【感想】しゃべれども　しゃべれども

登場人物の性格、心の動き、情景の描写どれもが緻密で繊細ですぐそばでみているようだった。
特に三つ葉の噺の前は、自分の出番待ちかのように気持ちが高まって、だけど身体が重くて心臓が締め付けられた。早く早く…とどんどんページが進む。
本を読んでこんなに感情が同調してしまったことはないかも。続きを読む

私も言葉を仕事にしてきたが、相槌のタイミング一つで
言葉のニュアンスは変わってしまう。
言葉の使い方がうまくて、しゃべり手の気持ちが伝わる

母親から薦めてもらった本。とっても面白かった！
ひょんな経緯で落語家から落語を習うことになった人たち。みんなキャラがいきいきしていて、一つ一つのエピソードも面白くて夢中になって読んだ。

話すことにトラブルを抱えた4人が、話しのプロである落語家に弟子入りして成長する物語。
4人の性格、原因も色々で、生活に支障が出るぐらいな上に、師匠である落語家で二つ目の今昔亭三つ葉も失恋で話せない状況…に。5人の関係もお互いコミュニケーションが取れずに暗い状況が続く。
強烈な個性を持ったメンバーが変われるかどうか。徐々に関係が改善して行き、最後は皆んなで落語の発表会。全員が改善したわけでも無いが、何とかハッピーエンドでホッとした。続きを読む

温くて、ほっこり良いお話です。それにしても終盤のラブシーンは
ダサい。最悪のオチ
装飾文がやたら多くて目障り

〇ボス猿の暗殺計画を思いついた小猿のよう
〇
泉から清水がさらさらとこぼれる様に透明な自…然な笑い続きを読む

「どんなに優秀でも、欠点や弱点が全く無いように見える人でも、必ずどこかに劣等感を抱えている。ひそかに何かにおびえている。自分が人よりダメだと感じたり、きっとうまくいかないと思って体がこわばったり。『し…ゃべれども　しゃべれども』には、しゃべることにかかわる劣等感を持つ人たちが登場する。師匠に「お前の落語はおれの真似だ」と言われた、26歳の落語家。緊張すると言葉に詰まってしまい、好きな仕事を失いかけている青年。素直な気落ちを言葉にできず、人づきあいが苦手な女性。生意気な口の利き方のためか学校で浮いている10歳の少年。マイクを前にすると無口になり、まともな野球解説が出来ない元プロ野球選手。5人はいがみ合ったり、支え合ったりしながら、それぞれの問題に向き合う。
　何に、どんな劣等感を持つのかは、その人の個性そのものなのだ。それが人間的な魅力や味わいとなって輝くこともある。自信を持てない人、自分を好きになれない人におすすめの一冊。」
（『いつか君に出会ってほしい本』田村文著 　の紹介より）続きを読む