【感想】日本のアウトサイダー

河上徹太郎 / 中公文庫
(2件のレビュー)

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  • yoshidamasakazu

    yoshidamasakazu

    河上徹太郎 「日本のアウトサイダー」

    中原中也、岡倉天心、内村鑑三ら 異端者(アウトサイダー)から 逆説的に 日本の正統の実像を探ろうとした本。

    そもそも 中原中也、岡倉天心、内村鑑三は異端者なのか? 当時は異端者だったのだろうか?

    著者は 日本には、ヨーロッパのキリスト教のような 正統は存在せず、異端(アウトサイダー)と正統は一体としている。正統は 異端により作られるという論調


    中原中也、萩原朔太郎らは 正統に反逆し続け、岡倉天心は反逆しながら正統を取り入れ、内村鑑三は正統を追究することで 反逆者として扱われた という違いは面白い


    内村鑑三が印象に残る。日本人だからこそできるキリスト教の正統とは何か、教会主義との違いは何か 興味を持った


    著者の結論
    *正統(インサイダー)とは 正統主義、オーソドクシーであり、自分の中にあるもの。伝統(過去にあって 自分の外に繋がるもの)とは違う
    *異端(アウトサイダー)と正統は 一体→正統とは〜次々に新しい養分を摂り、新しい世界を眺めて、重心を失わず動いていく


    アウトサイダー
    *何としても真実が知らされなければならぬという信念により言動する人、異端、幻を見る人
    *常識社会への批判精神(オーソドクシーの訂正)

    日本のアウトサイダー
    *実証主義の反動である ニヒル、懐疑が アウトサイダーの在り方
    *アウトサイダーがそのままインサイダーになる〜最も反逆的な詩人が正規の伝統を作り、岡倉天心が狩野派の骨法を墨守し、内村鑑三が無教会主義に拠る

    中原中也
    *敵なるインサイダー=現実の生命のおおらかな流れを遮断して生きる大正期のリアリスト

    萩原朔太郎
    *敵なるインサイダー=自然主義文学〜西洋を模倣せよと言いながら伝統の中に屏息する自然主義
    *大正文学の反俗性に寄与

    岡倉天心
    *正統性を異端主義に取り入れた〜内側から働くアウトサイダー

    内村鑑三
    *日本人の心を持ち、キリスト教の信仰は正統を目指した〜態度が正統性ゆえに迫害かれた アウトサイダー
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    投稿日:2019.06.30

  • Technico

    Technico

    出版社 / 著者からの内容紹介
    中原中也、萩原朔太郎、岩野泡鳴、河上肇、 岡倉天心、内村鑑三、大杉栄などの思想と行 動を、アウトサイダーの名のもとに解明し、 彼らの熾烈な批評精神を通じて、近代日本の インサイダーとは何かを追求した名著。 新潮社文学賞受賞続きを読む

    投稿日:2010.05.26

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