【感想】大空のサムライ

坂井三郎 / 光人社NF文庫
(33件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
19
10
3
0
0
  • これが空戦というものか~ただ一心に何かを考えていた。

     反戦でもなく、ましてや戦争礼賛でもありません。ただただ、戦闘機乗りとしての視点の戦記です。
     刻々と変わる戦況に対応して次々と下す判断。大局的な流れの中での死をも覚悟する精神。それらを支えるフィジカル能力。なによりも零戦パイロットとしてのプライドがここにあります。 生きるにおいて、このようなプライドを持って生きたいと思わせる一冊でした。続きを読む

    投稿日:2017.02.09

  • 感動!興奮!

    ベストセラー「永遠の0」を読んで、時代背景や零戦自体の話など、どこまで忠実に書かれていたのか興味が有り、エースパイロット坂井三郎さんが直接書かれたこの本を読んでみました。
    文体も今読んでも全く古臭くなく、離陸時の振動まで伝わってきそうなほど詳細な描写。パイロットの技術、想い、気分がどのようだったものだったかストレートに伝わってきます。
    宮崎駿の「風立ちぬ」やオリジナルエンジンで飛行可能な零戦が所沢で御披露目されるなど零戦が改めて注目される中、零戦に興味の有る方全てにお勧めです。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.29

  • 世界で100万部のベストセラー ゼロのエースパイロットが書いた渾身の事実

    激戦の記録を清々しく本物のゼロのエースパイロットが書いています。
    事実と独特の文章にぐいぐい引き込まれ、分厚い量も一気に読み進めます。パイロットとしての努力、研ぎ澄まされた技術や技巧とたぐいまれな強運によりあの悲しい戦争を生き残った人生を知り熱く深い感慨を胸に抱きました。
    最後のメッセージは現代人にあてたものとして刻み込まれます。
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    投稿日:2013.10.17

  • 第二の天性を育てるこそ、強み

    <こんな人にお奨め>
    ・漠然と戦争は悪いもので、思考が止まってる人。
    ・仕事や人生において、自分の壁にぶつかっている人。

    <こんな本>
    坂井氏が戦争中の半生である手記をしたためたもの。
    世界が坂井氏の存在を知らしめた本であり、「日本人だって人間なんだ」と、当事敵国だったアメリカに衝撃を与えた本。

    <感想>
    『「あとがき」に代えて』は絶対に読んで貰いたい。
    ドラッガーでも「自分の強みを生かす」が大切だと説いてますが、まさに坂井氏の半生はこれの実践でした。
    当事、レーダーがない戦闘機どうしの戦いでは、相手より先に見つけることが非常に大切です。

    いわゆる「視力の良さ」が強みなわけです。

    そういうわけで、視力が悪くなるような生活はしない。視力が良くなるように生活に目が良いものを取り入れたそうです。
    遠くの緑のモノを見るのが目に良いならば、時間を作って遠くの緑色のものを眺め。
    視力がよくなれば、昼間でも星が見えると聞くと、昼間に星が見えるように訓練を施すなど。
    (ちなみに、視力がよくなると昼間でも星を見ることができます。私は小さい星こそ見ることはできませんが、昼間の青空に浮かぶ白い影である月は見ることができます。視力が良くなると星もあのように見えるそうです。)

    視力の他にも、戦闘機で必要な能力があれば、日常の生活に取り入れていったそうです。



    また、心構えの点でも「1対15」という圧倒的劣勢でも、状況を冷静に分析することと「最後まで諦めない」ことが生き残ることができたと仰られています。

    「あきらめたら人生終了」の場面はそうそう体験はしないでしょうが、「あきらめたら試合終了」や「あきらめたら信用失墜」は生きている上で、そういう場面に遭遇するでしょう。
    「あきらめない」為にはどうすればいいのか? 

    やはり、日々、自分に自信をつけるための「自分の強み」を成長させる必要がある。

    これに、つきるのでしょう。
    続きを読む

    投稿日:2015.05.17

  • 必勝の信念から則天去私へ

    電子書籍化を機に10年ぶりの再読。
    初読時には息をのむ空戦描写に引き込まれて一気に読んでしまった。改めて読むと派手な空戦に隠れていたもっと深い内容が読み取れた。
    まず、必勝の信念とはどうあるべきかが理解できる。自らの命を賭して戦う男の必勝の信念は、その辺の薄っぺらな経営者が口先で「必勝の信念を以て取り組めば必ず成功、、、」などと宣うのとは全く異なる次元である。
    そして必勝の信念を持ってしてもどうにもならない戦況を前に、則天去私とも言える境地に達して行く様が伝わって来る。諦念ではなく、則天去私。
    すべての人に読んでみてほしい、お勧めできる一冊。
    続きを読む

    投稿日:2014.01.08

  • 大空のサムライ 坂井三郎

    名機零戦とそれを操る名パイロット坂井三郎さんがその壮絶なる戦闘体験を回想し書き下ろした戦記。物語は幼少時代から始まり、あの戦争へ突入して行くなかで様々な人との出会いから別れが繰り返す濃密な体験談でした。なかには戦友逹との笑いや敵軍との意外な交流もあり戦争の別の側面も伝わりました。読み進めるなかではいつの間にかその場その時代で一緒に生きて戦って戦友とも仲間になっているかのような気持ちになり何度も涙しました。当時の日本人の凄さと必死な努力と功績には本当に感謝します。続きを読む

