越境と冒険の人類史:宇宙を目指すことを宿命づけられた人類の物語
アンドリュー・レーダー(著)
,松本裕(翻訳)
/草思社
作品情報
アフリカを出た人類が宇宙移住をもくろむまでの歴史をたどる
壮大な歴史ノンフィクション!
人類は、私たちの祖先がアフリカから足を踏み出したときから
生存と繁栄のために冒険の旅を続けてきた。
そしていま、冒険の最前線は宇宙になった。
本書はSpaceXの宇宙工学者が最新の研究成果を交えて「未知の世界」に挑み続けてきた人類の歩みを描くユニークな歴史ノンフィクション。
人類史が宇宙開発の未来図と結びつく稀有な一冊!
なぜ地球から宇宙へと旅する必要があるのかと尋ねるのは、私たちの先祖に、
なぜアフリカ大地溝帯という境界から外へと出て行くべきなのかと尋ねるのと同じだ。
たいていのニーズは満たされているのに、なぜ外の世界へ出て行く必要があるのか。
・・・・・・重要なのは、現時点における可能性の限界に身を置くことで、
過去には解決できなかった問題を解決するためのインセンティブが生まれるという点だ。
(本書「プロローグ」より)
ゆりかごを出て/初期の放浪/海の人々/古代世界の探検者たち/越境するギリシャ・ローマ/北からやってきた「蛮族」たち/初期の遭遇/もう一つの地中海/中国の大航海時代/インドへの航路/略奪と黄金/世界一周/貿易の帝国/開かれる大陸/科学のフロンティア/氷と雪の大地/空へ/宇宙競争/ロボットの目を通じて見た世界/未来へ/火星への道/宇宙旅行者への道/星間を旅する/異世界の生命/最終目的地
(本書「目次」より)
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商品情報
- 著者
- アンドリュー・レーダー, 松本裕
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- 草思社
- 書籍発売日
- 2022.04.28
- Reader Store発売日
- 2022.04.28
- ファイルサイズ
- 8.6MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (2件のレビュー)
-
第1部 起源
第1章 ゆりかごを出て
複数の「人類」が存在する世界/ネアンデルタール人の痕跡/農業がもたらした大転換
第2章 初期の放浪
オーストラリアへの到達/南北アメリカ大陸への到達/イ…ヌイットがなしとげた偉業/ネイティブアメリカンを襲った災禍
第3章 海の人々
広大な海洋文化圏の成立/「偶然の発見」か「意図された旅」か/ポリネシア人の航海心得/南への冒険、東への冒険/古代の船乗りたちによる香辛料貿易
第4章 古代世界の探検者たち
文化の「高速道路」としての地中海/古代エジプト人が目指した場所/パピルスに記された冒険譚/フェニキア人の広大な海運王国/最初の世界地図
第5章 越境するギリシャ・ローマ
すべてはクレタ島から始まった/西洋文明を生み出した力/ギリシャ人対ギリシャ人の大海戦/アレクサンドロス大王の冒険/ギリシャ文化を軸につながった東西/画期的な発明・発見/「蛮族」の地を旅したピュテアス/一般市民による科学的発見の旅/ローマを強国にした「好奇心」/史上最初の100万都市/「インドがローマ帝国から搾りとる」/「大秦」への使節団
第2部 世界の再発見
第6章 北からやってきた「蛮族」たち
カエサルを苦しめた造船・航海技術/アイルランド人修道僧の航海/バイキング時代の始まり/文化の中心的存在としての船/侵略から定住へ/西方への拡大/グリーンランドの発見/北米への入植活動/アメリカで生まれた最初のヨーロッパ人/バイキングの北米入植はなぜ失敗したか
第7章 初期の遭遇
サツマイモ、ココヤシ伝播の謎/太平洋を航海したインカの皇帝/〈コンチキ号〉〈ラー号〉の挑戦/「接触」を示唆する数々の手がかり/流れ着いていた人々
第8章 もう一つの地中海
世界の中心だったインド洋/ルクソール神殿に落書きしたインド人/東南アジアに拡大したインド文化/東南アジア史上最大の帝国の出現/イブン・バットゥータの壮大な旅/インド洋の共通語としてのアラビア語/過去の栄光を呼び覚ます香辛料/遅れてきたヨーロッパ人の挑戦/ポルトガル対オスマン帝国
第9章 中国の大航海時代
革新的な大型海洋船舶ジャンク/モンゴル帝国の勃興/破壊者の功績/『東方見聞録』のインパクト/フビライ・ハーンの知的欲求/マルコ・ポーロの時代の旅人たち/後進地域としてのヨーロッパ/発明大国としての中国/中国が世界の覇権を握った可能性/鄭和の巨大艦隊/内向きになった大国の運命
