1冊でわかるポケット教養シリーズ 楽典がすいすい学べる本
土田京子(著)
/ヤマハミュージックメディア
作品情報
大好きな音楽に近づくために、どうしても知っておいていただきたい音楽上のルール・約束ごとが「楽典」です。(中略)これまで書かれた本の奥は「独学する人」に親切ではありませんでした。そもそも、言葉が難しくて(日本語なのに!)参ってしまう。この欠点を何とか退治してみよう、というのが、この本が誕生した理由です。(「はじめに」より)※本書は2005年刊行『改訂版 これだけは知っておきたい土田京子の説き語り楽典講座 音楽史付』(小社刊)を文庫化したものです。
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.0 (1件のレビュー)
-
文庫本で、しかも話し言葉で親しみやすく書かれている楽典の本。
いわゆる「楽典」のこと以上に、西洋音楽史のことや、オーケストラで用いられる楽器についての話もあり、楽典以外にも音楽を勉強する人が知って…おくべき基礎が書かれている点が良かった。でもやっぱり楽譜を見て、頭の中で音が鳴らせる人じゃないと、難しいことには変わりない。それから、著者の書きっぷりはバブリーな感じで、これに親しめるかどうか、という問題もある。(もうおれもいい大人だから別にこんなの気にしない、と言いたいところだけど、例えば「『対位法』って聞いたことあります?「何、それ?」って人が多いでしょう。『対位法ってナンダ!」と聞かれたら、アタシャー"ペア・ダンス"と答えますナ。」(p.150)という感じで続くことに耐えられるか…という。)ただ重要なメッセージがいくつか盛り込まれていて、そのうち繰り返されているのは、「私が常々問題だ、と感じていること。それは私と一緒に音楽の勉強をしてくれるピアノ教師たちが、どうも、自分の弾ける楽器にしか興味を示さない傾向があることです。これは、ピアノを専攻する多くの人の悪い癖。もっといろいろなジャンルの曲を聴きましょう!(略)ほかのジャンルの音楽の『耳貯金』なくして、豊かな演奏はあり得ないのです。」(p.185)、「ピアノだけを弾いていると、鍵盤楽器が世の中にある楽器のすべてであるかのような錯覚に、いつの間にか陥っている場合が多いように思います。」(p.226)、というあたりは納得した。というか実は最近、自分も同じことを言われた。作曲家はここで楽器で言うと◯◯のつもりでこの部分を書いたはずだ、というのをイメージして、その時の◯◯の楽器の音色が分からなかったら良い演奏はできない、と言われたのとちょうどシンクロした。面白かったのは、鍵盤楽器はメロディーをうたうことも、ハーモニーを支えることもできて、「つまり、鍵盤楽器って、毎月のおこづかいが『ン十万円』の"金持ちのぼっちゃん"みたいなものなのです。(略)だから、どんな音域でもこなせるからって、真に"うたう"ことに無頓着だったりして、"ドラ息子"だなんて言われないようにしなくっちゃ。そして、一緒に弾く時、ほかの楽器に本当に耳を開いて(心の耳を、ネ)弾ける人になりたいですね。そのためにも、鍵盤を持たない楽器たちのこと、いろいろ知っていたほうがいい。」(p.230)というのも納得した。あと、耳が痛いのは、「ただ、"強くする"とか"弱くする"とか言ったって、いろんな状況があるわけでしょ。」(p.254)っていうのは、その通りなのだけど、これを表現するのが難しい。目からウロコだったのは、フォルテとかピアノの意味。「"強い"と言うと、何だか、つい引っ叩くように弾かれそうな気がして心配。英語で「f」は何と言うと思います?"loud:よく響かせて"と言うのです。それじゃあ「p」は?"soft:柔らかい音で"ですって。」(p.248)という、強弱というよりも音色の問題なのか、というのは発見だった。最後に音楽史のところで、《牧神の午後への前奏曲》を書いたドビュッシーの話で、「1889年、27歳の時にパリで万国博が行われた折、ベトナム、カンボジア、ジャワの音楽を聴いて、その未知の魅力にとりつかれています。」(p.191)とか、「若い頃、ワーグナーに強く魅かれていました。」(同)とか、印象的だった。あとムソルグスキーの《展覧会の絵》はもともとピアノ曲で、それをラヴェルがオーケストレーションした(p.197)という話も知らなかった。
音楽の勉強を基礎から大事なことを教えてくれる、という感じの本で、とにかく読みやすく、良かった。(22/12/11)続きを読む投稿日:2022.12.16
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。