とらすの子
芦花公園(著)
/東京創元社
作品情報
「とらすの会」の人は皆優しくて、居心地が良かったんです。中でもマレ様なんて嘘みたいに綺麗で、悩みを聞いてぎゅって抱きしめてくれました。でも“会議”では、誰かが「許せない人」への恨みをマレ様に訴えて、周りの人たちも口々に煽って……翌日、その「許せない人」は死体で見つかるんです。それが怖くて行かなくなったら、裏切者って責められて……。時間がないです、私、殺されます──。錯乱状態に陥った少女は、オカルト雑誌のライター・美羽の眼前で突然、爆発するように血肉を散らして死んだ。スクープを狙った美羽は「とらすの会」を訪ねるが、マレ様に出会ったことで、想像を絶する奈落へと突き落とされる──。『ほねがらみ』『異端の祝祭』がSNSで話題を攫ったホラー界の新星が描く、美しい異常。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (27件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
題名、表紙から読み取れる情報は何も無いです。少なくともほんわかではない事ぐらいか。
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カルト宗教ものなのかなと思いましたが完全にホラーでした。
悪魔という概念は西洋のもので、純粋な悪という存在は少なくとも古来日本の中ではあまり聞いた事が無い。なので悪魔が自由自在に人を殺害してくというある意味情緒の無い現象はホラーとしては非常に西洋的で、そこに理由が無いだけに救いも無いです。
しかも攻撃がとても物理的でパワー系なので、もはや霊現象や呪いなどのか弱い存在感は皆無です。
そういう色々な事を通過したうえで、エンターテイメントホラーとしてとても面白かったです。投稿日:2023.06.12
このレビューはネタバレを含みます
無差別殺人が繰り返し起き報道されるも、事件は一向に糸口が見えず人々の興味をそそるだけ。
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そんな中事件に関わる団体があり、マレ様という人物が浮かび上がるが─というお話。
カルト宗教的ホラーかと思いきや…、オーメンでした。
*
「私、もう、時間が」
ミライがそう痛らしたのとほぼ同時に、地面が揺れた。地震かと思ったのも束の間、私は衝撃で、中腰のまま地面に叩きつけられた。咄嗟に目を瞑る。
耳鳴りがする。それ以外に何も聞こえない。
うっすら目を開ける。人が倒れこんでいるのが見える。白いワンピース。正面のテーブルに座っている若い女の子だ。放心した様子で固まっている。その横の子も、同じだ。段々耳が慣れてくる。ばたばたと駆け回る音。悲鳴。電話をかけている人もいる。私はゆっくりと体を起こす。顔が熱い。顔になにかがかかっているようだ。そこが熱を持っている。私は顔を左手で揃った。
赤い。鼻腔がひくついた。鉄錆の臭い。痛い、と叫んでから気付く。痛くない。これは私の血ではない。じゃあ、誰の。一体何が起こったのか分からない。本当に分からないのだ。爆発事故?それはない。
殺人が突然目の前で起きた状況です。
目に映る状況を、見えてはいるけれど認識する
前に脳が混乱して処理できない そんなパニック
が上手すぎて、それまでの文脈をほっぽり出して
こちらも主人公と同様に物語に入り込んでしまい
ました。
死ぬ。
死ななくてはいけない。
価値のない、どうしようもない人間。
蹴られて壁に頭を何度も打ち付けられると目の奥に星が飛ぶ何度も飛んでから急に痛くなる。
痛みと涙と鼻水はセットで鼻水で卓腔が埋まって息が吸えなくなる喉の奥が痙準して変な音がする泣いても誰も来ない目の前の手が悟を掴む足に縋りついてやめろと叫ぶそれでも誰も助けに来ない誰も来ないお風呂に入れない臭い服虫歯だらけの口同級生に馬鹿にされ顔が腫れあがっていると面白いと言われる豚と言われる泣いても誰も助けに来ない
見てはいけないものを見てしまい恐怖のために
過去に受けた虐待がフラッシュバックしている
状況です。
句点を省き能に怒涛の情報と感情が溢れ出す脈絡
のなさ、絶品〜!
文章がなんてお上手〜!
*
強い人と一緒にいると疲れるんですよ。坂本さんもそうです。確かにあなたのことを友達として好きだったかもしれない。でもね、彼女が死を選んだのは、あなたのせいですよ。あなたみたいに、辛い目に遭っても前向きで、努力して自分の人生を切り開いていく人のことを見ていたら、誰だって、自分が惨めで死にたくなるんじゃないかしら。眩しいのですよ。あまりにも正しくて。
正論を粛々と体現していくあなたはとても暴力的だ。
"あなた"はかわいらしく、仕事に一生懸命で、
まるで愛されたことしかないように純粋でかわい
い容姿。その上不幸に挫けず努力できるという
「設定」。
"あなた"に対して私が思ったことがまさにこうし
て言われていてなんとも言えないです。
私は心が弱い側の人間なので、いつトラスの会員
たちのような決断をするかもしれない。
どんなに弱くてもがんばれなくても逃げても、
本当は全然いいから、罪悪感に駆られず最後は
彼らのような決断をしない努力だけはしたいと思
いました。
私はどこかで「悟のために頑張っている自分」に陶酔していなかっただろうか。自分のことを、他の人よりずっと努力していて、立派な人間なのだと思わなかっただろうか。きっと、そうだった。だからそれが悟にも伝わった。「私がお前のためにこんなに頑張っているのだからお前もちゃんとしろ」悟はそれを感じ取ったのだ。私が悟を引き取り、生活費を出しているのは私が勝手にしたことなのに、恩を売るような真似をしていたのだ。
上記に対する"あなた"のアンサーです。
キツ〜〜!
続きを読む投稿日:2024.04.01
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