強い組織ほど正解を捨てる―――10000人の経営者と対話してたどり着いた「きれいごと経営」
西坂勇人(著)
/ダイヤモンド社
この作品のレビュー
平均 4.5 (3件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
強い組織の遺伝子とはなにか。それを自らの経験で語ったのが本書である。
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筆者自らティール型組織を運営するなかで世にはびこる思い込みなどに気づき社員が自ら考え成長する組織を作っていったという経験の話である。
なるほどと思う点が多数ある。参考になった。投稿日:2023.07.01
序章 元ブラック企業経営者が、経営者1万人と対話して気づいたこと
「組織のための個人」から、「個人のための組織」へ
本当に「変わらなければならないこと」は何なのか?
職人をネットワークする …── 2000年生まれのネットベンチャー
数百人の経営者と会っても答えが出ない「迷いの時期」
稲盛和夫さんの「理念経営」との出会い
自律分散型の組織に変わるために「変えなかったこと」と「変えたこと」
勝手に始まった新規事業が、コロナ禍の会社を救った
「会社に行かない経営者」が始めた二つのこと
経営者を「守り」に追いやる二つの課題
「組織のための個人」から、「個人のための組織」へ
「ティール組織」にしさえすればいいのか?
組織も、テレビ型からユーチューブ型に変わっている
「ありたい姿」を持つ3人の経営者からの学び
「アリとキリギリス」を現代の文脈で理解すると
「正解は一つじゃない」と認めることが、分断を埋めるためのカギ
第1章 組織を弱くする「元凶」は、経営者の頭の中にある
「変化」と「成功」を手放す
1 私たちが経験している「変化」を因数分解する
子どもの頃に大事にしてきたことは何ですか?
25年前、私はどんなふうに仕事をしていたか ── 20年で変わったこと ①
スマホ世代は、どんなふうに仕事をしているか ── 20年で変わったこと ②
看板業界をIT化 ── 私の起業経験
パラダイムの変化についていける人、ついていけない人
歴史的な大変化を前に、どう動くべきなのか
力から知識へ ── 産業革命による変化
知識から知恵へ ── IT革命による変化
知恵から「?」へ ── AIによる変化
組織の中で迷いと苦しみを生み出している「3世代間のズレ」
コロナ禍とDXで問われる根本的価値観
「グレート・リセット」で、豊かさは多様化する
2 なぜ「組織」は変化で疲弊するのか?
疲弊した組織に現れる「症状」の数々とは
組織を疲弊させる「既得権益」と「成功体験」
「何を変えるか」を考えるときの落とし穴
「正解のない世界」で最も大切にしないといけないこと
変化を前にした人間の「心の動き」を観察する
第2章 「高エンゲージメント/低ストレス」な組織を実現してわかった「人」のこと
「評価」と「常識」を手放す
1 人の心の構造を知る
組織の「関係性」が人の心を蝕んでいる?
「硬直した心」が生み出す二つの害悪
変化を阻む「意識の構造」
社会の常識という名の「刷り込み」
見えない「評価」が生み出してしまう「恐怖」
「評価制度」こそが変わることを阻むもの
「自己正当化」は、評価に囚われた人の末路
あなたを縛る「不安」の正体を見極める
2 人はいかにして「囚われ」から脱するのか
私たちを縛るもの ① ── 学歴
私たちを縛るもの ② ── 比較という本能
有名中小企業の2代目社長の葛藤
「すごい自分」という評価で天国から地獄に落ちた起業家
友人と比較してばかりの若手社員が陥った「自己正当化」の罠
周囲の目を気にするあまり苦しみのループにはまった女性
SNSに囚われることで失ったもの
「嫌われたくない」心に縛られた経営者
3 自分なりの「軸」を持ち、越境しつづける
未来や過去を想像する力が持つ「負の影響力」
変化にストレスを感じるのは、自分の価値観が定まっていないから
東京のど真ん中から逗子へ移住した理由
考え方の軸を明確にすれば「自ずから変わる」
同質性の危険と、越境のススメ
第3章 理念経営からティール組織まで試してわかった「組織」のこと
「効率化」と「生産性向上」を手放す
1 組織の構造を知る
組織とは何か? ── 満たすべき3つの条件
株式会社の成り立ち
1000年企業に学ぶ、組織の存在理由
理念やミッションが大切な本当の理由
理念経営が通用しづらくなってきたのはなぜか?
