母の友2023年6月 特集「放っておかないで、自分の心身(からだ)」
母の友(著)
/福音館書店
作品情報
特集は「放っておかないで、自分の心身(からだ)」です。忙しい毎日。体調がすぐれないのに、自分のことは後回しにしていませんか? 女性のからだを知り、大切にする方法をご提案します。サントーシマ香さんのかんたんヨガのコーナーも。童話欄は「のりもののってレッツゴー!」(野田映美さん作)。*電子版には巻末付録のカレンダーはつきません。*電子版では、掲載されないページ、マスキングされた画像が含まれる場合がございます。*この作品はカラー版です。お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。
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この作品のレビュー
平均 4.5 (5件のレビュー)
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見返しに書かれている、「母の友」の読者アンケートの九割の方は女性であり、今号の特集の「自分の心身(からだ)」の「自分の」は、「女性の」という意味を強めにこめて使っているが、ぜひ、「母」の「友」であって…ほしい存在、男性にも読んでいただけたらと思っている、この姿勢を私はとても嬉しく思う。
川内倫子さんの写真、「六月の光」
今回は、蜘蛛の巣に張り付いた、まるで規則性があるような芸術的な丸い水滴の向こうに、ほのかに浮かび上がる光たちに、撮り方次第で、こんなに光の見え方や表情が変化することに驚き。
小幡彩貴さんの「Kinderszenen」
その止むことのない雨音だけが聞こえる静謐さに於いて、言葉こそ無いけれども、そこには確かに親と子の通わせる温かさが、ポッと宿っていた。
長田杏奈さんの「私のきれいは私が決める」
マスク着用を「個人の判断」に委ねる政治方針の適用から、「美しさ」や「化粧」にまつわる社会の圧がなくなって、初めて真の意味での「自分のための美容」が叶うのだと思うと書かれた、長田さんのやり切れなさは、女性が困窮しやすい社会構造に責任がある、政治家から、「マスクを外して美しい顔を出して、忘れていた化粧をする」なんて言われたくないといった、率直な気持ちによく表れていると思う。
そして、特集は
「放っておかないで、自分の心身」
しりあがり寿さんの扉絵の、無分別にハッピーになれそうな開放的なイラストに後押しされるように、紹介される、数々のコーナーの多彩さには、母の友編集者の、その子育てや仕事や家事に忙しくて、つい自分のことは後回しになっている、そんなあなたへ向けた優しさが、私にはとても心に残り、どこまで紹介していいのかと迷ったり、恥ずかしさも伴ったのですが、もしこれを読んで、参考になるような事があればいいかなと思い、書いていきたいと思います。
最初は、関東中央病院産婦人科医長、稲葉可奈子さんのお話から、生理について、不快に思う基準は誰かに決められることではなく、“自分にとって”でいいそうで、自分自身が困っているのならば、医療の力を借りるべきであり、その辛さは、生活習慣など、自分の頑張りでコントロールできることではないそうです。
次に、ヨガ講師のサントーシマ香さんの、初めてでもチャレンジしやすく、短い時間で出来るヨガの紹介では、まず呼吸で心身を落ち着かせるところから始まって、朝の気持ちを前向きにするヨガ、椅子があるだけで出来る、肩や腰の疲れを楽にするヨガ、一日の終わりに、その日の疲れをリセットし、気持ちよく眠りにつけるヨガと、見ていて簡単そうで、これは必見だと思います。
続いて、薬膳アテンダントの池田陽子さんの、「始めてみませんか、ゆる薬膳」で、薬膳と聞くと、自分で作れるわけがないと思われそうですが、考え方はシンプル、しかも使うのはスーパーの食材でOKとのことで、大切なのは、自分にとって必要な食材をコンスタントに『体内に投入』することだそうで、疲労回復やエイジングケア、ストレス解消に不眠解消、婦人科系トラブルと、それぞれの悩みに適したレシピも紹介されております。
その後の、関根美有さんのコミックエッセイでは、四十代になって、体調の変化を感じ始めて、あまりの腹痛に病院に行ったら、いわゆる生理痛だった事を知ったときに実感されたのが、いままでの自分の偏見と無理解の恥ずかしさだったそうです。
最後は、「性教育YouTuber」で助産師のシオリーヌさんと、そのパートナーの元看護師、つくしさんのインタビューで、私が印象的だったのは、その活動のきっかけが、多くの方が妊娠や出産が起きて初めて自分のからだのことを何も知らないことに気がつかれていることを知ったことであることと、性の話というと、極端に神聖化されたり、アダルト向けのコンテンツのように捉えられてしまうことが多いが、自分が健康に安全に社会の中で生きていく上で、普通に大事な話をしているだけと話された、そこには、健康や尊厳が軽んじられている現状を見過ごしてはいけないといった思いがあることに、そうだよなと、はっとさせられるものがありました。
「読んであげるお話のページ」は、野田映美さんの「のりもの のって レッツゴー!」。
