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レイチェル・ボッツマン, ルー・ロジャース, 小林弘人, 関美和 / NHK出版 (204件のレビュー)
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総合評価:
あっくん
ソーシャルネットワーク時代のビジネスと消費について考える一冊!
インターネットやモバイル端末を有効に使うことで、新たな消費形態が広まりつつあることを数多くの実例を元に検証した話題の書籍。 Amazonも口コミを有効に活用しながら消費活動につなげようという意味では既…存のビジネスとは一線を画しているが、この本で紹介されるものはさらに先を行く。インターネットとGPS内蔵のスマートフォンがあって初めて成り立つようなカーシェア、シェアサイクルなどはすでにアメリカやヨーロッパをはじめとしてある一定以上のユーザーを確保し、一般化の時代に入っている。エアビーアンドビーのサービスを活用し、自宅の空き部屋を旅行者に提供することで見知らぬ人同士の交流が生まれていたりする。 本書ではこれまでの「欲望を増長し、必要以上の消費に走らせる」ビジネス形態を「ハイパー消費」とよび、その行く末が太平洋のゴミの吹きだまり「太平洋ゴミベルト」であるとする。世界各地で廃棄されたゴミが流れ着き、どこにも行けなくなったゴミのサルガッソーであるが、大変広大な海域を見渡す限りゴミが埋め尽くしているという。この事実だけでもこれからの消費、あるいはゴミに対する考え方を変えなければというきっかけになるのではないか。 一方、これらの課題を解決する方法の一つが、本書の主題である「コラボ消費」であるという。たしかに、カーシェアなどを有効に使えば、必要以上のクルマを所有する必要はないし、そもそも必要以上に生産する必要がなくなる。自動車メーカーにとっては「生産→販売」ではなく、持続可能性の高いクルマを「利用してもらう」ことでもうけることにパラダイムシフトしていかなければ生き残れないことを示唆している。他にも、使い古しの衣類などを他の人と交換するサイトや、使い回すことを前提に作られた商品など、要らなくなったら捨てるという考え方から脱却するいくつもの事例が紹介されている。 残念ながら、日本ではこうした歩みに対し、今ひとつ乗り切れていない感じがする。また、シェアの基本は都市基盤にあると感じられる部分も多く、田舎でこのような考え方をどのように実践していくかはまだまだ課題が多そうだ。しかし、これまでの「私」中心の消費から「コミュニティ」中心の消費へ、ひいてはそれが地域の再生に繋がる可能性を秘めていることは否定できない。小さな事からでも自分に出来ることを考えていきたい、そう思える一冊である。 続きを読む
投稿日:2013.12.07
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Mkengar
本書は現在シェアリングエコノミーと呼ばれている仕組みについて早い時期(日本語版は2010年)に解説を加えた本になります。私は2017年になりようやくペーパーバック版で本書を手に取りました。本書の中では…シェアリングエコノミーではなく「協働型消費」という用語で解説がされており、それを「プロダクト=サービス・システム」「再分配市場」「協働型ライフスタイル」という3つのカテゴリーに分けて解説をされています。 本書を読んだ全体的な感想ですが、正直この3つのカテゴリー分けはあまり良い分け方ではないとは思ったのですが、全体的に思ったよりも深い本だと思い感銘を受けました。この手の本ですと、事例中心の紹介本になっていることが多く、ビジネス雑誌のボリュームが大きい版、という感じの本が多いのですが(つまり、内容は浅い)、本書はシェアの背後で起こっていること、過去から現在そして将来へと何がこれから起きそうか、本質的な変化は何か、についても適宜記述されていて、興味深く拝読しました。ただ1点、これは著者自身がシェアリングエコノミー信奉者ということでバイアスがかかっているから仕方がないのですが、本書で登場するいくつかの新ビジネスモデルについては、これはそこまで経済の主流にはならないのでは?と醒めた見方をしたくなるものも多々あり、総合評価は難しいのですが、予想以上に深い議論が展開されていたので星4つとさせていただきます。続きを読む
投稿日:2023.04.28
Take
話題の書を積読しつつ十年超、2022年に読んでみた。そんなに古さは感じなかった。ということは、ここに書いてあることは、まだまだ進行形、みんな知っていることだけど、急激には定着しきっていないのだろう。 …そもそもSDGSの根幹をなす行動様式であるし、この「シェア」の文脈で「デザイン」「信用の貯蓄」など発売当初、当時の自分にはそこまでピンとこなかったであろう2020年代風のキーワードが、終盤のメインテーマとなっていることは興味深い。 こういった地殻変動があって、流行りものを含む現在の活動と環境にたどり着いている、ということを再認識。続きを読む
