【感想】Ｚの悲劇

色んな意味でドルリー・レーンを応援したくなる

　Yの時点で60越えのおじいちゃん主人公だったドルリー・レーンに、心ならずも温かい眼差しを送っていたものですが・・まさか、本作がその10年後になっていようとは（笑）　もう、温かいを通り越して介護の視線…でした。
　ついでに相棒のサム警部も定年となっては、さしものクイーンも読者の視線を気にしたのか、突如サム警部の娘というにはいささか苦しいハタチの女の子、パットが現れ、しかも何と物語が彼女の可愛らしい一人称で進むという・・もう、大変なことになってます。80年前の本ですよ・・これ。
　肝心な物語。クイーンに老人をいたわろうなどという気持ちはないのか、物語の90％は追い詰められて苦しんでました。それを推理一本で切り込んで逆転していくところは流石。
　が、前作までのような驚きがなかったのは残念でした。続きを読む