023.07.16

  • 43street

    43street

    山崎 豊子著「運命の人」全巻読了
    (一)~(三)までは、機密漏洩事件の裁判の話だったが、(四)では最高裁で有罪が確定し、沖縄へ流れ着いて地元の人達と触れ合い、戦中戦後の沖縄の悲惨な話になり、かなり展開が変わる。

    現在、普天間基地問題が保留になっちゃってるけど、沖縄の人達にとっては早く解決してもらいたいだろう。
    沖縄が返還されても、まだまだ戦争は終わっちゃいないのだ。

    山崎豊子さん、もう80を超え、かなりご高齢であります。
    この小説も、後書きを見ると膨大な資料を参考に制作された小説だと言うことが解りますが、残念ながら、「不毛地帯」「二つの祖国」「大地の子」「沈まぬ太陽」のような壮大な背景が感じられません。
    しかし、大好きな作家さんです。
    彼女の作品は、ほとんどがドラマ、映画になっていますが、それらを見た方でも是非、原作を読んでいただきたいものです。
    歴史観、政治観、人生観が変わりますよ。
    ただ、「運命の人」じゃなくて前述の作品達ですが。

    お歳を考えると、彼女の最後の大作になるでしょう。
    ホントにお疲れ様でした。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.01

  • ウシ

    ウシ

    4巻が1番面白かった。
    沖縄返還のため400百万ドルを秘密裏に日本が支払ったことはやむを得ないと思う。
    それを国民が知る必要が必ずしもあるとは思わない。
    沖縄を平和的に返還してもらうことに意味がある。
    沖縄が犠牲になっていることは全国民が知るべきだ。
    沖縄の過去と現在を知ることができる本。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.05

  • サトルルル

    サトルルル

    最後はバッドエンドとなった様に感じました。
    アメリカの対応が酷いものだったと言うことは理解できましたが、弓成さんの人生についての描写をもう少し描いて欲しかったです。
    他の山崎作品を読み進めようと思います。続きを読む

    投稿日:2023.01.31

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