    投稿日:2013.09.24

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ブクログレビュー

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  • ひろき

    ひろき

    このレビューはネタバレを含みます

    操縦者として一流である姿や、自身の中で軍人としてやらねばならぬことと人間としての良心の狭間での葛藤など、男としての魅力に溢れる方だと思いました。最後に敵よりも己に勝つことが一番難しいとあったのがまさにどの時代にも言えるのことだと感じました。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.01.23

  • ロッキー

    ロッキー

    戦争中の集団心理は偉大であり怖く感じた。死ぬ事に恐怖を感じない心理状態まで持っていく戦争の恐ろしさ。レベルは違うものの集団心理の強さを知り会社レベルでも使えるものと感じた。

    投稿日:2021.02.08

  • karayuri

    karayuri

    零戦パイロットとして幾度もの死線をくぐり抜け、戦争の第一線を駆け抜け続けた筆者の自伝。
    基本的に自信家で交戦的(戦争下であり業務なので当然なのだが)な主人公に共感しづらい点もあったものの、物語後半以降部下を持つようになり、厳しい局面においても自らは不安や焦りを表に出さず、ユーモアを見せて部下の気持ちを和らげるような気遣い、(高度が高く思考力が低下する地においても)非常時でも常に冷静であるべしという筆者の心がけは勉強になった。
    印象に残ったのは敵の死にざまの描写。パイロットは飛行機から射撃するため、はじめは自分が銃撃した相手がどうなるのかを見たことがなく現実味が薄かったのだろうが、乱戦が繰り返される中では敵と目が合うような至近距離での撃ち合いになり、相手に祈るようなジェスチャーをされて撃つ直前に躊躇したことや、自分が打ち落としたパイロットが海に落ちるや否や鱶に喰われていくさまを目の当たりにしたことなどは克明に描かれており、筆者の心に強く残ったことが感じられた。
    また物語が進むごとに仲間も1人また1人と戦死していくのだが、亡くなった上司部下同僚の名前や思い出がコメントされており、軍隊の家族のような絆の強さを感じた。
    戦中にも関わらず、敵に向かって連続宙返りを披露し、翌日米軍から称賛とも取れるレターを受け取った話はなんとも粋。こんなパイロットが日本にいたんだ、と誇らしい気持ちになれた。
    続きを読む

    投稿日:2020.02.20

  • たなたな

    たなたな

    飛行機や空戦に関する知識がなかったので、戦闘に関する描写はぴんとこないところがあったが、それでも、己の全力でもって戦い続け、生きた坂井氏の自伝には、読んでいてはっとしたり、励まされたり、明日から頑張るぞと言う気にさせられたのである。続きを読む

    投稿日:2018.03.31

  • yuzuchanman

    yuzuchanman

    ある程度飛行機の知識がないと、戦闘シーンなどはイメージが描けないだろう。ただ、専門知識がなくとも不撓不屈の精神だけはしっかりと伝わる。


    何があっても生きることを諦めるな。そんな強いメッセージを感じた。

    米軍パイロットに配布されていた本を、日本人が読まないわけにはいかない。

    全ての人にオススメしたい。
    続きを読む

    投稿日:2015.07.25

  • kalitan

    kalitan

    このレビューはネタバレを含みます

     零戦ブーム元祖といわれる本。零戦のデビューから最盛期の時代に活躍した戦闘機パイロットの体験記である。
     撃墜機数を競い合うスポ根気質で、敵機を見ると「むくむくと闘志が湧いてきた」という調子で屈託がない。撃墜すれば喜び、敵搭乗員の負傷を間近に見るとひるみ、同僚の仇討ちを誓うという気持ちをそのまま書いているあたり、まるでスポーツ選手の回顧録のようだ。空の格闘戦の詳細などは剣道の試合を思わせる。
     強靭な体力、精神力、鍛錬を至上とし、悪運強く生き延びた人の記録は、文学気質の者には決して書けない事実という意味で貴重だと思う。
     ただ、著者は戦争末期の苦しい時代を戦っていないから勝者のように書けるのだという批判は留意すべきだろう。アメリカの技術開発・改良によって零戦が時代遅れになりかけた頃、著者は負傷して第一線を退いている。
     太平洋戦争前半ではアメリカの飛行機も脆弱だったこと、硫黄島で初特攻から四ヶ月も前に体当たり作戦があったことなども興味深く読んだ。
     追記: この本を読むと開戦当初、アメリカの新型爆撃機が機銃を燃料タンクに打ち込まれただけで炎上したり、搭乗員が簡単に被弾したりと、脆弱だったことがよくわかる。零戦が二十ミリ機銃を積んでいるのも画期的だったそう。
     零戦がデビュー当時としては極度に防御軽視の設計だったわけではなく、やられるたびにタンクを改良し、エンジンを強力に、搭乗員を守る背板をつけ……と迅速に進化した米機と大きく差がついたというのが妥当だと思う。終盤で出てきたF6Fヘルキャツトなんて 写真を見たらどんだけ世代が違うの、って笑っちゃうくらい初期の戦闘機と違います。
     日本も紫電改(見た目はF6Fそっくり?)など新型機を投入していたのですが、戦局の悪化により大量生産は叶わなかったそうです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2015.04.19

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