【感想】天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道

浅田次郎 / 集英社文庫
(123件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
47
45
17
4
0
  • 大正ダンディズム

    大正時代を活躍した盗賊たちのダンディズム。
    主要キャラクターの心意気や義理、人情の物語。
    そこから得られる感動は、大家 池波正太郎の作品に似ているかも知れない。
    ただ、悪を討つ物語と、静かなる悪(弱者に冷たい世間)に抗おうとする物語との差がある。
    大悪のための小悪、やはり何かしら「陰」や「矛盾」を内包している。
    いくら大盗賊とはいえ、すっぱりと悪を断てないだけに、なにかしらむなしさ、やり切れなさが残る読了。

    大正時代という侍の時代とも現代とも違う狭間の時代だけに、その情景を想像するのは少々苦労する。時代小説を読み慣れていて、いろいろな古い文化を知っていなくては、辞書を引かないと分からないかも。
    続きを読む

    投稿日:2017.02.12

  • 最強の江戸前小説!

    浅田さんの小説は江戸前小説と勝手に呼んでいるのですが、
    これこそ、その代表作といえると思います。
    私とは真反対の粋な生き方を貫き通している人たちの話が、
    すいすいと読み手の心に入り込んできますね。
    っ当でない人たちの真っ当な生き様が素敵です。
    泣けますよ~^^
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    投稿日:2015.06.06

ブクログレビュー

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  • mayun

    mayun

    悪党一味とも捉えらるが、粋で芯のある一味で市井も認める存在の武勇伝を生き残りが語るといった話かな。
    よくよく考えると現代の特殊詐欺グループやホストに溺れた女の子を風俗に流すみたいなことの昔版の話みたいだなとも思った。続きを読む

    投稿日:2024.02.18

  • じょー

    じょー

    最近本を読むようになったと言ったら、義母が貸してくれました。浅田次郎さんの作品は初めてで、最初は昔の語り口調や文章に慣れなかったです。この内容なのかな?って推測しながら読んだ箇所もありました。
    でも段々と天切り松の話にのめり込み、最後の姉弟の話なんて感動して泣けました。
    現代にはなかなかない義理人情の話でした。その姿が盗っ人だけど、とてもかっこ良かった。ただのお金目的ではなくて、人助けにもなる盗っ人もあるんだと思いました。
    義母が貸してくれなかったらきっと出会わなかった作品。他のシリーズもお借りしているので、ゆっくり読んでみようと思います
    続きを読む

    投稿日:2022.05.22

  • dsukesan

    dsukesan

    痛快と言うわけではないが、苦しき中で粋に生きる人の強さと言うものを感じさせてくれる小説。
    今の時代の価値観や世界観、人生観とは違う何か大切なものの見方を教えてくれている様な気がする。
    ただの人情噺で哀れというのではなく、強く生きる力を感じさせてくれる。それは、解説で言われる、振り返って自己解釈する物語ではなく、過去から現在を照射する未来を照らす選び取る視点で描いた物語だからということなのかもしれない。
    前者の視点は勝者の視点で、その視点から描くのが歴史。後者の視点は消えゆく者や敗者の視点で、その視点から描くのが物語。そう言う解説で、この物語の視点と、『童の神』や水滸伝などの敗者を描いた物語に心惹かれる理由に思い当たる。
    この本のメッセージや価値をまだまだ、十分には味わい尽くせていない自分が居る。もっともっと、人生修行が必要な様だ。
    続きを読む

    投稿日:2022.01.23

  • ジャクソン

    ジャクソン

    夜を照らす赤提灯の下で行われる花魁道中の描写の辺りが本当に大好きです。ラストは不憫で不憫でたまらなくなってしまい、涙なしでは読めませんでした。

    投稿日:2021.09.22

  • 土瓶

    土瓶

    古本屋でブラブラと散歩がてらの購入。
     
    久しぶりに浅田次郎さんが読みたくなって、ハズレはしないだろうと予想して、以前から気にはなっていたシリーズものを手に取る。
    が、ハズレでした。
    大正ロマン。
    カレスクロマン(悪漢小説)。
    義理と人情の義賊小説。
    おもしろくないわけはない要素がテンコ盛り。
    でも……、なにか講談師の三文噺を文字におこしているだけのようで、江戸っ子でも何でもない田舎者の私にはつまらなかった。
    残念。
    これ以降のシリーズを手に取ることはないだろうな。
    続きを読む

    投稿日:2021.06.20

  • masato

    masato

    面白かった
    一話完結型の短編連作
    天切り松が語る盗賊の一家の物語

    ■闇の花道
    ■槍の小輔
    ■百万石の甍
    ■白縫花魁
    ■衣紋坂から

    の5作。
    盗賊一家のそれぞれのキャラを中心に義理・人情のエピソードが語られていきます。

    この中で、一番印象に残った話は、「白縫花魁」と「衣紋坂から」
    これは、二つで一つの物語。
    花魁の身請け、姉弟の物語
    とても哀しい結末でした。

    シリーズ物で続きがあるようです。
    ちょっと楽しみ

    お勧め
    続きを読む

    投稿日:2021.04.04

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