【感想】BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”

クリストファー・マクドゥーガル, 近藤隆文 / NHK出版
(202件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
91
50
36
10
1
  • 「BORN TO RUN」 Christopher McDougall

    盆に帰省する前から読み始め、劔岳から降りてきた翌日に読み終えた本。自分の中でこの間の経験が渾然一体となった感じがする。
    以下は、訳者あとがきより引用。
    「この本は三つの物語をひとつに融合させたものだ。ひとつは、足を痛めた冴えないランナーである筆者がメキシコの銅峡谷でカバーヨ・ブランコと呼ばれる幽霊を見つけ出し、史上最強の、”走る民族”、タラウマラ族の秘術を探る話。
    もうひとつは、多くのランニングシューズが人間の足に悪影響を及ぼしていることや、人間の身体がもともと走るようにできていることを、バイオメカニクスや人類学などの科学的な説明をいまじえて解き明かす話。
    そして三つ目は、タラウマラ族と世界最速のウルトラランナー、スコット・ジュレクをはじめとする七人のアメリカ人がメキシコの荒野で激突するレースの話だ。」・・・・引用おわり。
    久しぶりに、ハマった。
    最初は話があっち行ったり、こっち行ったりし、表現も(アメリカ人らしく)大袈裟じゃね〜?と思っていたが、最終的には、人生観にまで影響を受けた(気がする)。
    走る人、走ろうかと思っている人は読んでみてはいかがでしょうか。
    -----------
    昨晩たまたま見たNHKの番組で、タラウラマ族のアルヌルフォが出ていた。
    http://xn--nhk-o01e731gw20d.com/622.html
    ベストセラー『BORN TO RUN』のヒーローである彼がその後メディアに
    全く露出していないことを不思議に思っていた。
    (WEBで調べてみたが、殆どこの本の事で彼自身の事についての情報は
    見つからなかった。)

    あの本に出て有名になったあとも、それまでと同様の生活を続けているようだ。
    毎朝晩、崖下の水場にポリタンを持って行き、20Kgの水を担いで持ち上げてくる。
    食事は一日二回、トウモロコシで作ったトルティーヤとレンズ豆。
    お金は、ない。
    お金を稼ぐために、毎年メキシコで開かれる100Kmマラソンに出るのだという。
    (番組で今年の様子を撮っていた。
    100Km、1000m以上の高低差の山道を下って登る過酷なコースでスタートから
    3分/Kmというスピードで走るのをみて驚いた。
    彼は交通費節約のため前日会場まで70Kmを歩いてきたことが祟って足が痛くなり、
    10位でゴールした。賞金は得られなかった。)

    あの本が出たあと、商業主義的な誘いや提案がかなりあったであろうと想像する。
    それらを拒否してそれまでの生活を続けることを選んだに違いない。

    彼の居るメキシコ コッパーキャニオンで流れる時間を思う。
    自分の居る日常の時間の流れと比較してみる。
    自分が山へ行っている時の時間はどうだ?

    普通の人ならば、ほとんどが商業主義にながされるのではないだろうか?
    何故彼がそうしなかったのか、わからないが嬉しい気持ちになった。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.18

ブクログレビュー

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  • ストーンブリッジ@生き抜くのさ♪

    ストーンブリッジ@生き抜くのさ♪

    ぜひ最後まで読んで欲しい。

    確かに本書の前半は冗長な語り出しで、
    何が言いたいの?と疑問に思ってしまうのだが、そこでやめてはもったいない。

    後半はややショッキングな内容。
    そうか、これを隠すための、あえての自分語りだったのかな?

    衝撃の内容?はここでは置いておくことにして、ひとつだけ。

    太古の昔、人がまだ道具を使う前、どうやって獲物を仕留めていたのか?

    それは走ること。

    人間は草食動物よりも走ることに特化してる。複数人で協力して、1匹だけをとことん追い込む、そうすると必ず動けなくなって倒れ込む。そこを仕留める。

    なんという原始的な方法。

    だが人間が生き延びてきた進化の歴史を垣間見た。

    一読の値はある。

    オススメです。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • kaz.f

    kaz.f

    話が急に飛んだり、突然感情がドンって表現されるクセの強い独特の文体。有酸素運動してるときの頭の中に似ていると感じた。そして久しぶりに走りたくなった。2022年から始めた読書漬けの日々ももうすぐ一区切りだし、走りに行こうかな。続きを読む

    投稿日:2024.03.04

  • peco000

    peco000

    ランニングを始めたのでモチベーションを高めるために読んでみましたが
    翻訳の文章ということもあってストーリーが見えづらく、内容が入ってこなくて途中で挫折してしまいました。

    投稿日:2024.02.26

  • たぬき

    たぬき

    話の切り替わりにあまりついていけず集中して最後まで読むことはできなかったが、十分に楽しめる内容だった。
    人間が有酸素運動をすることをやめたら体調が悪くなるのはその通りだと思う。
    シューズを履く方が怪我しやすいというのは信じたくないが納得できる気もする。続きを読む

    投稿日:2024.02.12

  • たまぞう

    たまぞう

    走るとすぐ足が痛くなる著者は、自問する。How come my foot hurts ― どうして私の足は痛むのか?スポーツ医学の専門家には「走るのは体に悪いから控えたほうがいい」と言われるものの、それに納得がいかない著者は、やがてメキシコの「走る民族」ことタラウマラ族の存在を知る──。

    走るという人間の能力の謎、タラウマラ族の謎、そして超人的なランナーたちが繰り広げる過酷なレース。読み終えるころには「おれは走るために生まれた!」と(心の中で)叫びながら走りたくなる、そんな熱いスピリットあふれる良書。

    ■キーフレーズ

    銅峡谷(バランカス・デル・コブレ) カバーヨ・ブランコ タラウマラ族 どうして私の足は痛むのか?(How come my foot hurts?) ガゼルとライオン 「このへんは大麻だらけだ」 質問という暴力 ララムリとチャボチ ビアスの失踪 カスタネダが描いたシャーマンたち ララジパリ ランニングは移動手段 痛みと友達になる レッドヴィル アン・トレイソン イエスかノーで答える二進法 ワラーチ レースの定石 ウルトラランナーの幻覚 つま先で走る、腹で走る、笑顔で走る 走る人類(running man) $ エミール・ザトペック 「死んだときに葬儀屋にも悲しまれるような生き方をしよう」 人生への愛 「トレイルとけんかするんじゃない」 「楽に、軽く、スムーズに、速く」 スコット・ジュレク 「きみはひとりじゃない」 ジェンとビリー ベアフット・テッド ランニングシューズの発明 ナイキの罪 ベジタリアンでも走れる 走るのをやめるから年をとる 糖分ではなく脂肪を燃焼させる 有酸素運動は強力な抗鬱剤 手ごろな鉄槌(handy hammer)症候群 「ネアンデルタール人の謎」 ランニングマン仮説 汗をかく能力 自然淘汰は2つに収斂する 動物追跡(animal tracking)の技術 カラハリ砂漠のブッシュマン 走ることこそ、われわれを人間にした
    続きを読む

    投稿日:2023.10.18

  • 溢れ出る涙

    溢れ出る涙

    文章は読みづらかったが、内容は刺激的で、トレイルやサンダルラン、ウルトラマラソンへの興味が掻き立てられた。

    投稿日:2023.09.10

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