【感想】黄色い部屋の謎【宮崎嶺雄訳】

ガストン・ルルー, 宮崎嶺雄 / 東京創元社
(40件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
5
10
13
5
2
  • 密室殺人の後には、謎解きとドラマが待っている

     密室殺人を描いた作品として名高い作品です。超人的な探偵ではない、青年記者ルールタビーユが巻き起こる事件や現場などを1つずつ分析し、解決へと導いていきます。トリックももちろん素晴らしいのですが、個人的には犯人が意外な人物でした。部屋の間取りなどを理解しつつ読んでいく必要があるので、本格的なミステリーを読みたい方にお勧めです。訳も分かり易かったです。

    ガストン・ルルーは因みにですが、「オペラ座の怪人」を書いたことでも知られています。「オペラ座の怪人」が好きという方にも、是非読んでいただきたいです。
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    投稿日:2013.11.09

ブクログレビュー

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  • miniknife

    miniknife

    2024.3.20 読了
    古き良き時代の雰囲気が好きで、それだけでのめり込んでしまう。文章が古臭いのも味だし、今とは全然違うスピード感(馬車や船、郵便物)もいい。
    それでも、それぞれの消失トリックは秀逸だし色褪せない。力技感もあるけど、その後に書かれたいろんなトリックを読んできたから言えるのであって、当時の人はどのように読んだのだろう?なんてことを考えながら読むのも楽しかった。
    被害者が加害者を庇うような言動が、ルールタビーユの解説の章に至るまでうまく隠されていて、そのあたりが作家の達意を感じる。
    時代背景も含め、一遍のオペラのような読後感が心地よい。
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    投稿日:2024.03.21

  • じゅう

    じゅう

    古典ミステリーが読みたくなり「ガストン・ルルー」の長篇ミステリー作品『黄色い部屋の謎』を読みました。

    密室殺人ものの古典的名作として高く評価されている作品なので、以前から読みたかった作品です。

    -----story-------------
    フランス有数の頭脳、「スタンガースン」博士の住まうグランディエ城の離れで、惨劇は起きた。
    内部から完全に密閉された“黄色い部屋”からの悲鳴に、ドアをこわしてはいった一同が目にしたのは、血の海の中に倒れた令嬢の姿だけ… 犯人はどこへ消えたのか?
    不可能犯罪に挑むは青年記者「ルールタビーユ」。
    密室ミステリーの金字塔にして、世界ベストテンの上位に選ばれる名作中の名作。
    -----------------------

    「ガストン・ルルー」の作品は約3年前に読んだ『ガストン・ルルーの恐怖夜話』以来ですね。

    本作品では、密室ミステリのメインとなる“黄色い部屋”での殺人未遂事件での犯人消失の他に、鍵の手廊下での犯人消失の謎、行き詰まり庭園での犯人消失の謎、、、 三つの犯人消失シーンがあり、それぞれ、別々のトリックが隠されており、三食愉しめる感じの構成になっています。

    鍵の手廊下での犯人消失は、そんなに巧く行くかなぁ… という気がしますが、それも真犯人のテクニックということで納得するしかないですね。

    そして、最後に青年記者「ルールタビーユ」によって解き明かされる“黄色い部屋”の謎、、、

    確かに密室ミステリーなんでしょうが、真実を知ったとき、意表を突かれた感じが否めなかったですね。

    密室トリックというよりは、心理的な密室ミステリー… 密室と思い込まされた、という感じですねぇ。

    あまりにも意外な人物が犯人だったので、それがトリックの妙味でもあるし、それにより読者が密室と思い込むよう、巧く誘導されてしまった感じでしたね。
    (種明かしになるので、この辺りでやめておきますが… )

    「スタンガースン」の門番「ベルニエ」夫妻の密猟や、旅籠屋「天守楼」の「マチュー」夫妻と「スタンガースン」家の森番「緑服の男」の関係が、読者を真実から遠ざける効果を出していました。

    こういう、直接的に犯人捜索につながらない伏線も、巧く使ってある感じがしましたね。

    やや冗長な文体が気になりましたが、まぁ全体的には愉しめたと思います。



    個人的には、同時期・同ジャンルのフランス作家では「モーリス・ルブラン」の方が好みですね。
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    投稿日:2024.01.04

  • pukuchans

    pukuchans

    大変複雑な密室の事件。
    どこでガストン・ルルのことを知ったかは忘れました。
    とても複雑ですが種はあちこちに撒かれていました。
    それに気付けないほど巧妙に仕掛けられています。全て後でわかることなのですが
    ホームズのように書き手がいる形式です。
    続編を匂わせるような終わり方も気になる。
    黒衣婦人の香りも読みたくなりました。
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    投稿日:2022.03.16

  • サロメの憂鬱

    サロメの憂鬱

    名作とされているけれど自分にはピンと来なかった。種明かしされた内容が不満だったというだけの理由。
    実際に読んだのは講談社のもの。表紙が印象的だった。

    投稿日:2021.02.14

  • akahira

    akahira

    古典名作とみんな褒め過ぎじゃなかろか。

    トリックネタバレは超強引だし、
    被害者が死ぬほど内緒にしていたかった犯人との関係も、
    死ぬ死ぬ言うほどじゃないんじゃね、と思えるし
    何より主人公が、犯人はわかったわかったと言いつつ
    全然わかってねー。
    話引っ張りすぎ。

    全体的に、スッキリしない結果で、読後ポカーンとしてしまった。

    シャーロック・ホームズとか明智小五郎が数段優秀。
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    投稿日:2019.09.12

  • 千早とわ

    千早とわ

    犯人は少々目星がつくし、トリックも明かされてみればなーんだと言うもの、なのだがルールタビーユのキャラ、探偵2人の対決の構図含め流石グイグイ読ませる。

    刊行当時に与えた影響は計り知れないし、今読んでもやはり傑作である。続きを読む

    投稿日:2019.03.20

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