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開高健 / 文春文庫 (1件のレビュー)
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総合評価:
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tikuo
戦中戦後の騒乱を駆け抜けていく、恐らく開高少年の生き様で自伝的小説。"的"はいらないか。 戦中の鉄道整備をしていた少年時代を書いた第一部は、第二部以降にくらべて、独特の熱に浮かされたような文体である…。戦後の第二部以降は、綱渡りをするような、スリリングな唯一無二の人生を描く。 第一部は読みやすいが、第二部以降は結構読みにくい。特に死体についての会話や改行のない情景の羅列は、内容も伴って、なかなか読み進めることが難しい。 かといって難しくて読みにくい文ではない上に、ついグイグイと引き込まれてしまって、電車の乗換えを忘れてしまいそうになるほどである。 また、当時の世俗を表すものとして、ステレオタイプではない当時の流行語などが、会話に挟まれている。これが非常にすばらしい。登場人物の行動が一気にみずみずしいものとなり、キャラクターが立ってくるのだ。 よく考えて見れば、最近の小説ではそういった「無駄な会話」が行われるのは稀なのではないか。続きを読む
投稿日:2015.05.01
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