【感想】午前三時のルースター

垣根涼介 / 文春文庫
(126件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
19
56
43
2
2
  • 午前3時のルースター

    少し読んでは間が開き 時間がかかってしまいました。行方不明になった慎一郎の父親は 果たして無事なのか…。命さえ危ぶまれながら ようやく父親にたどり着いたもののー。待っていた真実は 息子の慎一郎に取っては なんともヤりきれないモノでした。 裕福であっても、愛情を感じられない生活で、利口な優等生を演じ続けなければならなかった慎一郎の 心情を思うと苦しくなります。大人になるしかない慎一郎。 この先、愛情に包まれた家庭を持てる事を祈ってやまないです。続きを読む

    投稿日:2017.06.09

ブクログレビュー

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  • YURIKO

    YURIKO

    このレビューはネタバレを含みます

    面白かったー!
    登場人物が魅力的に描かれてるのがまず良かった。主人公の長瀬は器用で何でもそつ無くこなす感じ。でもそんな自分について理解もしてるからたまにちょっと嫌になるという人間らしさもある。
    もう1人の主人公とも言える少年、慎一郎も16歳とは思えない冷静さで子供ならではのうるささ、青さみたいなのがほとんど感じられず(彼の生まれ育った境遇によるもの)もしかしたら不自然というかこんな子供いないのかもしれんけど…読んでるぶんには無茶なことしたりせんからイラつかされんで良かった。
    ベトナム現地の運転手のビエンや娼婦のメイ、長瀬の友人(と素直に言えるのか分からんくらいには仲良しこよしって感じの関係性ではないけど)の源内…皆それぞれ個性的で好感持てた。

    魅力的なのはキャラクターだけじゃなくて話の内容も。次々先が気になってあっという間に読めた。時間としては3時間近くはかかったけど体感としてはあっという間。
    スリルもあるし長瀬の機転をきかせる場面もあるし、うっすらロマンス的な要素もある。
    長瀬は仕事もできるし人間的に頼りになるところが異性として魅力的やと思うから、最後メイとどうにかなるかな…とちょっと期待したけど実は彼女いましたーって言うのも妙にリアルやった。

    慎一郎の周りの大人たちは皆勝手やな、、
    皆親ではなく「男」であり「女」のままで…慎一郎なら大丈夫やと思って甘えてる。慎一郎だけは自分で自分の人生を選択することもできず雁字搦めになってて。
    最後は父親が彼に逃げ道を多少与えたけどそれだって死ぬ思いでこっちから会いに行ったからこそで本来は息子には一生会うつもりなかったみたいやし。父も母も愛情が薄いというか慎一郎を息子ではなく個々の人間というか守るべき相手としては見てない感じと言うか。
    それは今現在祖父が大きな力を持ってて経済的にも社会的にも十分に彼を守ってあげられると分かってるからこそでもあるんやろうけど…。
    全てを知った慎一郎の胸の内を思うとひたすら切ない。そして最後に父から渡された腕時計を窓から投げ捨てたのはちょっとスカッとした。
    慎一郎の今後の人生が幸多からんことを…と願わずにはおれんかった。

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    投稿日:2024.03.12

  • 朔

    デビュー作でこれを書けるのは、相当人間観察しないと書けないと思う。キャラクターや人物背景の設定がしっかりされていて、疾走感を感じられた。

    投稿日:2024.01.28

  • metamorphose21

    metamorphose21

    このレビューはネタバレを含みます

    骨太な主人公がかっこよくて、疾走感もあり、一気に引き込まれる作品。ベトナムやタイなどの、ちょっと雑然とした町に旅したくなる。ストーリーをすっかり忘れたころに、繰り返し再読したい。

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    投稿日:2023.09.19

  • やらまいか

    やらまいか

    本書で特に印象に残ったシーンが三つ。
    一番印象に残ったシーンは、父親を見つけながらも、日本に戻らないとする父親から何かの資金にもなると貰った高級腕時計を成田空港から自宅に帰る車中から息子が投げ捨てるシーン。
    二つ目は、エピローグの最後にある一番鶏ルースターの鳴き声に「この国、日本で鳴き声を聞かなくなってから久しい」と述懐するシーン。主人公の父親が妻子と過去を捨て、「動かせる明日がここにあるから」とベトナムに身を投じたいわくを暗示するシーンでもある。
    最後は、プロローグにある成田空港のパーキングに乗り捨てられた車に駐車場の親父が「日本に戻るより楽しいものを見つけたんだろ」「今の生活を放り出して手に入れたいものなんて想像もつかない」と述懐するシーン。
    混沌とした熱いエネルギー漂うベトナムを舞台とした謎解きの物語りに印象的なシーンを上手く配置した小説だなあと感じ入りました。
    父親がベトナムで描きたい人生は、妻子を捨てなくても出来たはずではないかとも思いつつ⋅⋅⋅⋅⋅
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    投稿日:2023.08.20

  • あなみりえ

    あなみりえ

    普段サスペンスは読まないが、今回もきっかけがあり拝読。

    最後まで読めたがあまり好みではなかった。
    作者の方が、車や時計などに詳しい方なのかなぁ?と思った。
    時々、ベトナムの歴史背景が書かれて興味深かった。
    物語の肝となる少年のことがあまり描かれていなかった。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.25

  • うめ

    うめ

    このレビューはネタバレを含みます

    ベトナムを舞台に居なくなった父を探す中で、仲間と事件に出会いながら真相を探っていく物語。
    設定はありふれているが、ベトナムが舞台というのが興味深い。ただスケールが広い割には幕引きがあっさりしていて、主役の1人のはずの少年の活躍や成長があまり見られなかったのが残念。旅を終えても少年がなんだか可哀想なままで、もやっとする。
    あとやたら主人公がカッコつけな設定なのはこの作家さんの好みなのかしら…

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    投稿日:2023.06.18

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