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平安寿子 / 文春文庫 (34件のレビュー)
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総合評価:
ゆきおんな
10
土建屋の魅力満載でした。
形あるものを作り出すことの素晴らしさを改めて感じました。 職人たちの仕事に向かう姿勢に心を打たれます。 でも、世の中には手抜き工事なるものが実在するのもほんとの話なので、複雑な気持ちになりました。 …誰もがやりたいことを仕事にできるわけではないし、最初の情熱がいつの間にか惰性になってしまうのもよくある事だけれど、働くとはどういう事か考え直すいいきっかけになりました。 二人の微妙な距離、鍵山工務店のこれからをもっともっと読みたいです。続きを読む
投稿日:2014.10.20
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yuu
家は生き物。養生。職人さんってかっこいい。仕事を頑張りたくなるような本だった。あと、梨央と姫のキャラも好き。梨央にはちょっとイラッとするとこもあるけど、前向きで、なんていうか、人生を深刻にしていないと…ころ、突き進むところ、いいなあ、って思う。いつか自分の家を建てるときがきたら、また読み返してみたいな。続きを読む
投稿日:2021.02.26
ロビーB
編集者の仕事にも恋愛にも行き詰った梨央、三十歳。 ある日、酔った勢いで建設現場の足場に登り、降りられなくなったところをトビ職の男に助けられる。 徹男に一目ぼれした梨央は、勢いで工務店に飛び込み就職。 …だがそこは亭主と離婚しやむなく社長になった郷子がキレる寸前で大混乱中だった。 女ふたりの行く末はいかに? 梨央の気持ち、とてもよくわかります。 書類やパソコンの画面の上で数字や言葉を右から左へ動かしているだけの仕事の虚しさ。 僕も書店員になる前は、ずっとそういう仕事をしていました。 いやもちろん、それだって立派な仕事だし、自分の仕事を卑下するつもりなんてこれっぽっちもありません。 ちゃんと世の中のお役に立っているはずだし、貰っているお給料に相応しいくらいの仕事はしているつもりです。 ただ、その達成感の稀薄さだけはいかんともし難いものがあるのですよね。 何かを成し遂げた、何かをやったのだという高揚感。 子供のころ、自分の力だけで初めてプラモデルを作り上げたときのような――そんな気持ち。 そういうものを仕事に求めるのは青臭いのかもしれないけれど、でも、達成感や喜びがなかったら、やっぱり仕事は辛いですよ。 ただお金が貰えるからというだけでは、やっぱり人は動けないのですよ。(ものすごい大金であれば話は別だと思うけど。笑) それと、僕は徹男が言った「季節の変わり目が人より早くわかること」という言葉をとてもいいなと思いました。 それが人間の営みの原点っていう感じがするから。 梨央は言います。 最初は働いていて楽しくないのは自分がまだ未熟だからと思った。そのうち、人生はそんなに甘いものじゃない、どこに行ってもこんなもんだと自分を納得させるようになった、と。 そうですね、僕もそう思っていましたし、今でもそういう気持ちは少しだけ持っています。 夢を追うなんて青臭い。 世の中に楽しいばかりの仕事なんてないぞ。 お金をもらうってことはそんなに簡単なことじゃない。 そう自分に言い聞かせるんです。 楽しいばかりの仕事はないかもしれないけれど、楽しいことがたくさんある仕事があるかもしれないってことには目をつぶって。 梨央は結局、建築の世界に飛び込んでいきます。 その無謀にも見えた挑戦は――やっぱりちょっとだけ無謀だったけど――でもその中で彼女は着実に自分の立ち位置と向かうべき方向を見つけ、そしてその世界に入ることになったきっかけの徹男に振られても、それでもやっぱり後悔なんかしない程度には、自分の足場を築き上げるのです。 その対比のように描かれている工務店の女社長、郷子。通称、姫。 彼女のキャラクターはいいですね。 愛娘に「お母さんの人生はお母さん一人しかいないみたいだ」と言われてしまうほど、直情的で。 梨央だって十分に直情的かもしれないけれど、梨央のそれとはまた違ったシンプルさが郷子にはあるのですよね。 その対比がとても面白かったです。 梨央というキャラクターだけではこの物語はここまで輝かなかったでしょう。 このあたりが平安寿子さんの巧さですね。 梨央や郷子だけでなく、工務店のメンバーなんかも個性的に描かれていて、ふたりの女性の奮闘振りとあわせてとても楽しく読めます。 笑いあり、涙あり(?)。 タイトルのようにまるで落語のように楽しめる作品。 こういうの、いいなあって思います。 エネルギーをもらえるような気がします。続きを読む
投稿日:2020.10.23
たけやん
このレビューはネタバレを含みます
建築業お仕事小説。主人公梨央の一目惚れしたお相手はトビ職。ならば行き詰っていた編集業に見切りをつけ、彼と一緒の建築業界へ転職だー。...ってすごい行動力やな。一方転職先の女社長は、見切り発車で家業を継ぎ、モチベーションが上がらないちょっとポンコツ社長。そんな女性二人の成長を仕事を通して描いている。梨央のポジティブシンキング、恋愛にも積極的な面は気持ちいいし、女社長もいいキャラだとは思うが、『セーノさん』の章のあたりから、あまり身が入らなくなって読了。家を建てた経験のある方なら、もっと楽しめたのか...
投稿日:2018.11.21
hito-koto
平安寿子さん、ある意味、安心して読める、そんな作家さんのような気がします。(^-^) 「くうねるところすむところ」、2008.5発行(文庫)です。「家」というものへの「こだわり」を思い起こさせてくれる…作品です。家を作るということ、家を作る現場、それに携わる沢山の人々の思い・・・。それに男女の思いを交錯させた作品だと思います。読後感はいいです。(^-^) 建設現場に対する見方が「ふか~く」なりました。(^-^)続きを読む
投稿日:2018.04.10
katun
私にとってビジネス本かな。 仕事をする意義って、人それぞれなのだと理解できる。 そして、ただ漠然と仕事をしていると続かないと思える。 会社であれば方針を確たるもので示しているのか、個人であれば信念なの…かなー…。 そして社長、社員、職人、バイトの思考回路が参考になった。立場をどう理解していけば良いのか灌漑深く考えてしまった。話は違えど仕事とは別に恋愛は難しいと思うのと同時に家族を持つのも色々と大変なんだと思った。私は徹男の気持ちが凄くわかるが…ちょっと残念笑逆に梨央と同じで笑ってしまった。続きを読む
投稿日:2018.03.20
shiroyagie
『素晴らしい一日』の衝撃で、この著者の小説をいろいろ読もうと思って、次に手を出したのがこの本。ところが、それなりにおもしろかったのではありますが、なんだか物語の構図も、人物設定も、物語の展開もどうにも…平板にしか感じられなくて、なんだか物足りなかったのでした。(2015年5月3日読了)続きを読む
投稿日:2018.03.18
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