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池波正太郎 / 文春文庫 (15件のレビュー)
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taro & kotetsu
若くして夫を亡くし子もないため、老舗の銘菓店を夫の弟夫婦にゆずり、彼らを指導し盛り立てようよとする未亡人お歌。しかしこの弟が箸にも棒にもかからないダメな奴。お歌の実家は名立たる料理屋で、後を継いでいる…兄は、お歌に戻ってきて店を切り盛りしてほしいと切に願っている。 そんな中、お歌は雨宿りをしていた小屋に居合わせた源吾という年齢不詳で得体のしれない男にわけのわからぬ間に犯されて陶酔してしまう。怒りと同時にだんだんと源吾にひかれていくお歌。実は、この源吾は武芸、体術の達人で、お歌が巻き込まれる苦難を助けることに。ハラハラする展開に次々とページを繰ってしまう。 本作を読みながら、「旅路」という作品を思い出した。「旅路」ではかたき討ちの旅に出る未亡人の危機を救う謎のスーパー老人が出てくるのだが、本作の源吾と被る。池波正太郎が己が願望を彼らに投影しているのではと思ってしまう。続きを読む
投稿日:2023.03.02
ます
池波作品は『脚本』の様なドラマ仕立てで小気味良く読みやすい。面白くて次々と読み継いでいくと、毎日の生活を送っている様な感覚になる。どうなるか判らない不安や心配、恐怖、喜び、悲しみが湧いてくる。そして何…かを伝えられた様な読後感が残る。 池波正太郎さんは『寿命が有る:人の命』よりも大切な事として『何世代にも渡る人の営みを次世代へ繋ぐ事』と言われていたと読んだ事がある。 そうか、僕達が生きている理由は、日々の生活を送りながら、後進に繋ぎ、かつ社会をより良くする努力をする事なのか。 と、考えながら本作品の主人公『お歌』やその周りの人達の風景をイメージし、読了しました。続きを読む
投稿日:2021.04.28
hito-koto
池波正太郎さんの作品には女性を主人公にした名作もかなりありますね。長編小説「雲ながれゆく」(2006.2、文庫)もその一つ。笹屋の若後家お歌が土砂降りの日、雨宿りした小屋で剣の達人馬杉健吾に手籠めに…されたシーンから始まる物語。二人のそれからの人生、読み応えがあります。さて、私はと言いますと、1986.1刊行の単行本で既に読了していましたw。続きを読む
投稿日:2021.03.16
konetama
なでもかんでも大団円が名作とは限らない。 余韻から読者にあれこれ想像させるのも、素晴らしい結末だと思う。 こんな終わり方も好きだ。
投稿日:2021.03.03
seiyan36
今手にしている文春文庫は、1986年第1刷、2002年第31刷。 けっこう読み継がれていたみたいです。 今は、わかりませんが。 22頁によると、この作品の時代背景は、1783年(天明3年)位。
投稿日:2020.10.03
入江朔
冒頭を読んだときの感想は、「ええ!? これからどう展開していくの?」という不安感。 それは、私が女だからなのでしょうか……。 女の目線からいえば、到底に受け入れられる状況ではないものの、そこは時代…小説、そこは池波正太郎氏。 その後の話の展開にも引き込まれて、一気に読み進めたくなる作品でした。 筆さばきに脱帽するとともに、お歌の人柄も本当に良いし、これが江戸時代の女の姿だったのだろうなあ、と感心してしまいました。続きを読む
投稿日:2018.11.11
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