【感想】経産省の山田課長補佐、ただいま育休中

山田正人 / 文春文庫
(18件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • minerva-48

    minerva-48

    本書が出版されて13年が経過。しかし、男性の育児休暇取得率の増加は、まだまだ進行していない。一方、離婚率も上昇し、非正規労働者の数も増え続け、ブラック企業の数も増加している。
    人手不足になると決まって言われるのが、生産性向上というフレーズ。しかし仕事の段取りや能率や効率が進まない所以は、女性と違って男性は家庭の仕事を日々こなさなけれならないという圧力から解放されているがゆえに、時間内に仕事ができなかった時、いざとなったら残業すれば良いという環境に置かれているためとも言われている。
    男性が育児や家庭での役割が増えれば、職場での仕事のやり方や効率性、生産性が上がるの可能性は十分に考えられる。
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    投稿日:2019.03.25

  • toyosuke1206

    toyosuke1206

    このレビューはネタバレを含みます

    育休取得するにあたり、どんな生活になるのかをイメージしたくて読了。育休を取ることに対する周りの反応や、子供達とのやりとりの内容など、実際の体験談がてんこ盛りで、とても参考になりました。
    子育ては母親でなければどうにもならないなんてことはない。むしろ子育ては腕力体力がいるので男性の方が向いていることが多い、母親に対して劣等感を持つ必要はない。というのは実際に育休を取った体感からもその通りだと思うな。また「無理しすぎない育児をモットーに」という考え方は大賛成。男性で育休を取る予定の人は、あらかじめ読んでおくと参考になると思います。
    しかし今のようにイクメンなんてワードが持て囃されるはるか前の2006年という時代に、しかも霞が関の官僚が、育休を1年も取っていたということに驚き。

    ・男女の伝統的な役割分担がまだまだ根強いなかで、男性が1年間もの育休を取ることは、単なる1家庭の選択を越えた社会的な意義がある。

    ・育休の「休」という字に違和感がある。確かに会社は休むことになるんだが、仕事している以上に休まらない日々と向き合うことになる。いいリフレッシュになるねーなんて越え掛けはNG。

    ・食事を作る側になると、献立を考えるのが大変だとよくわかる。仕事の時は理由なき選択はしないわけで、こと献立に関しても何かしら自分の選択を正当化する理由が欲しくなる。

    ・育児はとても尊い仕事だと頭では理解しつつも、社会と隔絶された焦りからか、シゴトを猛烈にしたくなる。

    ・保育園の送迎時間は一種の魚河岸状態。てんやわんやの喧騒の中でいかに効率よく送り迎えをするか。

    ・育休は出世に響くという暗黙の世論がなくならない限り、男性の育休取得は進まないのではないか。

    ・散歩は親が楽しむのではなく、子供が楽しむもの。

    ・無理しない育児をモットーに。

    ・腕力体力のいる育児は父親の方が向いていることが多い。

    ・ぐるぐる巻きにして寝かしつけるとよく眠る。

    ・食べない理由はわからないが、子育てに論理は通用しない。

    ・おかあさんといっしょを始めとして、子育ては「おかあさん」という風潮を助長する文言が世の中には溢れ返っている。この表現をパパ向けにかえることでも、少しずつ世の中が変わるのでは。

    ・喃語だからこそ「こんなこと言ってるのかな」の想像が出来て微笑ましい。

    ・食事を作るようになって、より良い部位や美味しいところは子供達優先に取り分けるようになった。

    ・育休取得に際して、誹謗中傷を言う輩も少なからずいるが、同様にそういう誹謗中傷を退け守ってくれようとする人もいる。そういう人のためにも、復職してしっかりと働くこと。

