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森沢明夫 / 小学館 (75件のレビュー)
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総合評価:
shigehachiman
1
津軽蕎麦のように温かく優しい
津軽蕎麦・・・食べたことないけどきっと温かい、優しい味なんでしょう。 描かれるのは、そこここに転がっている日常とそんな日常の中の小さな幸せです。 何も考えずに読むのがいいと思います。 誰かが殺された…り、肩肘張って生きていかねばならなくなったり、騙したり騙されたり────。 そういうのは一切ありません。登場人物の全てが魅力的で、優しく、いい人ばかりです。中華料理店主以外は。 そして登場する人の全てが、小さな幸せを感じるという本当に温かい物語でした。 ほっこりしたい人、日頃疲れている人、日常に流されしまっている人は是非読んで見てください。 きっと今のままの自分でいいのだと思えますよ。続きを読む
投稿日:2016.01.27
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上海かんすけ
こうして、男女はわかれるんだろうな
とまあ、そういう風に思いながら読みましたが。 各時代の主人公達、今を生きる人達を綴りながら、物語は終局(新しい一歩)へと向かいます。 投げやりで後ろめたかった主人公(現代)がだんだんと自分を取り戻し…ていきます。 読後、家族に電話をかけてみました。とても暖かいお話です。続きを読む
投稿日:2016.12.09
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藤丸
最近、ちょっと疲れていたから、心のシャワーを浴びたくなって、手にした森沢明夫さんの本 続きが読みたくなって、思わず夜ふかしして、一気に読了… 期待以上に心がすっきりして、あたたかい気持ちにもなって…、こんな物語が紡げるなんて、本当に素敵だな、と思う。 不安や迷いを抱えながらも、自分の想いに気付きしっかりと人生の歩みを踏み出していく主人公と、100年という歳月を経て紡がれてきた想いが、今という時間に交錯し、過去、現在と様々な人が優しさで繋がる物語でした。 主人公の父が語った『物語の終わりは必ず感謝で締めろ。そう教えられた。』という言葉が印象的です。 縦糸横糸を問わず、自分が関わる人たちに、心から感謝の言葉を伝えることができて、自分も大切な人たちと繋がっていけると良いなと、そんな優しい気持ちにさせてくれた一冊でした。続きを読む
投稿日:2024.04.09
NO Book & Coffee NO LIFE
森沢作品は、悪人が登場せず、先も見通しやすいので「安定・安心の〜」などと云われますね。本作も同様、人物描写が優しく、温かい気持ちになりました。 百年受け継がれた大衆食堂の人・味・歴史を描く人間ド…ラマです。明治時代の黎明期パートを挟みながら、平成の現代パートで故郷を離れ都会で暮らす若い2人の恋愛物語が展開します。 弘前を中心とした津軽地方の気候風土、伝統文化、言葉などをふんだんに散りばめ、食の味だけでなく物語の上でもよい味を出しています。 そもそも「百年食堂」には、「三代四代と受け継がれ、町民に慣れ親しまれたメニューがあり、生活に溶け込み愛されている」などと、種々定義があるようです。 青森県では、「三代、約100年続く大衆食堂」とし、百年食堂を観光の目玉の一つとすることで本作が生まれたそう。"青森三部作"その1です。 15年前の刊行ですが、おそらくこの間に(コロナ禍は特に)多くの飲食店が廃業の憂き目にあったはず‥。受け継がれ愛され続ける"味"の価値、そして不易と流行を再認識させられます。 本作は、過疎・シャッター街などの負のイメージを払拭するだけでなく、未来に向けた明るい話題を提供し、地域活性化につなげる一作になり得ると思いました。 巻末に著者が取材で訪れた「津軽百年食堂」10軒が紹介されています。粋ですね。続きを読む
投稿日:2024.04.07
わーーーーー
