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池内紀 / 新潮社 (2件のレビュー)
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「かあさん」
序文に「人と作品のつながりのなかに一つの切れ目を入れてみた。断面を通して、たえずせいせいしたものがはっきりと見えてこないか。(略)ひとことにしていえば『創造のへその緒』であって、それをそっとさぐってみ…た」とある。 取りあげているのは文学史上大きな存在感を示している12人の作家たち。親しんだ作家たちのとらえには納得。よくは知らない作家たちのこともそうかと思わせられる説得力があった。 なかなかおもしろかった。続きを読む
投稿日:2011.07.26
peperoni
これはドイツ文学者あるいはエッセイストや作家としても知られる池内さんが、これまで好んで読んできた12人の高名な作家、詩人、歌人の創作の源泉をいくつかのキーワードを元に探っていく作家論。作品を生みだして…いく背景や創作の源泉となった「モノ」を、生い立ちや作品そのものから巧みに取り出し、それに著者独自の分析を加えている。著者によって言語化されたそれぞれの作家の「モノ」はキーワード化され、その作家の特性を見事に表している。取り上げられているのは、「織田作之助―夜店めぐり」、「稲垣足穂―ヒコーキとパノラマ」、「谷崎潤一郎―乳首憧憬」、「与謝野晶子―髪・髪・髪」、「宮沢賢治―お経の力」、「佐藤春夫―水辺の風景」、「石川淳―遊民ぐらし」、「三好達治―軍人精神」、「高村光太郎―首の像」、「中野重治―村の文体」、「山本周五郎―路地に迷う」、「開高健―飢えに憑かれて」の12編。抜群に面白い分析が加えられているのは、この中で「宮沢賢治」と最後の「開高健」であった。続きを読む
投稿日:2011.07.06
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