【感想】スイス時計の謎

有栖川有栖 / 講談社文庫
(102件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
22
41
30
1
0
  • 色とりどりの4編

    国名シリーズ第7弾となる本書には4作品が収録されています。各作品の長さにはばらつきがあり、表題作「スイス時計の謎」が全ページの半分弱、「あるYの悲劇」が同じく4分の1ほどを占めています。
    「あるYの悲劇」――ダイイング・メッセージものです。綺麗にほどける謎に加え、結末も好みでした。
    「女彫刻家の首」――猟奇的な殺人事件を扱っていますが、それほど怖い描写はありません。後半のたたみかけるような展開が独特です。
    「シャイロックの密室」――読んだあと、作中に出てくる薀蓄を誰かに語りたくなること請け合いです。その場合は、本書を読みそうにない相手を選びましょう。
    「スイス時計の謎」――長さがあるぶん、個々の人物の描写に力が入っています。隙のない推理も魅力ですが、本作品にはアリスの過去が描かれており、(私も含め)アリスファンには外せない1篇といえるでしょう。
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    投稿日:2014.04.13

  • アリスの過去が垣間見える一冊

    全四篇。表題作『スイス時計の謎』なぜ犯行現場から被害者の時計が無くなっているのか。ただそれだけの突破口から、論理的に犯人を追いつめていくシーン…良かったです。アリスが小説を書き始めたきっかけとなった過去なども書かれていて、印象に残る作品。
    『あるYの悲劇』ダイイングメッセージの使い方は面白かったです。
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    投稿日:2014.04.17

  • 有栖川有栖による国名シリーズ第7弾!

    表題作「スイス時計の謎」はほかに比較してボリュームがあり、中編くらいのイメージだが、基本的に短編でまとめられており、おおむねテンポよく読めるのが魅力。
    有栖川有栖は長編になると若干冗長感が出てくるのだが、表題作もややその傾向がある。夢に出てきた女性の話なども、ストーリーとしては幅を持たせたかったのかもしれないが、ほとんどなくても本筋に影響のないエピソードで、結果的に何だったんだろうと思ってしまう。謎の部分は論理で構築されており、隙がないだけに、ちょっともったいない。
    そのほかの作品もいわゆる正統派の本格ミステリといえる作品が収録されている。短編だけに、長編ほどのパズル構成とはいえないが、そのぶん4作とはいえ趣向を変えてあり、バラエティに富んでいる。
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    投稿日:2014.07.07

ブクログレビュー

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  • Sayuri

    Sayuri

    表題作を含め、『あるYの悲劇』『女彫刻家の首』『シャイロックの密室』の全4篇が収録されています。

    『あるYの悲劇』
    「あっ」と言いたくなる一文があります。
    作中のロックに対する語りが面白かったです。悲劇といえば悲劇なのですが、ユーモアのある作品でした。被害者の父親が書いた『消えない蒙古斑を持つ地母神の偉大な臀部が一発の放屁とともに覚醒する朝』という芝居、一体どんな芝居なんでしょう。

    『女彫刻家の首』
    なぜ犯人は遺体の首を彫刻の首にすげかえたのか?
    犯人は、最初の方で当たりがついたのですが・・・
    最後の火村のセリフが印象的でした。『天の裁きだって? 神の御手のなせる業か。勝手なことをしてくれるじゃねぇか。裁いていいと、誰がてめ
    ぇに言ったんだ』

    『シャイロックの密室』
    倒叙ミステリー。密室にした方法は?

    『スイス時計の謎』
    作家アリスの高校生時代の同級生が登場する作品。アリスの過去のトラウマになりそうな出来事が描写されています。シリーズ作品を読んだ方が、もっとよく理解できるようです。
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    投稿日:2023.11.02

  • ariete

    ariete

    4話構成の短編集。

    シャイロックの密室が私好みで一番面白かった。

    スイス時計の謎は表題作とあって一番長い。被害者の時計が無くなってる謎を自分で推理できたらもっと面白かったんだろうなと思う。
    私には出来なかった…

    アリスの学生時代の話がチラッと出てきます。




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    投稿日:2023.10.09

  • 柳瀬斗真

    柳瀬斗真

    有栖川有栖の国名シリーズの中でも特に人気があるのはうなずける。あとがきにもあるように、特に本格を意識して書かれている。例によって好きな順に数字をつけてみた。

    ②あるYの悲劇
    ④女性彫刻家の首
    ③シャイロックの密室
    ①スイス時計の謎

    つまらない作品はなかったように思う。
    地味な事件ではあるものの、ロジックで犯人を追い詰めていく火村、さすが。秀才たちが集まるので知的な会話が楽しい。登場実物の人柄がしっかり語られていて、読んでいてやはり印象に残る。
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    投稿日:2023.01.20

  • まきまきカタツムリ

    まきまきカタツムリ

    このレビューはネタバレを含みます

    インディーズバンドマンのギターリストの死。
    女彫刻家の首を切られての死。
    金貸しの密室殺人。
    有栖川の優秀な同級生の死。
    の4本。
    インディーズバンドマンはダイイングメッセージを読み解く。↓これは簡単だった。
    金貸しの密室に磁石はちょっと無理矢理勘がある。
    あとは、着眼点はミステリーぽいといえば、ミステリーぽい。

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    投稿日:2022.12.12

  • かっつぐ

    かっつぐ

    安定の国名シリーズ。
    本と同タイトルの「スイス時計の謎」は、さすが有栖川有栖氏といった内容になっている。
    他の話も面白いが、短編で深掘りしづらいせいかトリックは分かりやすいと感じてしまう。。。

    投稿日:2022.11.11

  • 奏音

    奏音

    3つの短編とスイス時計の謎を含めた4つのお話が収録されています。どれもバラエティーに富んで面白かったです。スイス時計の謎はアリスにしては珍しく切ない感じのお話で、読み応えありました。

    投稿日:2022.10.12

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