乗り物大好きな、みちくんが、次々と入れ替わり立ち替わり乗っていく、それらに、子どもたちも食いつくこと間違い無しな中での、開放的な展開は、夏休みを控えた今の季節にこそ、ぴったりな内容で、私的には、80年代風のシティ感溢れるポップな色合いが印象的だった。
「えほんのきほん」
絵本を読んでも見たり聞いてくれないという質問に対して、まずはパラパラと好きに開いて絵を楽しむことから始めてみるといいそうで(「この猫かわいいね」とか、「赤い車が走っているね」とか)、そこには、子どもがまだ絵本に慣れていないということもあるかもしれないので、気長に構えて、大人も子どもも無理がないように楽しみましょうとのこと。兄弟姉妹がいる場合は、一方に読み聞かせしていると、そっと聞いているかもしれませんよ。
絵本作家対談「あべ弘士×竹上妙」(前編)
版画にしか自信がなかった竹上さんに対して、あべさんの、「絵本をやっていくなら版画にこだわらないで、絵とかいろんなものに気楽に挑戦した方がいい」の言葉に、自分の世界が広がった竹上さんを知ることで、自分だけの視点からでは決して分からない、人と人との交流の素晴らしさを実感させられ、そんな自由な発想を持つ、コピー機などを駆使して作られた、あべさんの「アリューシャン・マジック」は、是非読んでみたくなりました。
「あの号の話」
母の友1960年5月号の、「しかること」と「怒ること」の違いや(子どもに説明することと、感情をぶつけること)、すべての子にあてはまるしかり方は存在しないことが記載されていることに、その時代は、もっと大らかなイメージを勝手に抱いていたが、今も昔も変わらないんだなといった、母の友のその姿勢が何より凄いと思った。
安田菜津紀さんの「わたしのストーリー」最終回。
中学生の頃、亡くなったときに初めて、父が在日コリアン二世だったことを知ったことから始まった、安田さんのルーツをたどる旅に於いて、何度となく通った、神奈川県川崎市桜本にある、多文化共生施設「ふれあい館」には、安田さんの祖母と同年代のハルモニ(おばあさん)たちも集い、時に差別に見舞われながら、働き詰めだった彼女たちの言葉に触れたとき、祖母が生きてきた時代も少しずつ「見えてくる」気がしたそうで(32歳で亡くなったそうです)、そんな中でも起こった、2015~16年のヘイトデモの行進に、川崎市議会は全国に先駆けて、ヘイトスピーチを刑事罰の対象とする条例を成立させたが、その後も、在日コリアンへの危害を予告する脅迫年賀状がふれあい館に届いた、この執念深さはいったい何なのだろう。そんな状況もあるから、自身のルーツを一生明らかにしない人もいるのだろうと思った時、もし自分がそのような立場になったら、どう感じるのか、まして、かけがえのない家族たちにも言えないって、それがどれだけ辛いことなのか、少しは本気で考えてみろよと言いたくなるくらい、悲しさでやり切れないものがあったが、安田さんの『共に生きる』を、ただのスローガンで終わらせないために、これからも旅とその発信は続くという、その思いは、ずっと注目していきたい。
小林エリカさんの「母の冒険」
仕事に家事にと、いつだって余裕がない中、ついに必要な会話だけしかしなくなっていた、その状況に孤独感を感じていたのではと思われた、小林さん。そこから、なんでもないお喋りや、なんの意味も目的もなく、ただ誰かと一緒に時間を過ごすことの大切さを痛感していくことには、今の時代性もあるとは思うが、それこそ、人間が人間たるバランスの保ち方なのかもしれないと、改めて痛感させられた。
小川たまかさんの「自由のほうへ行くために」
企業の不祥事があった場合、経営者は株主からとことん説明を求められるのに、何故政治家は、有権者の求める説明責任から、ああも逃れ続けているのか、確かに疑問に思い、彼らが口にする言葉の影響力はとても大きいのに、ひたすら同じ文言を繰り返す中身の伴わない謝罪で済まそうとしている、その姿に、敢えて馬鹿な振りをしているのか、もはや分からないが、「丁寧に説明していく」と繰り返せば、丁寧に説明したことになるのだろうかと嘆かれる、小川さんのお言葉、本当に、なんなんでしょうね。
「BOOKS」で紹介されていた、「古賀及子」さんの
「ちょっと踊ったりすぐにかけだす」は、岸本佐知子さんの推薦文の(このコーナー、よく岸本さん出てくるけど、推しなの?)、「あー、今からでも古賀さん家の子に生まれたい!」という一文が印象的な、こんなに楽しそうな人たちを今まで見たことがない、そんな内容に惹かれつつ、そこに紹介されていた、『日記は1日のことをまるまる書こうとせずに5秒のことを200字かけて書くといい』には、目を覚まさせる程の説得力を感じ、それに対して、子どもたちは『玄関でサンダルと靴のどちらを履こうか悩んだこと』を書いたとか。なんて素敵な家族だ。続きを読む投稿日:2023.07.21
心を亡くしたささくれた身体に生きた言葉が染み込んでくる。
本書で執筆してくれている方々はみんな優しい。
ほんとにほどよい距離感のともだちって感じ。
自分の時間を取り戻すお伴。投稿日:2024.02.11
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