投稿日:2022.03.18
f601
コラボ消費に関する新サービスが、アメリカで続々。 日本で聞いたことがないようなものがいっぱいあり。参考になる Etsy、、、 コラボ消費の四大原則 クリティカルマスの存在、余剰キャパシティの活用、…共有資源の尊重、他者との信頼 ・クリティカルマスの存在 まずは利用する人が拡大しないと 周囲の人がしていることを見て、自分の行動を決めることがほとんど 「ほかのみんなもやっている」というメッセージが効果あり ・余剰キャパシティの活用 余剰キャパシティをシェアする仕組み=近所の貸し借り助け合いであった インターネットによって、大勢で余剰キャパシティをリアルタイムにシェアできるようになった。インターネットがコラボ消費を加速。 ・共有資源の尊重 ・他者との信頼 大勢の人との教養・活用のためには、信頼レーティングが必要になる インターネットのレーティングシステムがよく働いている 実際の物理的なものの所有はそれほど重要でなくなってきている Netflixによるレンタル革命 ゴミを出さないために一番いいのは、新しいものをあまり買わずに、今あるものをもっと再利用したり再配分したりすること。 「人は、友情や信頼から助け合うのではなく、関係を続けることが将来自分のためになると信じるからこそ助け合う」 物々交換を仲介するサービス ソーシャルレンディングサービス コ・ワーキングオフィスサービス 何が起こるか 広告の形がかわる。 広告会社を信用するのは消費者のわずか14パーセントで、78パーセントは知り合いの推奨を信用するという 消費者のマインドセット 消費はもはや、際限なくものを買い続けるという一方的な行動ではなく、ほしいものを手に入れるために、与えながら協力し合うという「プッシュ」「プル」の相互作用になる 評判の口座 評判資本が第二の通貨として使えるほど重要に 「評判の口座」が様々な酒類のコラボ消費への貢献度を測る物差しになる。 現金で物を買うだけでなく、才能やスキル、アイデアやバーチャル通貨と交換することが当たり前になる コミュニティへの欲求、個人のアイデンティティへの欲求、承認の欲求、そして意味のある活動への欲求を満たすようなサステイナブルなシステムが構築される=革命 ーーー コラボ消費の種類(上位3カテゴリー) ・プロダクト=サービス・システム 物の原材料消費を減らしつつ、ユーザーが受ける満足感はそのままで、供給者が顧客に、その顧客が供給者へと価値を循環させる カーシェアリング、バイクシェアリング、ライドシェアリング、ソーラー発電、玩具シェアリング、 ・再配分市場 中古市場。質店や商店を経由するばかりではなく個人間での取引が含まれる 巨大市場(いちば)、無料交換、好きなグッズ交換、衣服交換、等価値グッズ交換、近所間 ・コラボ的ライフスタイル 非物々交換 コ・ワーキング、ソーシャル・レンディング、ソーシャル通貨(地域通貨)、菜園・農耕地シェアリング、スキル・シェアリング、コ・ハウジング(共住)続きを読む
投稿日:2020.09.21
千莉
シェアリングエコノミー(共有型経済)を限界まで掘り下げて解説している書籍。 内容は膨大で難解。 GDP至上主義からの脱却。シェア、コラボ消費での成功例を学ぶことができる。
投稿日:2019.11.10
lmndiscrm
このレビューはネタバレを含みます
2010年代初頭に本書が書かれていることからして、やはり情報は速く入手するに限ると毎回思わされる。 エアビーアンドビー、自動車業界の定義などはまさにハマっている。日本においてもいわゆるシェア市場は、爆発的に広がっているし、スキルのシェア、場所のシェアも拡大傾向にある 既存の経済学と反している(10ドルを分ける権利があるとすると利己的な個人だと9:1に分けても、両者受け取る)、という個所がなお面白さを表わしている 従来より贈与経済学という分野は存在しているが、今後この領域をどう学問として定義していくか、普遍化していくか、その方向にも期待をしたい P2Pがここまで当時から注目されていたとは、というか、当時読んでも実態と合っていないと思ってしまったかもしれない ハイパー消費主義からコラボ消費への転換、そして評判が通貨ともなる世界。やってくるのだろうか
投稿日:2019.09.01
kijimasashi
先日ライフハッカーの元編集長の方と飲んでいた際に、「この本がきっかけでカウチサーフィンを東京で始めてみたんだ」と教えてもらった1冊。人のその後の行動を変える力のある1冊として確かにその力を感じました。…社会や価値観の変化や、それを機会にしていくにはどうしたらいいのかとか、世の中には今どんなサービスが生まれてきているのかとか情報量がものすごい。そしてこの本が10年前に出ていて、今更少しずつ日本でも同じようなサービスが出てきていたことにもっと早く読めていたらまた動き方も変わってきたかなと思えた1冊でした。量はあるけどオススメの1冊。続きを読む
投稿日:2019.08.11
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