第10章 インドへの航路
イタリア諸都市の覚醒/コグ船、カラック船、カラベル船/エンリケ「航海王子」の慧眼/「危険の父」を越えて/アフリカ大陸に立てられた十字架/世界を二分する境界線/バルトロメウ・ディアス、「最果て」への旅/「すべての海の提督」バスコ・ダ・ガマ/ポルトガル人の日本上陸が意味すること
第11章 略奪と黄金
コロンブスの確信/歴史を変えたコロンブスの錯誤/スペイン王室の思惑/「陸だ!」/「高潔な野蛮人」の発見/凱旋/それからのコロンブス/新大陸に移植された奴隷制度/「征服者」たちの出自/コルテスはなぜ成功したか/ピサロと182人の男たち
第12章 世界一周
事実誤認から生まれる大発見/マゼラン船団の不穏な航海/マゼランの死/世界一周の遺産
第3部 近代
第13章 貿易の帝国
ヨーロッパの興隆の一因となった自然条件/印刷技術の普及は文字数の違い/オランダ興隆の理由/オランダの時代/英仏の角逐/奴隷制度
第14章 開かれる大陸
ハドソンの悲劇/マッケンジー/ルイス・クラーク探検隊/太平洋に到達/ベーリングの偉業
第15章 科学のフロンティア
略奪から科学的な調査へ/クック船長はなぜタヒチに向かったのか/南方の巨大大陸を探して/北西航路の発見/旅する科学者フンボルト/女性として世界初の海外旅行作家
第16章 氷と雪の大地
北極圏の氷に閉ざされた2隻の船/近代技術でも征服できない未踏の北極点/原子力潜水艦が北極点で浮上する/シャクルトンの偉大な救出劇/国際的な管理責任となった南極大陸
第17章 空へ
飛行機はもっとも安全な移動手段/必要以上の安全性で設計される/大西洋を横断した初の女性飛行士/「空の女王」イアハート/太平洋上に消えたイアハート
第18章 宇宙競争
宇宙旅行の基礎を築いた世捨て人/ナチスのロケット研究チームが戦後アメリカの宇宙計画を担う/世界を変えた〈スプートニク〉/宇宙競争に先行するソビエト/撮影された「地球の出」/月面に降り立ったアームストロング
第19章 ロボットの目を通じて見た世界
ロボットが月面を探索する/灼熱の金星と呪われた火星/私たちは火星人かもしれない/銀河の終わりまで旅する〈ヴォイジャー〉/NASAが別世界の生命探索に乗り出した/太陽系外惑星を発見するケプラー宇宙望遠鏡
第4部 『スタートレック』への道
第20章 未来へ
超知性を持つAIの時代/人工知能は人類に悪意を抱くか/ブラックホールと腫瘍を発見する天体分光/宇宙への探求が新たなイノベーションを生む/宇宙に乗り出す人類
第21章 火星への道
地球に落下しないために超高速で移動する/予算不足でかろうじて生きているNASA/スペースシャトルは最悪のコストパフォーマンス/アポロ計画は冷戦時代の産物/宇宙飛行でもっとも成功している民間企業SpaceX/ロケットの再利用/最適な目的地は、月か火星か/火星の豊富な水資源/火星移住計画
第22章 宇宙旅行者への道
人類の二つの未来/宇宙の豊富な資源とエネルギー/惑星間の宇宙旅行は安くて簡単/宇宙採掘は莫大な利益を生む/宇宙で野菜を育てる/宇宙に豊富なヘリウム3を燃やして電力を生成する/金星の雲の中に浮かぶ都市/もっとも魅力的な土星の衛星タイタン/温室効果を生み出して火星を地球化する/太陽系に地球の子孫があふれる
第23章 星間を旅する
史上最高速の探査機でも6500年かかるプロキシマ/ロケットに適用されるニュートンの第三法則/宇宙船の推進力に核爆弾を使う「オリオン計画」/核融合ロケットは可能か/宇宙を「ワープ」させて移動する/人類は銀河系を横断できるか/「世代宇宙船」あるいは多世代にわたる旅/人類は探検家の血筋を引き継いでいる
第24章 異世界の生命
地球外生命体の可能性/衛星の闇の海を泳ぐ微生物/火星に生命体は存在するか/生命の起源はRNA(リボ拡散)の鎖から/多様な生物の化石/ヒトの祖先「ピカイア」/「目」を進化させた地球の生物/知的生命体の身体的特徴/コミュニケーションを取る知的生命体/人類のような奇跡の進化を遂げた地球外知的生命体/高度な文明の宇宙人との遭遇
第25章 最終目的地
宇宙史の分岐点に立つ人類/確実に進歩している文明/特定の星に適応する進化/不老不死への道筋/世界がシミュレーションである可能性/探険に挑み続ける人類続きを読む投稿日:2022.05.13
素晴らしい本。人類代の終焉とささやかれ悲しい気持ちの昨今だが、これを読んで、まだまだ人類は行ける、いや行かなくてはならないと強い気持ちにさせられました。
投稿日:2023.09.18
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