【感想】姫椿

浅田次郎 / 文春文庫
(122件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
20
50
38
4
2
  • コース料理のような短編集

    前菜のようなファンタジーで始まり、次の表題作「姫椿」はスープのように体に染み渡る。
    三話目「再会」はちょっとホラーっぽいが、ポワソンとしての「マダムの喉仏」はなかなかの味。
    アントレ手前に「トラブル・メーカー」でちょっとリセット。
    アントレ「オリンポスの聖女」はしっかりとした味が噛みしめるほど来る。
    シャレの利いている「零下の災厄」の後、口に運ぶまで予想しなかったくらい甘い味が広がるデセール「永遠の緑」。
    ごちそうさまでした。

    良くできた短編集です。ちょっとジャンルがあっちコッチするのでビックリしますが、コース料理と捉えればなかなかどうして良いシェフに出会えたものです。
    短編集だけれども、一気読みをお奨めします。
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    投稿日:2018.02.16

ブクログレビュー

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  • aqua

    aqua

    このレビューはネタバレを含みます

    短編集の読みにくさというものが全くない。どの話も最初の数行から1ページ読む頃には、主人公がどんな人物であるか、これがどういった場面なのか、すぐ把握できるようになっていて、読むほうにもストレスがない。設定もさまざまなのに分かりやすく、構えずに読んでいける短編集だった。
    色んな人生があるなぁと思わされる深みもある。
    最後の話でなんだか心が暖かくなった。夫が亡き妻を思う愛、娘が父を思う愛、こんな愛は素敵だなぁと素直に思った。父と娘、二人とも無理をしないでこれから幸せに暮らしていけるのだろうと思うと私まで朗らかな気持ちになった。

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    投稿日:2023.09.01

  • 美華恵

    美華恵

    短編集はあまりすきではないのだけれど、
    これは、好き。

    なんだか泣けてきてしまったり。

    うちにあったのだけれど、誰が買ってきたのだろう…?
    本は、出会い。
    呼ばれるものです。

    投稿日:2023.07.30

  • タロ

    タロ

    不幸の分だけ、ちゃんと幸せになれるよ。
    ほんとだよ。
    獬(シエxie)

    現実もそうだったらいいのに、と思うけど、そんなわけにもいかないのかな、と思いました。

    幸せかどうかは、自分で決める
    大切なのは″今″なんだよ

    という、ねずこの台詞を思い出しもしました。
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    投稿日:2023.07.09

  • yuuminanami

    yuuminanami

    これまでに読んで来た作風とは異る作品を収録した藤子不二雄か重松清かと思わせる短編集。
    見方によってはホラーと解釈できる作品もある。
    「姫椿」の風呂屋のシーンは良いねぇ。浸かりたくなる。
    「永遠の緑」のようなストーリーは別の作品にもあったな。
    「獬」★★★
    「姫椿」★★★
    「再会」★★
    「マダムの喉仏」★★★
    「トラブル・メーカー」★★★★
    「オリンポスの聖女」★★
    「零下の災厄」★★
    「永遠の緑」★★★★
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    投稿日:2023.06.30

  • ゆくん

    ゆくん

    生き物の死を通して生き方を考えさせられる短編集。好きすぎて何回も読み返しとる。

    先週観た『灼熱の魂』の、"死は痕跡を残す。物語は終わらない"的なセリフが印象的で好きなんじゃけど、この短編集のコンセプトもまさにそれ。残された側は悲しいけど、その人の人生は続いていく。死と向き合って何を感じて、その後どう生きるか。

    いい意味で、人は死んだら終わりじゃないんだって気づかされる。
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    投稿日:2023.03.23

  • 松子

    松子

    初めての浅田次郎さんの作品。
    全8話からなる短編小説。

    この小説すごい…何が凄いって読んでる時の
    心の振れ幅が。まるでジェットコースターのよう。
    (↓ネタバレごめんなさい!)
    感動いっぱい涙涙で読んでいたと思ったら、ある男性の不倫とパラレルワールドの告白、かと思ったら素敵なゲイの一生、かと思ったら奥さんを寝取られるお話。やっぱりジェットコースターだ♪

    その中で特に大好きなのは、

    1話『シエ』
    中国の伝説の生き物『シエ』が出てくるお話。
    なんて切なくて心温まるお話だろう。
    読んでると自然に涙が流れてきて、
    自分の幸せって何かなって考えさせられる。

    2話『姫椿』
    その日、自殺しようとする男性が
    昔通った銭湯に偶然たどりつきお風呂に入る話。
    読み終わった後の余韻が素晴らしかった!

    8話『永遠の緑』
    父、娘、その彼氏のお話。このお話大好き‼︎

    あと…、不謹慎なのですが、
    1話以外、ほぼ男性目線のお話なので
    なんだか、男性の知られたくない心内を覗き見しているような気分になって、そんな自分に気付いて笑ってしまいました。

    次はどんなお話だろう、次は?その次は?とワクワクしながら読み進めた。
    楽しかったぁ(^^)
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    投稿日:2022.02.09

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