博士の愛した数式

小川洋子 / 新潮文庫
(1547件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
554
533
335
26
2
  • 哀しくて、切なくて、それでも心温まる一冊

     小川洋子さんの代表作品の一つ。映画化もされた有名な物語ですので、読んだ方も多いのではないでしょうか。

    【内容情報】(「BOOK」データベースより)
    「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていたー記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

     小川洋子さんの小説には、なんらかの障がいを持った人物が主人公として登場することがありますが、この物語も交通事故によって高次脳機能障害になったと思われる数学者が主人公として登場します。

     年老いた義姉が有する屋敷の離れに一人で住む彼は、記憶が80分しかもたないため身の回りの世話をするための家政婦が通っています。しかし、どの家政婦も長続きせず、義姉に次々と交代させられてしまいます。

     新しい家政婦として通うようになった「私」は、博士の数学に関する素晴らしい知識と愛すべき人柄に接していくうちに、息子とともに博士の”友だち”として心を通わせるようになります。

     静かで、穏やかで、少し哀しくて、でも心が温まるという結末が待っていますが、そこに至るまでの過程が丁寧に描写されていて、本を閉じたときに思わずため息が出てしまいました。

     名作はやはり読んだほうが良い。単純なことながら、あらためてそう思いました。皆さんもぜひ。
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    投稿日:2013.12.06

  • 優しさにすっぽりと包まれる

    優しく穏やかに進む物語
    何度読んでも同じように感動してしまう
    読後幸せな気持ちになりたいなら 是非!

    投稿日:2013.11.07

  • 純文学と数学と野球の三角関数

    沢山の伏線で、美しさと発見の喜びと喪失の哀しみの関係を結晶化させた作品。読んだときの自分の立ち位置(立場・経験・関心事等)によって見え方が異なり、何度も繰り返し読んでも、まるで新しい作品に出会ったかのような気持ちになれると思います。

    評者の場合、新しいことを記憶できないことの辛さに寄り添そうと、痴呆に苦しんだ祖母のことを想いながら読みました。

    小川さん、美しい作品をありがとうございます。
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    投稿日:2015.10.04

  • 心があたたまる

    なにげなくすぐ読めそう、っと買って読んでいるうちに自分でも知らずに涙がでてきた。くすっと笑ったり、せつなくなったり、なんとも心が温まる本である。情景まで浮かんでくる。また読み返してみたくなる部類の本。

    投稿日:2013.10.02

  • 小川さん独特の慈悲深い文章がたまらない

     ストーリーそのものに何か大きなトリックやどんでん返しがあるわけでもないのに、その文章の暖かみにグイグイ引き寄せられます。数式ネタは数学者の藤原正彦さん(「若き数学者のアメリカ」は、僕の青春の一冊!)によるものだそうですが、一つ一つのエピソードが光っている。
     色々な描写から、舞台は岡山なのだろうと思わせるところは、地元民にとってはツボです。
     全てが変わった日、1992年9月11日。忘れもしない阪神×ヤクルト戦(甲子園)の、八木の幻のホームラン・・・。 阪神ファンには忘れられない9.11を小説のターニング・ポイントに設定しているところもツボでした。
     読むだけで清涼な気持ちになれた一冊です。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.04

  • 読み返したくなる

    数式と言う小難しい題材を用いながら、自然に読ませてくれる。素数が好きになる。3人のことが好きになる。特に野球の試合を見に行ったときの博士がいい。読んで損はない作品。

    投稿日:2013.10.09

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ブクログレビュー

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  • すー

    すー

    80分しか記憶が持たない数学者とその家に雇われることになった家政婦とその息子との関係を描いた物語。数学に苦手意識を持っている私でも、博士の紡ぎ出す数学の物語は美しく感じられ、味気ないと思っていた数学がこんなにも色鮮やかに物語を彩るのかと思わされました。続きを読む

    投稿日:2019.10.13

  • sasara

    sasara

    記念すべき第1回本屋大賞受賞作 初めての小川洋子さん。交通事故で80分しか記憶が持たない数学博士とシングルマザーの家政婦さんと10才の息子さん。美しい数字と愛する阪神を巡る心暖まるストーリー。素数、友愛数、三角数、虚数、フェルマーの最終定理、オイラーの公式。数学嫌いになる前に美しい世界を知りたかった。続きを読む

    投稿日:2019.10.09

  • Kenny

    Kenny

    友愛数
    完全数
    過剰数
    不足数
    聞いたことない単語がいっぱい
    1-1=0を美しいと感じたことはなかった
    まさに数学と文学の結婚。

    投稿日:2019.09.27

  • kikirumi

    kikirumi

    泣かせるような大きな場面もなく、終始穏やかな日々として書かれているのに、最後は泣いてしまった。
    文章も読みやすく、半日で読了。

    投稿日:2019.09.23

  • ひでぽんZ

    ひでぽんZ

    学生時代にこの物語と出逢っていたら、きっともっと真面目に数学を勉強してみようかなぁって思ったかもしれない。
    優しい元数学者と優しい家政婦さんと優しいその息子のなんとも暖かくて、でも切なくてなんとも言えない素敵な物語だった。続きを読む

    投稿日:2019.09.22

  • 茶葉の渋み

    茶葉の渋み

    宝探しの様な本だった。
    物語は家政婦とその息子、依頼元の博士でほぼ構成される。数字と阪神タイガースという異色のキーワードで関係が築かれ、読者はその様子を淡々と観察する。物語のどんな要素も三人の関係に波風をたてないが、同じように三人の関係を明瞭に定義しない。時には家族であり、友人であり、そしてまた敬愛の対象であったり、家政婦から博士へのわずかな慕情も汲み取れたりする。
    作者の意図に沿うかは別として、一つ一つの文言を拾い、目を凝らし…という時間は宝探しのようだった。静かに、楽しめた。
    続きを読む

    投稿日:2019.09.04

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