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樫出勇 / 光人社NF文庫 (4件のレビュー)
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のり
このレビューはネタバレを含みます
眼前に迫りくるB29の巨大な機体に三十七ミリ砲の引金を引くーー。対大型機用に開発された二式複座戦闘機「屠龍」を駆って、“超空の要塞”に挑んだ陸軍航空のエースが綴る感動の空戦機。日本重工業の中枢・北九州に襲いかかるB29と本土防空隊との熾烈な戦いの日々をとらえた迫真のドキュメント。 (1998年の刊) 第一章 初激撃 第二章 不惜身命 第三章 開眼 第四章 激突 第五章 嵐の前 第六章 怒濤の敵 第七章 突進 第八章 屈辱 第二次大戦中末期、日本はB29の戦略爆撃になす術がなかったというイメージが強かったが、本書を読むと意外に健闘していることがわかる。 著者によると来るべき空襲に備えて、捕獲したB17を使い高度7,000~9,000mの高空で空戦訓練を始めていたという。装備の不備を気力と訓練で乗り越えるというのがいかにも日本軍らしい。 少なからず敵機を撃墜するものの、度重なる空戦で日本軍は消耗を深めていく。逆に米軍は戦力を増強する。日本軍機が機体をぶつけてまで空襲を阻止 しようという志には畏敬の念を覚えるが、不合理な物を感じる。「帰ればまた来れる」という考え方の方が私は好きだ。 かつて日本の空で苛烈な防空戦が行われていた事を忘れてはいけまい。
投稿日:2013.09.03
mothra-flight
愚鈍で精神主義でどうしようもないといった、陸軍航空のイメージを完全に払拭する名著。無線を縦横無尽に駆使し、地上の高射砲部隊との連携の元、高々度にてB29と死闘を繰り広げる屠龍とその搭乗員たちにほぼ全て…筆を割いており、日本がどうしたアメリカがこうしたといったことは一切書かれていない。だが、それがいい。繰り返すが名著である。続きを読む
投稿日:2012.08.12
うろ
本土防衛の航空機関係の書物を読むのが最近続いている。芙蓉部隊同様に夜間戦闘に長けた部隊。なかなか必要高度まで上がれなかったり、弾数が少なくすぐ補充しに地上に行かなくてはいけなかったりと不利な面も多い…なか、筆者のB29を26機撃墜という戦果は素晴らしい。 目の前で仲間が自爆したり体当たりを決行する場面は生生しさと筆者のショックの大きさに読んでいるこっちも言葉をなくす。 バッツリと話が途切れてしまうが、筆者の「これ以上語りたくはない」という言葉の重さが、答えそのものなのか。続きを読む
投稿日:2010.07.21
uronpoi
「屠龍(とりゅう)」という聞きなれない名前の戦闘機があったのをこの本ではじめて知りました。ゼロ戦とはちがって大砲のような機関砲を積み、太平洋戦争末期にB29を次々に撃墜していたという事実にびっくりです…。そのようすもナマナマしく、一読の価値有りです。続きを読む
投稿日:2007.06.08
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