【感想】寝ながら学べる構造主義

内田樹 / 文春新書
(308件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
96
110
63
9
1
  • 正しい日本の(インテリ・リベラル)おじさん

    フランス現代思想と武道論(合気道の師範としての顔もある)を専門に、
    大学を退官した今は凱風館という私塾を経営する内田樹。

    内田は、「正しい日本の(インテリ・リベラル)おじさん」という立場から、
    様々な発言をブログやツイッターで行い、橋下徹大阪市長批判など、時にそれは論争も呼んでいる。

    本書は、そうしたブログ的な時事の話題ではなく、専門分野である哲学・思想の領域のお話し。
    くだけた口調で徹底的に論理的な内田が語る、現代思想の基礎とも言える構造主義は、つまるところこういうことらしい。

    “レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており,バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており,
    ラカンは「大人になれよ」と言っており,フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした”

    戦後レヴィ=ストロースによる実存主義批判から構造主義はその地位を確立。
    絶対普遍的な関係はなく、構造同士の関係性から様々な状態が決定される相対主義へ。

    あなたが絶対に分かり合えないと思っているあの人も、
    ある構造の中でその振る舞いが行われていることに気づけば、
    内田樹ばりの俯瞰と落ち着きで対応できるかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2015.03.12

  • 「なるほど」となるのが快感

    岡田斗司夫氏との共著「評価と贈与の経済学」を読んで以来気になっていた内田樹氏の著書。
    構造主義に興味があったわけではないが、読み始めると翻訳文では何を言っているのかさっぱりわからないニーチェらの哲学的な主張も、独特のわかりやすい例えを引き合いに出して説明しているため、何となくわかった気になる。続きを読む

    投稿日:2015.08.05

ブクログレビュー

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  • ami

    ami

    次の一歩を踏み出したくなる分かりやすい書き方で、とても面白かった。構造主義を知るほど、「私」なんていないんじゃないか、と思えて、安心と恐怖が押し寄せてくる。

    投稿日:2024.04.04

  • チョコ山コロネ

    チョコ山コロネ

    構造主義って聞いた感じ何それ難しそうって感じだったけど、構造主義自体の基本的な考えは難しくないんだなってこれ読んで思った。

    投稿日:2024.03.31

  • sazuka

    sazuka

    随分前に買ってあったけど何故か読んでいなかった。
    内田樹さんの本はまえがきとあとがきが面白い。
    入門書は専門書よりも「根源的な問い」に出会う確率が高い、そう言われると、この本で根源的な問いに出会えるかもしれない、という期待が膨らむし、何より「私が知っていること」より「私が知らないこと」を中心に描かれている、のだ。
    寝ながらわかった、とは言わないが、楽しく読める本だった。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.20

  • noguri

    noguri

    特に「構造主義」なんてものには全く興味がないのですが、
    ちょっとしたきっかけでこの本を読む機会を頂いたので、
    ナナメ読み。

    タイトル通り「寝ながら」読んでみました。
    が、そのまま「寝てしまう」くらいの難易度。
    決して、歯が立たないってことはないですし、
    著者が素人でもちゃんと理解できるように
    工夫/努力をしている痕跡は感じましたが、
    それでも自分にはちょっと難しかったです。

    とは言え、自分なりの発見もありまして、
    この手の本は深井龍之介さんが「歴史思考」で語ってる
    新しい視点の獲得(自分の常識を疑う心)のことなのかな、
    ということです。

    ※世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4478112274#comment

    そういう意味では、哲学も歴史も似通っているのかな。
    面白くはなかったですが、気づきはあった本です。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.18

  • キじばと。。

    キじばと。。

    構造主義の入門書です。まず、現代思想の源流となったマルクス、フロイト、ニーチェについて、簡単な説明がなされたあと、構造主義の源流とされるソシュールの言語論が紹介されます。その後、構造主義の思想家であるフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの4人がとりあげられ、それぞれの思想についての解説がおこなわれています。

    ただし、本書は単なる概説ではありません。著者の目を通して、構造主義的な「ものの見方」が説明されており、いきいきとしたたとえを用いて、読者が構造主義に特有の考えかたを具体的に理解できるようになっています。

    著者は、難波江和英との共著である『現代思想のパフォーマンス』(2004年、光文社新書)も執筆しており、そちらでは「解説編」でそれぞれの思想家の基本的な考えかたを説明したあと、「実践編」で小説や映画などを例にそれらの考えかたをじっさいに作品の分析につかってみせるというスタイルが採用されていました。本書は、「実践編」として独立の章立てがなされているわけではありませんが、前著と同様のねらいをもった入門書ということができるように思います。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.13

  • でんでん

    でんでん

    構造主義が現代思想のひとつということも知らず勢いで手に取りました。「寝ながら」はもってのほか、1回では分からなかったので読み直しながら書いてまとめるまでしました。
    大枠がぼんやりわかったところで、もしや非常によくまとめられている本なのでは?と感じました。何もわからないのにもう一回読んでみよう、まとめてみようと思わせてくれたこと自体、良書なのだと思います。

    追記 
    他の本を読んでいて、この本で書かれていたなと思い出すことが多々ありました。自分にとって新しい視点をくれた本だと思います。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.10

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