【感想】壬生義士伝(上)

浅田次郎 / 文春文庫
(425件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
237
111
50
2
1
  • 当たり前のことが実はすごいこと

    主人公吉村貫一郎は新選組で人を斬らなければ、家族を養うことができなかった。いつの時代も男はつらいよと思ってしまう。読後、私は今の日本に生まれて幸せだと感じた。どれだけ貧しくとも、人を殺したり、殺されたりということがないからだ。当たり前のことが、実はすごいことだと認識させられた。続きを読む

    投稿日:2015.03.22

  • 家族と故郷への愛に泣ける

    関係者への聞き書きという浅田氏お得意の手法で語られる、新撰組隊士・吉村貫一郎の生き様を描いた物語です。
    教養も剣の腕前もありながら、身分の低さゆえに脱藩するしか生きるすべがなかった吉村。彼の最期の「おもさげながんす(申し訳ありませんの意)」のセリフから語られる回想シーンは、もう帰れない故郷、常に気にかけていた家族への愛にあふれていて涙なくしては読めませんでした。
    本音はどうであれ思想や矜持を理由に戦う武士が大半だった中で、生きる為・家族の為ということを隠さなかった吉村の在り方はあの時代では異色で、家族を養うために仕事に打ち込む現代のサラリーマンを見ているようでした。
    新撰組モノというよりも家族小説の趣きがあり、時代小説になじみがない方にも、この本は是非一読をオススメします。
    続きを読む

    投稿日:2014.07.10

  • 新選組には萌えないけれど、かっこいい男もいた

    京都護衛のための最高治安機関京都守護職直轄の組織だった新選組は、その戦闘能力と権力によって、その本来の役目から逸脱した行為も多かったと言われています。ピーク時には200人にも及んだ隊員たちの中で、史実としてはほとんど語られていない人物吉村貫一郎を描いた本書。貧しい禄しか得られない藩を脱藩し、新選組に入った吉村は、家族への仕送りのためただひたすら戦い、金のために人を殺す守銭奴とまで言われながら、頑なに自らの信念を曲げませんでした。新選組の生き残りや関係者の回想という構成で、吉村が貫いた、愛する人のためにという行動力、生き様にどうしたって目頭が熱くなってしまいます。家族を持つお父さん、父親という存在を考えたい方にぜひ!続きを読む

    投稿日:2013.09.20

ブクログレビュー

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  • のぞみ

    のぞみ

    ずっと読了出来なかった壬生義士伝(上)。
    読み進めると、吉村貫一郎の第一印象からどんどん遠く深く離れていく。
    視点ごとに違う彼の印象と、近しい者だからこそ知る素顔がきちんと明確になっていて、何を書いて何を書かざるべきかという視点の大切さが少し分かったような気になる。
    続けて下巻も読み進めていこうと思う。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.06

  • ちかち

    ちかち

    このレビューはネタバレを含みます

    新撰組のことは知っているけれど、吉村貫一郎という人物のことは知らず読み始めた。
    初めの方では守銭奴、剣豪でかつ学もあり脱藩し、妻子のために遠く離れて稼ぎ…というイメージ。
    彼に対してはそれだけの印象だったのが、関係各者へのインタビューが進むにつれ、彼の人となりが少しずつ解ってくる。
    そして、吉村貫一郎への情も少しずつ深まってきたところで、下巻へ続く。
    これからどう語られていくのか、凄く楽しみになってきた。
    吉村貫一郎の生き様に、惚れつつある。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.26

  • sambo0217

    sambo0217

    吉村貫一郎が描写の通りの人なら、その人柄の良さに好きにならざるを得ない。全てのエピソードが涙なしでは読めない、素晴らしい一冊に出会えた。
    新選組っていう乱暴で変質的な集団の中に、こんな人がいてほしいと思う。

    いざ下巻へ。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.15

  • jyunko6822

    jyunko6822

    このレビューはネタバレを含みます

    盛岡藩を脱藩し、家族の為に命をなげうった男のそしてその周りの人たちをも呑み込んでゆく歴史の波。
    新選組のこと、明治維新のこと、知っていたようで今まで何も知らなかったということがわかった。
    涙なくしては読めない小説。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.03

  • よすお

    よすお

    泥臭く人間臭い新撰組を描いた名著。
    良くも悪くもお涙頂戴、浅田節。
    忙しない日常を過ごしてるとたまに読みたくなるんだけど、現実との温度差に風邪ひきそうになる笑
    こんなふうに生きられたらねぇ。

    投稿日:2024.02.23

  • Bookrium

    Bookrium

    新選組を題材にした作品は数あるけれど、明治の世になってから関係者に中堅の隊員であった吉村貫一郎について語らせることで当時の雰囲気を掴んでいくという構成は非常に斬新です。
    また維新前をスター軍団ではなく最初から時代の捨て駒のように描いている作品も珍しい。
    ここまで充実した内容にしてまだ半分。後半も楽しみです。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.23

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