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今野敏 / 集英社文庫 (68件のレビュー)
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総合評価:
老眼の本読み
空き時間に、気楽に読めますよ
各短編が、ちょうどテレビの水戸黄門のように、同じパターンでストーリー展開されます。 しかしながら、それぞれの内容は面白く、読み出したら最後まで飽きのこない内容となっています。 通勤電車等での空き時…間に、気楽に読むのにちょうど良いと思いますよ。続きを読む
投稿日:2017.10.19
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ashisas
このレビューはネタバレを含みます
基本的に「存命している日本人作家」の小説はほとんど読まないのだが、父親に勧められて手に取ったところ、想定外に面白くて1日で一気に読了。 乃木坂にあるテレビ局、TBNの報道局に所属する遊軍記者、布施京一が本作の主人公。出世欲は恐らくなく、記者らしいガツガツした勢いもない飄々とした布施は、独自の取材(と言うのも怪しいぐらい、仕事らしい仕事をしていないように見える)で次々とスクープをものにし、自身が所属する夜のニュース番組「ニュース・イレブン」に特ダネを提供し続ける。しかし、スクープ連発そのものには興味を示すようにも見えず、それを誇る雰囲気もない。何とも不思議な「マスコミの人」。 本作は短編集で、1作品は40ページ程度。最後の7作品目だけは70ページほどのボリュームがあるが、どの作品も30分あれば一気に読み切れる。短編ならではの登場人物や設定、背景の浅さはやむを得ないが、事件の端緒から発展、落着に至るまでのスピード感があり、どれも楽しい。 布施が本作の7つの短編で手に入れたスクープは、中堅俳優の麻薬使用現場、政治家の不正融資と女性タレントの殺人、台湾マフィアと中国人不良グループの大量検挙、女性タレントを殺した暴力団員の逮捕、郵政官僚と暴力団の癒着、ホステス殺人の容疑者逮捕、渋谷で薬物を売りさばく南米の麻薬グループの検挙と、どれも現実にありそうなものばかり。扱う題材にリアリティを持たせ、ドラマのようにスリリングに物語が展開するので、息つく間もなく最後まで持っていかれる。 布施を取り巻く人たちも個性的。警視庁捜査一課の黒田刑事、布施の上司にあたる鳩村デスク、ニュース・イレブンでダブルキャスターを務める鳥飼と香山、布施とは対照的にマヌケな三枚目を演じる新聞社の持田。脇を固める登場人物の造詣が深く、魅力的だからこそ、こういうジャンルの小説は面白くなる。 短編だけだと物足りないと思ったところ、続編となる『ヘッドライン』や『クローズアップ』は300ページ超の長編。短編でも長編でもどちらもいける、というシリーズは決して多くない。実は既に両作品とも読んでしまったのだが、続編に比べると黒田との関係は若干ギクシャクしている。やり取りする口調も、続編以降の布施に比べるとやや荒く、行動も危なっかしい。短い物語の中に起伏を起こすとなると、自然と口調や事件が荒っぽいものになってしまうのかもしれず、このシリーズはどちらかというと長編のほうが向いていると思われる。
投稿日:2023.04.28
まゆち
今野さんの作品を初めて読みました。 黒田さんと布施さんのやり取り好きです。 続編が出ているようなので、そちらも読んでみたいです。
投稿日:2023.03.21
pukuchans
TBNテレビの遊軍記者布施京一が危険な目に遭いながらもスクープをものにしていく。 短編集です。 ここに出てくる香山恵理子はガツガツしててあまり好きになれないけど。
投稿日:2022.12.10
ひゃっほう
かつて好きだった人がよく読んでいた、今野敏。 特に避けていたわけではないのですが読みたいと思う作品も特になく(どれを読んだらいのか分からないというか)その人と会わなくなって1年以上経ってふと図書館で…目にしたので読んでみました。 15年くらい前のものなんですね。 一言でいうと、男性が好きそうな作品です。 余計な心理描写がなくて、ちょっと都合良すぎる感じで話が進んで、ちょっと色っぽいシーンの描写もあって。で、勧善懲悪。 7つの短編で構成されています。 いずれもニュース番組の記者・布施が独自の取材方法で、事件の真相をスクープする、という内容。 先日読んだ東野作品同様、こちらも娯楽の趣が強く、 何かが残るものではないのですが、東野作品との違いは娯楽に徹しているから、中途半端さがなくて不快ではありません。 それにしても、主人公が好きだった人の雰囲気とそっくりでびっくり。。 他の作品も読んでみようかな、と思います。 読みやすいので、時間潰しにはおすすめ。続きを読む
投稿日:2022.10.10
夕芽
