プラナリア

山本文緒 / 文春文庫
(265件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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81
106
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3

ブクログレビュー

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  • tikuwabu1

    tikuwabu1

    1最近プラナリアを飼育していて、目に留まったので購入。無職自体に害があるわけではなく、それを取り巻く社会の目が無職の人間に苦痛を与えうる。しかしすみ江さんのように全く動じない人もいる。私は後者でありたかったなあ。徳を積んで来世に期待しますわ。希望はプラナリアで。

    2乳がん無職、燃え尽き無職、もと無職、モラトリアム野郎、ヒモの天才。背景は様々だが、同じく無職の烙印を持つ者たちの日常を詳細に描いた小説。会話の途中途中で描かれる心理描写が生々しく、心に刺さる場面もちらほら。図星を突かれた時のなんとも言えない感じが上手く表現されていて、グッとくる。
    話は変わるけども、登場人物の女性が大抵モテるのは男性への皮肉なのかな、と思った。自信がない男っていうのは、その弱さ足るゆえに、社会的地位が弱い女性を慰み者にしやすい。
    「あたしのこと勝手に可哀想だとか思わないでくれる?」すみ江さんの言葉が刺さる。無職というだけで、蔑みの対象としてしまう人達は、社会の奴隷であり、その価値観も配給制。残念ながら私もその中の一人。子供の時はそうじゃなかったのに...。いつのまにか鎖に繋がれてしまった。教育の賜物というか社会的動物である以上、仕方がないことなのかもしれない。しかし、癪に触る。何かにつながれて生きていくのは気分が悪い。ああ自由になりたい。社会が見えなくなるほどの狂人になりたい。
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    投稿日:2020.02.14

  • kotonami

    kotonami

    初めて読む作家さんなので、まずは受賞作が無難だろう。280頁も頃合だし。題名もなんだか面白そうだ。
    プラナリア、目も手足もないこういう形の生物は苦手だが、それじゃあ目があるからといってナメクジやでんでんむしやひるやだにも気持ち悪いと思いながら、身体分裂再生機能をもつプラナリア、どういった内容なのか興味津々で読んでみた。

    *プラナリア
    乳がんになってまだホルモン治療を受けている。結構辛い。飲み会などで受け狙いに病気の話をすると、彼氏が悪趣味だと嫌がる。
    病院で知り合った人に出会って、仕事を手伝うことになったが。”絶対自分好き”と言う女だった。

    *ネイキッド
    店を手伝っていたが、夫よりやりすぎて離婚された。

    --- 暇、と言うものがどういう状態で、どんな感じがするものかをわたしはこの歳になって生まれてはじめて知ったように思う。退屈とはちょっと違う。退屈だったらいくらでも経験してきた---

    だらだらと暮らしていて、昔の部下に出会って付き合ってみた、ところが一言多くて嫌われたようだ、暇つぶしにも飽きた。
    でも、来るかな電話しようかな、微妙に揺れる気持。

    *どこかではないここ
    リストラに会った夫は再就職したが、収入が減ったので夕方からレジのパートに出ることにした。子供たちも大きくなったけれど何かと気にかかる。
    義父は入院。母は一人暮らしで用もないのに電話が来る。
    ああ、やりきれない環境だ、バイト仲間に誘われたホテル行きを撃退してみたりしながらも、お母さんの痛々しくも逞しく頑張る姿が少し明るい話。

    *囚われ人のジレンマ
    --- 両者が相手の戦略を懸命に予想した結果、両者ともに損をしてしまうケースを「囚人のジレンマ」と呼ぶのだそうだ---

    その研究をしている大学時代の彼と結婚するつもりで付き合っていたが、彼の訳ありに気がついた。まだ決心がつかないでいると、彼のアパートに不意に母親がやって来た。
    奇襲攻撃かい。
    憤慨してバスに乗って帰ってしまった。

    *あいあるあした
    離婚して居酒屋を始めた俺に会いに、娘が来た。分かれた妻は再婚している。海外にいくという娘が母親に無断で会いに来てくれた。
    店に変わった娘が来て、手伝ったり手相を見たりしている。常連も出来て、何気ない付き合いがほのぼのとして暖かい。
    女性作家らしくなく、俺と言う男をうまく書いている。


    女について少し嫌味な部分が特にうまい。確かにそうだなぁと思うし、そういう女と付き合う男も、あるあると思わせる。
    それだけに余り見たくない部分もあるが、こういう環境にいる気持ちは良く分かる。女性作家が嫌な女を書くとこうなる。



    職場シリーズのような短編集だった、進んでは読まないが、主人公の心境を現実的に書き出すところは確かに受賞作だと感じた。
    さて休日だしいい女に会いに行こう。
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    投稿日:2020.01.05

  • ゆ

    山本文緒てもっとぺらぺらつまんないとおもってた 高校生の時に読んだ恋愛中毒はめっちゃつまんないて思ったきがするんだけど なにこれめちゃすぎじゃんこの自意識
    山本文緒にはまった一冊め!

    投稿日:2019.06.28

  • nkmr

    nkmr

    無職をめぐる5つの短編集。特に凝った仕掛けやオチがあるわけではないので、マイペースに楽しめました。
    私も大学卒業して半年無職だったので、無気力な人の気持ちがわかるなぁ。プラナリアを卑猥な形と表現していたので検索したら…なるほどと思いました…
    
    1.プラナリア
    乳癌から生還したものの、精神不安定で苦しむ女
    2.ネイキッド
    夫から一方的に離婚されて以来無気力に過ごす、元バリキャリ女
    3.どこかではないここ
    リストラにあった夫と、ろくでなしの娘と息子を養うパートの女
    4.囚われのジレンマ
    実家の金に寄生するモラハラ彼氏にプロポーズされて戸惑う、浮気中の女
    5.あいあるあした
    ホームレスの女を拾い、心を振り回されるバツイチの男
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    投稿日:2019.06.19

  • aqua

    aqua

    このレビューはネタバレを含みます

    5つの短編、主人公は違うが「働くこと・働かないこと」が一貫したテーマだったんだなとあとで思う。働き方は生き方みたいなもので、これには正解がないし問題の出口は自分で見つけなきゃならない。唐突に話が終わるが、これはこれでそれぞれの正解について考える余地があっていいなと思った。
    面白い本だった。文章のテンポの良さに引き込まれた。言葉がザクザク刺さってくる。

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    投稿日:2019.05.28

  • ヒボ

    ヒボ

    このレビューはネタバレを含みます

    ずっと読みたかった1冊。短編なので気軽に読めるが、きっと何度か読み返せば良さを理解出来ると期待して。


    説明
    受賞歴
    第124回(平成12年度下半期) 直木賞受賞

    内容紹介
    乳がんの手術以来、何もかも面倒くさい25歳の春香。出口を求めてさまよう「無職」の女たちを描いた直木賞受賞作、待望の文庫化

    内容(「BOOK」データベースより)
    どうして私はこんなにひねくれているんだろう―。乳がんの手術以来、何もかも面倒くさく「社会復帰」に興味が持てない25歳の春香。恋人の神経を逆撫でし、親に八つ当たりをし、バイトを無断欠勤する自分に疲れ果てるが、出口は見えない。現代の“無職”をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。直木賞受賞作品。

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    投稿日:2019.05.25

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