2 組織のあり方に影響を与える要因とは
よい経営とは、「生産性向上」「効率化」「合理化」?
効率化でAIに勝てるか?
法定通貨の価値が下がっていることを自覚しているか
高まる「目に見えない価値」の重要性
「幸福かどうか」の基準が変わった ── ウェルビーイング経営へ
経営者はZ世代とどう向き合うべきか
3 組織のどこをどう変えるべきか
変えてはいけないこと ── 論語と算盤
ヒエラルキー組織から自律分散型の組織へ ── 何が変わったか
理念の捉え方の変化
フィロソフィと文化(コミュニケーション)
「管理会計」の本質は未来を創造すること
ティール組織を導入するときに最も気をつけるべきこと
「手段」と「目的」を取り違えない
自分はどんな経営をしたいのか? ── 3つのタイプ
重要なのは、頭のよし悪しではなく「Be」
人の成長は、「認識の広さ」で決まる
やりがい設計も4つのパラダイムで考える
組織変容は、トップの意識変容だけでは起こらない
経営者のあり方が、会社に跳ね返る
「俯瞰、内省、越境」の仕組みを取り込む
第4章 社員が自ら成長する「強い組織」をどうつくるか?
「管理」と「正解」を手放す
コロナ禍に急拡大した「社長が一度も見たことのない事業」
1 GCストーリーのすべては「組織計画」から始まる
事業ビジョンと組織ビジョン
GCの変遷 ① ── 創業期の体育会系ベンチャー
GCの変遷 ② ── 志に重点を置いた理念経営時代
GCの変遷 ③ ── 幸福を追求し、自律分散型組織へ
なぜ「組織計画」を設計すべきか
経営者が「あるべき姿」を描いてこそ
組織の現状を理解する ── メンバーとのビジョン合わせ
組織の羅針盤「やりがい」を設計する
GCストーリーの組織計画の見取り図
目的 ── 「幸福の最大化」「理想の社会を顕現する」
幸福の定義 ① ── 「幸福は環境変化よりも意識変容」
幸福の定義 ② ── 「認識の範囲を拡大すること」
一番幸福な時間は何ですか?
大切な考え方 ── 「正解はない」(囚われからの解放)
2 GCストーリーの組織はこうしてつくられた
一人ひとりの内発性、自律を促す組織への移行
1 目指す方向を決める
2 自分に問いかける
3 メンバーにミッション、ビジョンを伝える
4 社員を「人間性」と「能力」の掛け合わせで見る
5 人間的成長を軸にやりがいを設計する
6 「論語と算盤」の基本設計
7 採用、教育、評価の仕組みを整える
「組織計画」策定のためのマトリクス
移行のプロセス ── 摩擦をどう乗り越えるか
「最短距離」思考を見直す
「選択と集中」から、「分散と修繕」戦略への転換
父性と母性の最小公倍数
自律分散型組織特有のリスクは、対話で乗り越える
3 メンバーの成長のため、「学習」をどう支援すべきか
会社の使命は、一人ひとりの「人間的成長」を支援すること
「認識の範囲」をいかに広げられるか
認識の範囲 ① 自分、家族まで ── 自分(家族)の損得だけで判断する
認識の範囲 ② 認知できる周りの人まで ── 周囲に認められるかで判断する
認識の範囲 ③ 直接は認知できない人まで ── 自分の役割を果たせているかで判断する
認識の範囲 ④ 人類社会全体 ── 課題も含めて自分に統合し、今できる最善で生きる
認識を拡大すると、当事者意識、主体性、内発的動機が発露する
「心」は多重構造である
1 自己肯定感プログラムで成長の土台を
2 知識研修で「ゼロベース思考」を
自身の思考を「俯瞰する力」を身につける
認識拡大が起きれば自動的に能力開発の仕組みができる
認識の範囲が引き起こす「成長の行き詰まり」
認識の範囲拡大を妨げるエネルギーとベクトルの入れ子構造
人は違うパラダイムにいる人のことを理解できない
人は外から変化させられない
本人に必要な研修をリコメンドする
メンバーにも必要な「俯瞰、内省、越境」
パーソナルミッションの発掘研修
私たちが女川町で研修を続ける理由
おわりに ── MUSTの呪縛を解き、WILL溢れる世界へ続きを読む投稿日:2022.07.17
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