面白かったー。 こんなこと現実にはないだろうとは思いながらも、ぐいぐい引き込まれてサックサク読めてしまう。 布施ちゃん、いいです。 『スクープ』 今野敏 (集英社文庫) 布施京一は、東都放送ネットワーク、通称TBNの報道局社会部の記者である。 夜11時のニュースショー「ニュース・イレブン」専属の遊軍記者なのだ。 ただし素行にはかなり問題あり。 毎日毎夜、新宿や渋谷や六本木を遊び歩き、寝不足か二日酔いで会議に遅刻、上司の小言をのらりくらりとかわし、趙マイペースでつかみどころのない男。 しかしながら、彼が抜いたスクープは数知れず。 独自の取材方法と人脈で、事件の真相を掴む手腕は鮮やかだ。 夜の街は彼にとって大切な情報源なのだ。 「ニュース・イレブン」のキャスター、鳥飼行雄と香山恵理子は、そんな布施に一目置いている。 デスクの鳩村昭夫は、「布施はまた遅刻かー!」が口癖になってしまっている苦労人で、真面目一本やりな男。 日々布施に振り回され文句を言いつつも、実は彼の実力を認めている。 布施はみんなから布施ちゃん布施ちゃんと呼ばれ、なぜか周りの人に愛される不思議なキャラなのだ。 シリーズ二作目以降は長編だが、この一作目『スクープ』は、7編からなる短編集だ。 そのせいか、一話完結のドラマを見ているかのようなテンポの良さと展開の速さで飽きさせない。 同じ記者モノでも、媒体が新聞ではなくテレビだというのも大きいだろうね。 番組のオンエア中にスクープをぶっこむめちゃくちゃワイルドなスピード感は、ちょっと鳥肌モノだ。 起こる事件は結構濃い。 新宿歌舞伎町事件簿!密着警察24時!みたいな。 芸能人や政界の大物や暴力団が複雑に絡み合う殺人。麻雀賭博に台湾マフィアの抗争。外国人や高校生に蔓延するドラッグ。 時代背景はかなり古い。 バブル崩壊のあたりかな? 住専問題とか出てくるし、大蔵省や郵政省がまだあるし。 アルマーニのスーツ。社員証を安全ピンで胸に留めているというのも、何だか時代を感じさせる。 でも読んでいてあまり古臭い感じがしないのは、悪いことをするヤツが今も昔もあまり変わっていないということなのだろう。 第五章の「役員狙撃」はややこしかった。 当初、被害者は総会屋絡みで暴力団に撃たれたのだと思われていた。 が、実は驚くべき裏があり……という話だ。 まさに、ザ・報道! なのだが。 ほころびの出どころが“布施ちゃんが被害者の息子に遊ばれた女子大生から飲み屋で聞いた話”だっていうんだからまったく。 謎に広すぎる人脈…… この硬軟とりまぜの感じが何ともおかしい。 さらに、もう一人の主役と言っても過言ではない、警視庁捜査一課の黒田部長刑事がまたいい味を出しているのだ。 この二人のコンビネーションがほんと楽しくって。 いや、見た目はむしろ仲が悪そうなんだけど。 布施ちゃんが黒田さんに勝手に懐いているというか。 失せろとかどっか行けとか邪険にしつつも、何だかんだ黒田は布施を信頼しているし、他人には入り込めないこの二人の不思議なバランスが、読んでいて気持ちいい。 いつもスレスレのところで危ない取材をしている布施は、当然のことながら、かなりの確率で事件に巻き込まれる。 大体がヤクザに連れ去られそうになったり、囲まれてボコられるパターンだが、大怪我をする前に必ず黒田刑事が助けに来てくれるのだ。 布施は組織の枠におさまることのできない人間だが、決して狷介孤高というわけではない。 記者としての矜持を心に持ちつつも、ゆるゆると水のように流れる柔軟さがある。 人懐こさや気負いのない振る舞いで、彼はいとも簡単に人の警戒心を解いてしまう。 愛すべき自由人。 このシリーズ楽しみだなぁ。 そんなわけで、次は第二弾「ヘッドライン」!
投稿日:2022.08.14
masato
面白かった 7編からなる短編連作ストーリ。 「ヘッドライン」としてシリーズ化される前の作品。 ここで描かれる主人公布施はすごくて、かなり危険な目にあいます! ストーリとしては TBNテレビの報道番組…「ニュースイレブン」の遊軍記者の布施と捜査一課の黒田刑事との物語。 ■スクープ 芸能人の覚醒剤パーティネタ 現場でヤクザたちに追われるも黒田刑事登場 ■傷心HEARTBREAK 女性芸能人が玉突き事故で死亡。事故か殺人か? ここでも布施は拉致されかけます ■遊軍記者 中国人がらみの抗争 六本木のクラブで働くミンミンとの遊びからのネタ ■住専スキャンダル 大蔵省の官僚、高級デートクラブ、ヤクザと完璧な構成(笑) ■役員狙撃 電気会社の役員狙撃、犯人は?その真相をスクープ ■もてるやつ ホステス殺しの真犯人のスクープ ここでも囮のようなことをやらされて犯人逮捕。 ■渋谷コネクション 女子高生のドラッグ売買。その真相までたどり着いたところで、女性キャスター含めて拉致されます。さてどうなる... 本作では、布施はかなり危ない目に合っていますが、何とか救われている感じ。そしてそれがスクープにつながるという展開です。 エンターテイメントとして楽しめます。 ドラマになったら見てみたい。続きを読む
投稿日:2022.07.02
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