    ・旦那が土日出勤が当たり前になると、旦那がいない前提の傷つかないプランを立てることになる。

    ・トイレに行きなさい!だと行きたくないもん!の応酬になりがち。パパおしっこしたいからついてきて!というと、子供も素直についてきて、ついでにトイレもしてくれる。

    ・育休を終えた後こそ、仕事と生活のバランスを保った工夫が必要。あの1年の経験はよかったねー!で終わらせない。

    ・男女雇用機会均等法ならぬ、男女育児機会均等法をつくるべき。

    ・男女に適した役割分担という言葉を巧みにつかいわけ、女性に子育てを押し付ける論調は後を絶たない。

    ・育児は驚くほどの発見と感動の連続。こんな楽しいことを女性に独占させておくてはない。世の男性にはこの楽しみをもっともっと分かって欲しい。

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    投稿日:2018.02.01

  • panda88

    panda88

    このレビューはネタバレを含みます

    経産省キャリア官僚である著者の育児休職日記。自らが時代を切り裂く砕氷船になるとのお覚悟、少子化対策への提言などご立派。御本人曰く、復帰後の出世等では影響はなかったとの事ですが、世間の偏見・反発は相当では…。私も自分でとれるかと言われると、正直自信無し。

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    投稿日:2015.02.26

  • yellowtrek4500

    yellowtrek4500

    社会人男子は読むべき一冊!
    まだ独身だが、将来共働きで家庭を築きたいと思っているため、とても参考になった。
    男子も子育てに参加する社会になると思う。

    投稿日:2014.06.28

  • tojikoji

    tojikoji

    タイトル通りに、男性が育休を取得して子育ての悩みを抱えながら、何とか乗り切ってきたそのエピソードと育児の自分なりのコツの本、と考えるとありきたりです。それよりも、もっと家事・育児に関する悩みの深いところを照らしてくれているのではないかなと。
    「男性が育休を取得することに対しての偏見」はもちろん大きいでしょうが、世間一般にはそれ以外にも「男性の家事・育児」に関する偏見はとにかくたくさんあるということ。

    例えば本書の場合、著者が育休を取得していることは別として、保育園に子供を迎えに行く場合は保育園のスタッフから「男性ではまともな子育てなんてできやしないだろう」という偏見で見られることなどがあるということ。
    これに限らず、いまだに男が家事や育児をすることに対しての偏見は非常に多いです。私自身そういう経験をたくさんしてきました。料理が好きだ、家の掃除が好きだ、洗濯が好きだ、そんなことを言えば、男性の同僚や友人からはそんなことして大変じゃないのか、奥さんは何してんだ、俺には考えられない、遊びに行けなくてかわいそう、男の仕事じゃないだろ、などなど。いろいろなバイアスがかかって私のことを見てくるわけです。
    こういった偏見、固定観念みたいなものに対して、そんなことない、男が自分の家の家事や育児を奥さんと分担するのは当たり前のことだ、と反論が浮かぶこともあれば、そうだよねと同意して諦めている自分もいたりするわけで、この悩みはなかなか分かってはくれない。

    結局は単純な話、男性が家事・育児をする歴史が浅くて市民権を得ていないから、でしょうけれども、それならばそれで積極的に家事・育児をこなそうとしている男性こそ、もっと温かい目で見てほしいなと思ってしまうわけです。下手だとしても、どうせ男だから上手くできないだろう、という目で見ずに。

    本書は、そういった「表見しずらかった悩み」さえ何とかしなければ、もっと男性の家事・育児参加に対する理解が世の中に浸透しなければならないという気持ちが随所に見られたような気がします。ただの育児アドバイスではなく、偏見に晒された時の著者の気持ちを共有することで、今現在育児・家事に奮闘している我々の力になってくれる、そんな思いが込められているように感じました。
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    投稿日:2013.02.15

  • yuki

    yuki

    妊娠中に読みました。
    これから産まれて来る我が子のことを想像しながら、育児の素晴らしさを感じることができました。
    ぜひ、男性が育児休暇をとりやすい社会に変わっていって欲しいと願うばかりです。

    投稿日:2013.01.17

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