10年目の手記 震災体験を書く、よむ、編みなおす
瀬尾夏美(著)
,高森順子(著)
,佐藤李青(著)
,中村大地(著)
,13人の手記執筆者(著)
/ボイジャー
作品情報
災害時代を生きる私たちにとって、いま最も大切な一冊。
東日本大震災から10年。これまで言葉にしてこなかった「震災」にまつわるエピソードを教えてください――。
そんな問いかけから「10年目の手記」プロジェクトは始まった。
本書は、暮らす土地も被災体験も様々な人々の手記をもとに、東北と縁を結んだアーティストと演出家、阪神大震災の手記を研究する社会心理学者、文化支援事業のプログラムオフィサーが語り合い、自身を重ね、手記の背景に思いを巡らせた記録である。他者の声に耳をすます実践がここにある。
【目次】
はじめに
【第一部 よむ 10年目の手記と往復エッセイ】
あなたは、いつ、どこで、どうやって書いたのですか
・先生とハムスター ハム太郎
秘密とわからなさ
・空に聞く H・A/あの日 海仙人
読み手に“秘密”を託す
・二〇一一年三月十二日から、現在へ はっぱとおつきさま
〝子ども?だった彼らが語り出すまで
・この先通行止め コンノユウキ
過去を辿る
・消えた故郷 ほでなす/もとちゃんへ 島津信子
手向けの花と、手記
・スタート 西條成美/兄の思い出 吉田健太
ともに生きる
・祖母の日記 八木まどか/こぼれていく時間を集めて 柳澤マサ/東北の伴走者 echelon
物語という火
・海から離れず生きた十年 小野春雄
10年目の手記 全タイトル
【第二部 編みなおす 10年目をこえにする】
「10年目の手記」をつくる
わたしが話しているような声
10年目をきくラジオ モノノーク
「とある窓」の写真について
おわりに
【著者】
瀬尾夏美
(アーティスト/一般社団法人NOOK)
1988年東京都生まれ。土地の人びとのことばと風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。2012年より3年間、岩手県陸前高田市を拠点にし、対話の場づくりや作品制作を行う。2015年仙台市で、土地との協働を通した記録活動を行うNOOKを立ち上げる。ダンサーや映像作家との共同制作や、記録や福祉に関わる公共施設やNPOとの協働による展覧会やワークショップの企画も行っている。著書に『あわいゆくころ 陸前高田、震災後を生きる』『二重のまち/交代地のうた』。
高森順子
(社会心理学者/阪神大震災を記録しつづける会)
1984年兵庫県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科単位修得退学。博士(人間科学)。愛知淑徳大学コミュニティ・コラボレーションセンター助教。グループ・ダイナミックスの見地から阪神・淡路大震災の経験を表現する人々とともに実践的研究を行い、被災体験の分有のあり方について研究している。2014年に井植文化賞(報道出版部門)受賞。著書に「声なき被災者の経験を未災者に伝える」(共著『シリーズ人間科学6 越える・超える』、大阪大学出版会)がある。
佐藤李青
(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)
1982年宮城県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。2011年より現職。都内事業の東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Labに加え、Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)を立ち上げから担当。『東北の風景をきく FIELD RECORDING』編集長(2017~2021年)。著書に『震災後、地図を片手に歩きはじめる』(アーツカウンシル東京)。
中村大地
(作家、演出家/屋根裏ハイツ主宰)
1991年東京都生まれ。東北大学在学中に劇団「屋根裏ハイツ」を旗揚げし、8年間仙台を拠点に活動。2018年より東京在住。人が生き抜くために必要な「役立つ演劇」を志向する。『ここは出口ではない』で第2回人間座「田畑実戯曲賞」受賞。「利賀演劇人コンクール2019」ではチェーホフ『桜の園』を上演し、観客賞受賞、優秀演出家賞一席となる。近年は小説の執筆など活動の幅を広げている。NOOKのメンバーとしても活動。2020年度ACY-U39アーティストフェローシップ。
13人の手記執筆者
Art Support Tohoku-Tokyoの企画として実施したプロジェクト「10年目の手記」(企画運営:一般社団法人NOOK、主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)のために、
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 0 (1件のレビュー)
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10年経っても、あの震災のことは今でも思い出せる。いた場所や被災の有無など差はあれど、ここに収められた手記には書き手の思いを自分ごととして読み取れたものがある。そしてこれはただ手記をまとめただけでなく…、それを編みなおし、朗読として伝える試みについても述べられている。実験報告のようにも読めるが、映像や写真では語りきれない「書くこと」の大切さも教えてくれる。続きを読む
投稿日:2022.07.14
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