名著の話 僕とカフカのひきこもり
伊集院光(著者)
/角川学芸出版単行本
作品情報
NHK「100分de名著」で出会った約100冊より、伊集院光が、心に刺さった3冊を厳選。名著をよく知る3人と再会し、時間無制限で新たに徹底トークを繰り広げる、100分de語りきれない名著対談! ■川島隆(京都大学准教授)と語る、カフカ『変身』 ──“虫体質な僕ら”の観察日記■石井正己(東京学芸大学教授)と語る、柳田国男『遠野物語』 ──おもしろかなしい、くさしょっぱい話たち■若松英輔(批評家、随筆家)と語る、神谷美恵子『生きがいについて』 ──人生の締め切りを感じたとき出会う本
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商品情報
- シリーズ
- 名著の話
- 著者
- 伊集院光
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川学芸出版単行本
- 書籍発売日
- 2022.02.16
- Reader Store発売日
- 2022.02.16
- ファイルサイズ
- 3.4MB
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 4.1 (38件のレビュー)
-
『100分de名著』のスピンオフのような対談集。
伊集院さんが、『100分de名著』で取り上げた作品のうち、本編を読んで、そのうえでもう一度先生方と語ってみたい、と思った三作品、『変身』『遠野物語』『…生きがいについて』。
驚いたのですが、伊集院さんは番組収録の前に取り上げる作品を読むことを禁止されているのだそうです。
ほぼほぼ作品の知識が真っ白な状態で収録されてるんですね。
それなのに、あの理解力、例え力、凄いです。
三作品すべて興味深かったのですが、圧巻はラストの神谷美恵子『生きがいについて』。
おふたりが対談を通じて、本を通じて、深く、濃く、通じ合っていく過程を見せてもらえたよう。
これぞ「対話」。
本編を読んでからまた読んでみようと思えました。続きを読む投稿日:2022.04.08
このレビューはネタバレを含みます
【名著と名著の著者たちのお話】
レビューの続きを読む
この本では、カフカの『変身』、柳田国男の『遠野物語』、そしてちょうど先日読んだ神谷美恵子さんの『生きがいについて』の3冊について紹介されていた。
NHKの『100分de…名著』を昔よく見ていて、カフカの回も見ていたから、思い出した。
『変身』は、番組を見た後に一度読んでいて、『遠野物語』は読んだことなくて、ネット上の「まとめサイト」みたいな本と話されていて、少し親しみを感じられた。
『生きがいについて』は、著者自身の状況についても紹介されていて、知らなかったのでなんだか新たな視点で読んだ本について省みたりした。この本を書くのにも何十年もかかった、自叙伝みたいなものだと紹介されていた。そして、調査・観察の対象である患者さんとの関係にも意識的であったこと、それが自分との関係性でもあったことも興味深かった。
それ以外にも、焦らされる社会で「待つ」という能動的行動について話されていたり、そこでギアを調整することー価値体系をずらす、価値基準を新たにすることをコロナの経験に照らし合わせていたり。死者との関係ー死生観、生き残っている人が亡くなった人のいのちを「生み直す」という視点は印象深かった。
「生きがい」を自分で読んだ時に、自己実現や表現について書かれていたところで、自分について唯一無二のかたちで人に伝え、受け取られることって自分の存在意義を確かめるうえで大事だなーとあらためて思ったりしていたけれど、この本のなかでは、「表現」と「体現」の違いについて話されていた。
対談者の若松英輔さんいわく、
—「生きがい」は情報化できない。別な言い方をすれば、「表現」に向いていなくて、むしろ「体現されることが多い。
らしい。
—現代は「表現」が重んじられる時代です。極端にいえば、信じていないことでもうまく表現することは可能です。そしてそれが評価されたりもする。しかし「体現」は、それまでその人が生きてきたものが現れてくる。…ハウツーの世界にあるのは、「体現」から切り離された「表現」だけ…」
コミュニケーション能力、言語化能力が強かったり、得意だったりする人もいるし、それができないよりできるほうがいいなーと思ったり。
でもそれは、一方で、少し順番が逆な場合もあるのかな。
相手の欲していることをうまく伝える、それは職業上求められることかもしれないけれど、人生トータルにおいて一番優先すべきことはたぶん、自分の価値観に基づいて、それをどう実現していくか。そのために、私たちは人と関わり、助けたり、力になることを欲するのだと思ったり。
論理的で実践的なハウツー本よりも、フィクションだけど具体的に生きているような人間のストーリーが描かれる小説が読みたくなったりする。それぞれが違って、そんな人物の生き様に心を動かされる。これもなにかつながっている気がした。生き方を通して、どう自分を体現するのか、一人の人物像があって、これまでとこれからがあって、それで今何をするのか、を問いながらみんな生きているのかもしれない。続きを読む投稿日:2024.03.06
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