春にして君を離れ

アガサ・クリスティー, 中村妙子 / クリスティー文庫
(210件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
78
74
23
4
1
  • 地方の老婦人の物語

    錆付くよりは擦り切れる方が良い。イギリスのことわざです。
    まさにそんな風に、万事取り仕切って生きてきた老婦人が、異国の一人旅の中で自分を省みてしまうお話。
    あの時、夫は本当は何を想っていたのか、子供は何を考えていたのか・・・など。
    婦人の焦りも含めて、読みやすいし、ああなるほどと思えるところが多く、実りある本でした。

    読み終わった感想は、本当に子供の思考ルーチンが親にそっくりです。
    子供についての記述を見ていると、何が老夫婦の愛を強くしたのかなんて、ため息なしには考えることもできません。
    次女の、家に連れてこないと男の良し悪しもわからないという下りは、
    現代の地方って呼ばれるものずばりこれだな、とか思いました。
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    投稿日:2014.04.15

  • 知人に勧めづらい名作

    「私はなかなか良くやっていて、自分で幸せを掴み取った」と思っている中年女性が旅の途中で自分の人生を振り返るというストーリー。
    多くの女性はこの作品を読むと自分自身の行いを振り返ると思います。人に勧めると、自分を見つめ直しなさいと言ってるように思われるかも・・・なんて思いました(笑)
    誰しもが主人公のような面を持っており共感してしまう作品でないかと思いますが、さらに衝撃的な結末が待っており驚きました。
    推理小説ではないですが、ある種のどんでん返しだと思いました。
    一見すると地味な話の様ですが、とても感情を揺さぶられる作品だと思います。
    もう少し歳をとったらまた読みたいです。
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    投稿日:2017.02.15

  • 推理作家というプロフィールだけではもったいない!

     推理小説ではありません。そして作家としての力量を改めて、実感させられます。"そして誰もいなくなった”など、学生時代に楽しんだ彼女の本はすべて推理小説で、それから、ン十年の時を経て、初めてそれ以外の本を読み、彼女の力量に、今更ながら、目から鱗が落ちたように感じました。もっと、彼女は、評価されるべき、それが読後の感想です。
     読んでいる間中、ずっと、身近な女性が思い浮かんでいました。きっと、そんな風にして読む人が多いのではないかと思います。主人公は、本人は気が付いていませんが、好感を持てる女性ではない。
     男性には、面白くないストーリーかなと思います。若い女性もピンと来ないかも。爽やかさなど全くない・・・自分の反面教師として、苦手なタイプとして、何らかの救いがあるのではないか、そして、自分にも似たような面があるのではないか・・そんな事を感じながら、一気に読めます。
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    投稿日:2015.10.22

ブクログレビュー

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  • かずは

    かずは

    哀しくて恐ろしい物語だった。けれど、こういう感情を読書で体験できるのは素晴らしいことだとも思う。でもこわい!

    投稿日:2019.06.03

  • jusey

    jusey

    人事院総裁 一宮なほみ氏 推薦本!!「アガサ・クリスティーといえば、言わずと知れたミステリーの大家ですが、殺人も探偵も出てこない作品をいくつか書いています。『春にして君を離れ』はそのひとつで、主人公は自分の尺度でしかものごとを測れない主婦です。その尺度は偏見に満ち、想像力に欠けます。

    ところが、病気の娘を見舞いに訪れた中東から英国への帰り道に悪天候で足止めを食います。砂漠の真ん中でひとり物思いにふけるうち、満ち足りていたはずの生活に疑問を抱き始めるのです。

    相手のためと思ってやってきたことは、相手を苦しめていただけだった。自己満足のために愛する人を不幸にしていた。それに気付いていたのに気付かないふりをしていた。そうしたことに思い至ります。

    人間誰しもが抱く思い込み。自分が見たいものしか見ない危うさ。そうしたことに気付かされた気がしました。目の前に予兆があったのに、なぜ本気で受け止めようとしなかったのか。そう思うことはありませんか。皮肉な結末も含め、一読をお勧めします。」
    続きを読む

    投稿日:2019.06.02

  • はるぽんぽん

    はるぽんぽん

    苦い感動、と解説にあったけれど、本当にそんな感じ。
    ちょっとサイコホラーのような。
    読み終わって頭がぐるぐる。自分もこの主人公と同じではないか?と思うととても怖くなる。

    投稿日:2019.05.26

  • siomizu

    siomizu

    このレビューはネタバレを含みます

    初めてのアガサクリスティー。面白かったし怖かった。

    ジョーンには終始イライラさせられるというか、こういう嫌な奴いる!私は正しい!正しい私の言う事を聞けばみんな幸せなのよ!って。周りの家族はさぞお疲れでしょうねと。
    終盤で、ジョーンが自分の行いを振り返って回心し、謝ろうと帰宅するのに土壇場で結局前の自分でいる事を選んでしまう。「えー、ラストこう来たかー」と気を抜いていたら本番はその後ロドニーの独白だった。
    ロドニーは、ジョーンの幸せ(仮)の為に彼女に合わせているけれど、もしかしてワザとしているのかな。とも思ってしまった。ジョーンが人の話を聞かない人間である事は重々承知なんですが、ジョーンが家族の中で孤立する為、永遠に自分の世界の中だけで生き続けるようににわざとそのままにしているのでは。と思えて怖かった。限りない優しさで包んでいるというより、無関心?好きな職に付くのを邪魔された復讐で、彼女を温かくて独りぼっちの牢獄に入れてるんじゃないかと。
    読み終わった後も色々な解釈を考えて楽しめる。取り敢えずシェイクスピアのソネットを読もう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.05.26

  • きりん

    きりん

    これは、所謂自分の考えが絶対で人の言う事など全く聞かない人が主人公。ふとしたキッカケに、自分の今迄の人生を見つめ直す話なんだけれど、この手の人は案外幸せなんでは?と思う。ただ、周りの友人は兎も角、家族…特に子どもはキツイよな。この母親の価値観の押し付けっぷり。今ならば、毒親、ヘリコプターペアレントでしょうか。続きを読む

    投稿日:2019.05.23

  • るな

    るな

    最近、人気?図書館も予約が沢山入ってたから
    購入しました。
    人が殺されるわけではないけど、人間の
    内なる恐怖。自分自身の悪いところと向き合う
    のはとても怖いと思う。でも主人公のような
    自分勝手さは誰にでもあることだと思う。
    それもまた怖いけど……。
    続きを読む

    投稿日:2019.05.17

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