椎名林檎論 乱調の音楽
北村匡平(著)
/文春e-book
作品情報
「文學界」掲載時から大きな話題を呼んだ連載が書籍化!
約20年もの間、評論の言説がほとんど追いつけなかった、その規格外の才能を、歌詞・和音・構成・歌唱・意匠から統合的に論じる。
『無罪モラトリアム』から『音楽』まで、椎名林檎の音楽を「演奏」するように批評する、革新的音楽論。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 椎名林檎論 乱調の音楽
- 著者
- 北村匡平
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2022.10.11
- Reader Store発売日
- 2022.10.11
- ファイルサイズ
- 2MB
- ページ数
- 392ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (9件のレビュー)
-
まさに、『椎名林檎の戦い』を丁寧に解説してくれている。
2014年に椎名林檎のLIVEに行った際に、同じようなことを感じて書いた。
2014-12-08
林檎博’14 年女の逆襲 -椎名林檎LIVE…- レビュー
もともと、デビュー当時から、椎名林檎は世の中で流行っている音楽に違和感を感じていた。何となく良さげなメロディー、キレイな音づくり、ボーカルメインの構成、耳触りのいい歌詞、といった当時のヒットソングに対して、あたかも喧嘩を売るがごとく、ファズの効いたギターをかき鳴らし拡声器で叫んでいた。それは狂気とも見える椎名林檎の「いい音楽とは何か」を問うデモンストレーションだったのだ。
デビューから15年間、椎名林檎は日本の音楽「J-POP」というジャンルで闘い続けてきたのだ。そして、ここ数年のヒットチャートに苛立っていた。これが売れるのか、これが求められている音楽なのか、本当にいい音楽とはこういうものなのか、J-POPはこれでいいのか…。アイドルグループ、アニソン、企画モノがヒットチャートの上位を占める今のJ-POPの状況。もちろん、これらの音楽を椎名林檎は否定するわけではないのだが、「今の時代において自分が本当にいいと考える音楽」を提示しようとしたのがアルバム「日出処」だった。
そして、ライブの日を迎えた。セットリストは初期の代表曲やライブで盛り上がる曲を一切排除した全27曲。途中でMCをはさむことなく演奏がハイテンションで続いていく。椎名林檎もバンドメンバーもまさに「カラダを張って」演っており、ステージから圧倒的な熱量が発せられていた。
本来というか、妊娠出産休養から復帰後の椎名林檎は、ライブでは来場者に気を遣うタイプのミュージシャンである。特にデビュー10周年の「林檎博'08」では、ヒット曲や代表曲をメインにしたセットリストだった。今回のライブでも、観客に満足して帰って欲しいという気持ちを持っていたはずだ。ところが今回のセットリストは全く違った。丸サも本能もここキスもギブスも罪罰も、そしてあり富すらもやらない。新作アルバムの楽曲を中心とした「今の椎名林檎の音楽」が、スタートから26曲目まで猛烈なパワーと驚異的な精度で一気に進んでいく。
そして最後の1曲を残したところで椎名林檎のMCが入った。「今日は逆襲ということで、少しサディスティックな感じになってしまってごめんなさい」というコメント。このライブは椎名林檎の闘いだったのだ。デビュー当時のように、今の音楽シーンに対する違和感と苛立ちから、「アーティストとしての矜持」を観客に全力でぶつけてきた。だから「逆襲」であり、「サディスティック」だったのだ。
そこにあるのは「お前らは今のJ-POPでいいのか! 私が最高と考える音楽を最高のレベルで演るから、よく見とけ!」という気概とアジテーションである。一部批判を受けた「NIPPON」のアウトロでは、フルテンでファズを効かせたギターを力強く弾く椎名林檎の姿があった。そんな強い意志を持った音が僕の体を貫き、密度の高い楽曲が僕の身体を包み込む、そう僕が感じたから衝撃的に涙が出たのだ。
演出や衣装は椎名林檎としての一応のサービスだったかもしれない。しかし楽曲は観客の期待に応えることなく、敢えて自分の音楽をひたすら突きつける。そんなことをせざるを得なかった椎名林檎は、最後に「ごめんなさい」と言ったのだ。
https://kenrisa.hatenablog.com/entry/410311593.html続きを読む投稿日:2024.01.21
音楽を言葉に落とし込むのが上手すぎる。
音楽理論がわからなくても楽しめるし、椎名林檎が好きでなくても楽しめる。
ぜひ他のアーティストでも書いて欲しい。投稿日:2024.02.29
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。