【感想】逆説の日本史12 近世暁光編/天下泰平と家康の謎

井沢元彦 / 小学館文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

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  • moto

    moto

    司馬遼太郎の「封建社会では恨みは世襲する」というワード。
    関ヶ原の後の処罰により、薩摩、長州、土佐が恨みをもち続け、力を蓄え続け、徳川幕府を滅ぼすに至る。でも、家康は薩摩らを潰すまではできなかったわけで。自分ができなかったことをその先の世代に託したのもしれないが、それも忘れ勝者はおごり、260年かけて弱くなっていくのが切ない。
    しかし、潜在的な脅威である天皇家の封印は見事。家康は脅威も対策も全部わかっていたのかもしれない。井沢元彦は徳川家康を「危機管理の天才」と呼ぶ。吾妻鏡を読み、鎌倉幕府の滅び方から学ぶ天才。血縁のスペアを作り、武家諸法度で大名を縛り、朱子学で下剋上思想を潰す。
    だが、朱子学が天皇崇拝を導いてしまう歴史のおもしろさ。
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    投稿日:2024.01.28

  • kakane

    kakane

    家康のスーパーマンぶりをかたる12巻。
    裏の裏、先の先まで読んでいたと断定した論調だったが、家康も人間。そこまでは同調できなかった。
    ただし、天海、本多正信などブレーンが得意分野で入れ知恵をしていればあるいはと思う。
    次は江戸時代に本格的に突入する。何を題材にするか楽しみである。
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    投稿日:2021.11.27

  • キじばと。。

    キじばと。。

    この巻では、関ケ原の戦いから豊臣滅亡までの経緯と、家康によって江戸幕府の礎石がどのようにつくられたのかということがテーマになっています。

    前巻とおなじく、天下を取るためにはたんに戦いに勝利するだけでなく、支配をどのように正当化するのかということが大きな問題になるという点についてのわかりやすい説明がなされています。基本的に著者の立場は英雄史観なので、シリーズのどの巻もおもしろく読めるのですが、戦国大名たちの武力による戦いよりも権謀術数や政治工作などにおける彼らの英雄ぶりが語られていて、手練れの推理小説作家でもある著者にはお手のものなのかもしれませんが、おもしろく読むことができました。続きを読む

    投稿日:2020.06.17

  • knsatoshi

    knsatoshi

    関ヶ原の戦いから徳川幕府を立ち上げるあたりのことがわかりやすくまとめられている。対抗勢力の力を落とすための方策が参考になった。

    投稿日:2015.02.05

  • コジコジ

    コジコジ

    戦国時代もいよいよ終幕、天下泰平の徳川家康に焦点を当てる。魑魅魍魎の乱世を巧みに生き残り、権謀術数を尽くして75歳で天寿を全うした家康は、戦国時代の締めにふさわしい人物ともいえる。

    学校では無味無臭な日本史が、歴史好きな筆者にかかるだけでこれほど人間関係に溢れた躍動感ある物語に思えることに毎度驚かされる。のちの明治維新につながるさ薩長の外様大名としての怨念は生きた歴史を感じさせられ、ちょっとした感動を覚える。

    中身はとても面白く勉強にもなるのだが、「史料はない/史料はこうでも常識で考えればこうだ。だからこれで間違いないはずだ」という論法が多々展開されており、著者が度々批判する史料絶対主義の学者より性質が悪いケースが散見される。史料が不足している時代検証では成り立つ論法でも、多面的な一級史料が豊富な時代では、根拠に欠けると言わざるをえないだろう。その点は大きくマイナス。

    第1章 徳川幕府の成立1 序章としての関ヶ原編
    第2章 徳川幕府の成立2 泰平への長い道編
    第3章 徳川幕府の成立3 天下泰平の構築編
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    投稿日:2014.05.14

  • マサユキ

    マサユキ

    12巻は徳川家康。
    家康がどのような深謀遠慮を以て幕府を築いたかがよく分かる。「敵は分断して統治」という原則に従って本願寺の牙を抜いた手法などは、筆者も指摘するように凄腕だと思う。
    宗教勢力を政治の支配下に置くという、現代の世界でも成し遂げられていない事を、信長、秀吉、家康は断固として実行した。日本に宗教戦争がないのはこの3人のおかげ。
    感謝しないと。
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    投稿日:2013.09.17

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