2024.2.13 読了 ☆8.6/10.0 時代が変わっても変わらないものがある。 それは、親が子を想う気持ちです。 故郷を離れてがむしゃらに頑張る我が子への心配や愛情、それが本書ではとても…温かく描かれています。 この物語は、青森の弘前市に三代続き、百周年を迎える津軽蕎麦のお店「大森食堂」を舞台にした、明治時代と現代が交錯するお話です。 初代の大森賢治とそのお嫁さんのトヨ、二代目の哲夫と妻の明子、そして主人公は三代目店主になる息子の陽一と大学時代の知り合いで恋人の筒井七海です。 陽一は、本当は大森食堂を継ごうと思っていたのに父の反対があり、一度は修行のため中華料理店に就きましたが、そこの店長に父親のことを馬鹿にされたことに我慢できず歯向かってしまい、それによりクビになってしまうのです。 陽一は父に対しとても申し訳なくなり、父に合わせる顔が無くなってしまいます。食い繋ぐために姉に縋って頼り、姉の紹介で都内の制作会社に勤めますがそこも辞めてフリーターになってしまい、趣味で得意だったバルーンアートを教えるピエロの仕事に就きます。 そんな時陽一が同じ弘前の高校の三つ後輩で、フォトグラファーを目指す七海と出逢い、同郷の二人は当たり前のように惹かれ合います。 東京でフォトグラファーとして独り立ちしたい七海と実家の大森食堂を継ぎたい陽一。 二人の未来は果たしてどうなるのかというのがすごく読んでいてむず痒いのです。 二人の恋の行方は…応援せずにはいられないめちゃくちゃ爽やかな恋物語なのです。 そして、それに並ぶ家族愛と師弟愛も素敵です。 また、特に惹かれたのは陽一と七海の恋愛における壁となる実家の家業の問題。 お互い実家の家業があり、いつかは継がなきゃいけない、実家に帰らなきゃいけない そんな境遇にあるカップルの恋愛の難しさやもどかしさを綺麗に描いてると感じました。 いつかは離れるし、遠距離になる覚悟も必要 自分たちの都合だけで決められない、人生の幾つもの分かれ道を前にして、お互いの夢ややりたいこと、実現したいこととやらなければならないこと、いつか向き合わなくてはいけない問題に対してどう折り合いをつけていくのか。 そんな、二つのことに挟まれて身動きが取れなくなりそうな、息が詰まりそうな状況に自分もいつかなるのだろうか そう考えながら読んでいくと、二人の恋愛やその周りの人たちの温かさにすごく心動かされるのです。 登場する人全てが“粋な”物語。最高でした!続きを読む
投稿日:2024.02.14
Russian Blue
青森三部作の一作目 青森にはまだ一回も行ったことがなくて それでも青森といえばリンゴ!でしたが、ここに出てくる津軽蕎麦も食べてみたいと思える本でした 代々続くお店 昔の味を守っていくのは大変なこと…で、苦労も多い 家族の想いや周りの想いをつないでいって 愛される場所になっていくんだなと つながりが感じられる本です続きを読む
投稿日:2024.01.01
はなちゃん
『津軽百年食堂』 森沢明夫さん津軽3部作の一作目 ただ、私は『青森ドロップキッカーズ』を先に読んでしまったので順番が逆転してしまったが… 未読の方は、先ずはこの作品から読み始めるのがオススメ さて…さて、物語の舞台は津軽・弘前 百年続く食堂を守り続ける父と、東京で孤独な社会に生きる息子の物語 内容はとてもシンプルだか、そこに登場する人物一人一人が実に温かく優しくて、時に粋で… 田舎を出て都会の荒波に揉まれながら強く逞しく生き抜こうとする若者の熱量と、それと表裏一体で待ち合わせる将来への不安や葛藤の描き方が美しかった。 親と子、それぞれが個としての相手の人生を考える思いやりに満ちていて、特に祭りで設営したテント内で、賢治と陽一が心を通わせたくだりには涙が溢れた。 また、エピローグにて七海が明子にこっそり伝えた素敵な台詞…なんてチャーミングな女性なんでしょう。つい嬉しくてにやけてしまった。 シーン毎に目線を移して物語を進行するという構成のため、其々の人物に感情移入しやすく、物語が立体的で時代を超えているのに読みやすかった。 後半からは健くん親子から広がった"粋"な演出のバトンタッチが繰り広げられ、物語が一気にリズム感をもち面白味を増した。 森沢明夫さんの作品に出るキャラクター達は、みな人間味に溢れていて心が温かい。私もそういう人間になりたくて…それは無理でも近づきたくて笑、すっかりファンになっている。 この読後の心地よい余韻がさめる前に3部作の完結となる『ライアの祈り』を読もう! 続きを読む
投稿日:2023.07.12
haji07-2023
06月-15。3.5点。 津軽の津軽蕎麦屋さんが舞台。主人公は、蕎麦屋の長男。東京へ出るが「ピエロ」の格好をしてバルーンアートをするバイトを。 江戸時代の蕎麦屋元祖の光景と、主人公の光景を交互に。心…温まるし、面白かった。続きを読む
投稿日:2023.07.03
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